いむれ内科クリニック

愛知県豊橋市のクリニック
内科・感染症内科・呼吸器内科・アレルギー科

肺炎球菌ワクチン

2014-12-07 18:00:29 | 予防接種

「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。インフルエンザ発症の情報をちらほらと聞くようになりました。皆さんも体調を崩さないようご留意ください。

肺炎球菌ワクチンをご存じでしょうか。肺炎球菌はその名の通り肺炎を起こす病原体ですが、その他にも髄膜炎や敗血症などの重症感染症を引き起こします。今年から高齢者の方を対象に、この肺炎球菌に対するワクチンが定期接種となりました。接種の対象は65歳から5歳おきに100歳までと、101歳以上の方です。該当する方には豊橋市から予防接種通知書が送られ、接種費用の助成があります。毎年のインフルエンザ予防接種とともに接種しておくと良いでしょう。定期接種の年齢に該当しない方は、自費になってしまいますが早めの接種をお勧めします。

豊橋商工会議所会報誌「ニューボイス」に肺炎球菌ワクチンの記事を執筆させていただきました。


プレフィルドシリンジ・チメロサール非含有のインフルエンザワクチン

2014-10-06 20:15:45 | 予防接種

「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。インフルエンザの予防接種の時期になりました。当院でも10月1日から任意の接種を始めています。豊橋市の高齢者インフルエンザ予防接種は14日(火)からですので、今しばらくお待ちください。

さて、今シーズンはインフルエンザのワクチン製剤を「北里第一三共」のものに変更しました。これはプレフィルドシリンジ製剤で、保存剤としてチメロサール(水銀化合物)を含まないものです。

従来は2人分の薬液が入ったバイアル製剤を使っていましたので注射器で薬液を吸引する操作が必要でした。もちろん十分にゴム栓を消毒して吸引し、使いかけのバイアルは当日中に使用する(翌日には持ち越さない)等の規定を守って使用していました。しかし注射針を刺す際に栓の一部が削り取られて異物となる(コアリング)などの困ったことも起きます。

プレフィルドシリンジprefilled syringeとは薬剤充填済みの注射器のことです。プレフィルドシリンジ製剤では1人分の薬液があらかじめ注射器に入っており、先端に注射針を付けて注射するだけです。バイアル製剤で問題となる異物混入・細菌汚染のリスクを軽減することができます。

チメロサールはエチル水銀由来の防腐剤で、バイアル開封後の細菌汚染防止のために古くから用いられてきた物質です。1990年代に、チメロサールを含有する予防接種を受けることと自閉症等の発達障害との因果関係が指摘されましたが、最近の疫学研究ではこれは否定されています。またエチル水銀の代謝・排泄は早いことから体内に蓄積しにくいと言われています。チメロサールを含有したワクチンを接種しても直ちに不都合が起こるわけではありませんが、ワクチンメーカーではチメロサールの含有量を減らしたり全く使用しないような製剤にする努力が行われています。

なお、この「北里第一三共」のワクチン製剤は1歳未満の赤ちゃんには接種できませんので「フルービックHA」を使用します。「フルービックHA」はバイアル製剤でチメロサールは含有しません。


いろいろなワクチン

2014-04-24 19:06:11 | 予防接種

「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。

新年度になったためか、最近予防接種を希望される方がたくさんいらっしゃいます。海外赴任を控えている方などは幾種類ものワクチンを短期間に接種しなければなりません。写真は最近受診された方に接種したワクチンです。

  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • 狂犬病
  • 破傷風

医療機関や保育施設で勤務される方も麻しん・風しん・水痘・おたふくかぜなどのワクチンの接種が必要です。当院では状況に応じて必要なワクチンのアドバイスをしたり、接種のスケジュールについてのご相談に乗ることができます。

また当院では複数のワクチンを同時に接種することができます。同時接種しても各々のワクチンの効果が弱くなったり、副反応が強く出たりすることはありません。

予防接種は予約制です。接種希望日の2日前までにご連絡ください。入手しにくいワクチンもありますので、とくに海外赴任などのときには余裕を持って接種のスケジュールを組みましょう。小児のワクチンも接種できますのでご相談ください。


インフルエンザ予防接種の有効性と安全性

2012-11-20 14:17:58 | 予防接種

こんにちは、「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。最近インフルエンザ予防接種をご希望の方がたくさん来院されています。

インフルエンザのワクチンはA型が2種類とB型が1種類混合されたワクチンです。ワクチンの有効率はシーズンごとに大きく異なり、日本臨床内科医会の調査では20%台と低いときから80%近くの高いときまであります。要は「接種しておけばかからない」のではないということです。予防接種に加えて手洗いをしっかりするとか、咳をするときは口元を覆う(咳エチケット)など、日頃の衛生習慣が大切です。

「予防接種をしたのにかかってしまった」という方がいらっしゃるかもしれませんが、有効率が100%でないことからご理解いただけると思います。しかし接種をしておけばかかってしまっても症状が軽く済むといわれています。

インフルエンザ予防接種は最も安全なワクチンのひとつです。接種したところが腫れたり痛んだりすることが10~20%程度見られるとされていますが、ほとんどは一時的なものです。鶏の卵を使って製造されるワクチンなので卵アレルギーの方はご心配されることがあります。しかし最近のワクチンは高度に精製されているので、卵でアナフィラキシー(重症のアレルギー反応)を起こした方以外は、安全に接種できると思います。

診療予約が取りづらくなっておりご迷惑をおかけします。午後はかなり混んでいますが、午前は若干の空きがあります。診療予約専用webサイトか、電話0532-69-5678でご相談ください。