こんにちは、「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。
「感染症内科」と聞いて診療内容がピンとくる方は少ないと思います。約10年前、豊橋市民病院に着任したときに当時の市長さんから辞令をもらいましたが、「感染症内科というと、マラリアでも診るのかね?」と言われました。
おなかが痛かったり下痢をしていれば消化器内科にかかりますね。胃カメラや大腸のバリウム検査を受けられた方もみえるでしょう。脈が乱れたり心臓が痛いときは循環器内科にかかります。つまりそれぞれの臓器の専門家です。
感染症とは、細菌・ウイルス・真菌(カビ)などが体内に入って身体に感染して起きる病気です。発熱などの全身症状に加え患部の腫れや痛みが起きます。また病原体が入った臓器に特有の症状も現れます。例えば肺なら咳や痰、腸なら下痢という症状になります。感染症は体のあらゆる臓器に起こりうるので、「感染症内科」もすべての臓器について診療します。ここが他の内科と異なるところです。
- 呼吸器感染症 ・・・ かぜ症候群・扁桃炎・肺炎・肺結核・インフルエンザ
- 頭頸部感染症 ・・・急性中耳炎・急性副鼻腔炎
- 中枢神経感染症 ・・・ 髄膜炎・脳炎
- 尿路感染症 ・・・ 急性膀胱炎・急性腎盂腎炎
- 腹部感染症 ・・・ 急性下痢症・腹膜炎
- 皮膚・軟部組織感染症 ・・・ おでき・蜂窩織炎
- 骨・関節感染症 ・・・ 骨髄炎・化膿性関節炎
感染症はお熱が出ることが多いので、患者さんには「お熱を診る医者です」と申し上げます。しかし発熱は感染症以外でも起こるので、その見極めが難しいのです。このあたりのお話はまたの機会に詳しくいたしましょう。