いむれ内科クリニック

愛知県豊橋市のクリニック
内科・感染症内科・呼吸器内科・アレルギー科

マイコプラズマ肺炎が流行しています

2015-07-21 21:02:24 | 診療

「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。例年7月は患者さんの数も少なく落ち着いていることが多いのですが、今年はなぜか発熱や咳・痰、のどの痛みを訴えて来院される方が大変多いです。そのような患者さんについて検査を進めていくと胸部X線検査で影があり、マイコプラズマ肺炎と診断される方が多くみえます。

マイコプラズマ肺炎は小児から青年期の方に多く発症し、発熱、全身倦怠、頭痛などが初発症状です。咳が強いことが特徴で、発病後3~5日より始まることが多く、乾いた咳が経過に従って徐々に強くなります。解熱しても長期にわたって(3~4週間)持続します。潜伏期間は2~3週間で、インフルエンザなどに比べ長いです。

写真はマイコプラズマの迅速検査試薬です。以前ご紹介したインフルエンザの迅速検査試薬と同じように、診察室で15分程度でマイコプラズマ肺炎の診断ができます。写真ではわかりにくいですが、窓に赤い線が2本出ると陽性です。以前はこのような検査がなかったため、症状や流行状況などによる臨床診断が主な診断方法でした。血液検査で抗体価を測ることでも診断できますが、原則的には初診時と治癒時に2回採血をする必要があるため、初診時に治療方針を決めるには役に立ちません。

治療は抗菌薬の投与(飲み薬や点滴)ですが、通常の肺炎より長い治療が必要です。症状が良くなってきたからといって服薬をおろそかにせず、きちんと飲みましょう。

マイコプラズマ肺炎は咳によるしぶきで感染(飛沫感染)します。マスクをしっかり着用し、手を良く洗いましょう。