「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。2015年のノーベル生理学・医学賞が大村智博士に授与されました。博士が発見したアベルメクチン(またはエバーメクチン)を元に駆虫薬イベルメクチン(商品名ストロメクトール®)が開発されました。
私はイベルメクチンの名を聞くと沖縄県立中部病院での短期研修を思い出します。沖縄・奄美地方では「糞線虫症」という病気が多く、イベルメクチンはこの病気の特効薬なのです。詳しくはラジオNIKKEIスズケンDIアワー「腸管糞線虫駆虫薬イベルメクチン」をご覧下さい。
イベルメクチンは日本では2002年12月にようやく発売されましたが、その直後の2003年1月~3月に沖縄県立中部病院の内科・感染症グループに伺い研修することになりました。イベルメクチンの発売は大きな話題となっており、研修医の先生が学会発表用に糞線虫症の患者さんのまとめのスライドを作るのを手伝ったりしながら一緒に勉強しました。イベルメクチンはその後「疥癬」という病気にも使えるようになり、日本では一般的にはむしろこちらの薬として認識されていると思います。
沖縄県立中部病院では日本人初の米国感染症専門医になられた喜舎場朝和先生と、日本の感染管理の先駆けとして活躍された故・遠藤和郎先生の教えを受けることができました。このお二人の師匠に出会ったことが私の医師としての大きな転機となり、その後豊橋市民病院で感染症内科・感染症管理センターの医師としてしばらく勤務することとなりました。2011年に「いむれ内科クリニック」を開業して現在に至りますが、内科の一般診療の中で感染症の診断と治療には引き続き力を入れております。
「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。5月以降暑い日が続いていますが皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
当院でもしばらく前から扇風機を稼動させています。ダイソンの「タワーファン」で、回転する羽根がない扇風機です。小さなお子さんも来院されるので、安全に配慮してこの機種を使っています。エアコンも併用していますが、空気をかき混ぜることで冷房効率を上げ、少しでも電力を節約して環境にやさしいクリニックにしたいと考えています。
「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。最近電子聴診器を買いました。心臓や肺の音をマイクで拾って増幅するというものです。従来の機械式聴診器に比べ
- 音を増幅できる
- 録音・再生機能がある
- 録音した音をコンピューターで解析できる
などの利点があります。残念ながら音を解析して自動的に診断してくれる機能はありません(笑)。私が購入したものは3M リットマン エレクトロニック ステソスコープ モデル3200です。海外では数社から同様のものが発売されているようですが、国内で入手できるのはこのシリーズだけのようです。見た目もかなり普通です。普通じゃないのもありますけど。
最近は医療機器の進歩により検査の方法が多様化し、従来からの聴診器だけに頼ることはできなくなりました。私たち医師の間でもややもすると聴診は軽視されがちで、患者さんに「聴診してもらったのはここが初めてだ」と言われたことが何度かあります。しかしすぐにできて患者さんに負担をかけない聴診の重要性は現在も変わっていないと思います。
「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。スギ花粉症に対するアレルギー免疫療法(減感作療法)のお薬である「シダトレン®」が発売になりました。アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを、低濃度、少量から投与し、徐々に増量、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法で、下記のような特徴があります。
- アレルギー症状を軽減したり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法です。
- 治療前に、症状がアレルゲンによるものかの確定診断が必要です。
- 治療は長期間(3~5年)かかります。
- すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。
詳しくは鳥居薬品株式会社のwebサイトをご覧ください。
「シダトレン®」を処方するためには一定の研修を受ける必要があり、私も研修を修了しました。スギ花粉症でお困りの方はご相談ください。
「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。台風18号の接近により今日は未明から暴風雨でしたが、皆さんは被害はなかったでしょうか? 午前中は臨時休診とさせていただきご迷惑をおかけしました。
今朝起きてメールをチェックすると中部電力から停電のお知らせが来ていました。医療機関にとって停電は一大事です。当院は電子カルテを導入しているので、停電するとパソコンが動作せず患者さんの診察や処方箋の発行ができません。
またワクチン類は冷所保存のため、専用の冷蔵庫に保存しています。停電すると冷蔵庫内の温度が上がりワクチンがダメになってしまいます。クーラーボックスに保冷剤を詰めて横なぐりの雨の中をクリニックに駆けつけましたが、冷蔵庫の温度は上がっておらず何とか助かりました。