命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

BBC(日本語&英語)と朝日新聞のウエブメディアの記事

2016年05月11日 15時21分19秒 | 事件
BBCのウエブニュースの記事の英語版にも状況が詳しく書かれている。


逃げたシマウマ、ゴルフ場の池に落ちて死亡
Runaway Japanese zebra dies in golf course lake
BBC NEWS 23 March 2016


↑獣医が麻酔の吹き矢でシマウマを鎮静しようとした(23日)
The zebra was shot with a tranquilliser dart by a veterinary officer


↑吹き矢に射られて池に落ちたシマウマ
It plunged into the lake after it was shot


↑池から引き上げられるシマウマ。すでに心停止していたという。
The zebra was pulled out within minutes but its heart had already stopped

愛知県の乗馬クラブから脱走したシマウマが23日、岐阜県土岐市のゴルフ場で発見されたが、麻酔の吹き矢で鎮静された後、池に落ちて死亡した。
警察や獣医師が数時間にわたり捕獲しようとゴルフ場内を追い回した後、吹き矢で鎮静を試みた。射られて池に落ちたシマウマを警察は数分後に引き揚げたが、死亡したという。警察は、引き上げた時点ですでに心臓が停止しており、溺死した可能性が強いと話している。

警察や地元報道などによると、シマウマは雄の2歳飼育されていた乗馬クラブから22日夜、厩舎のフェンスを押し開けて脱走したという。翌朝になると、土岐市の国道をシマウマが走っていたという通報が警察に相次ぎ、間もなく名岐国際ゴルフ倶楽部のコース内で発見した。

A zebra that ran away from a horse riding club in Japan has died in a golf course lake after it was tranquilised.
Police officers and veterinarians had chased the animal around the course near Toki city in the central Gifu prefecture for hours.
It ran into the lake shortly after it was shot with a tranquiliser dart.
The animal died despite being pulled out within minutes. Officers said it had likely drowned and that its heart had stopped.

The two-year-old male zebra was owned by a mobile zoo, reported the newspaper Mainichi Shimbun, but was being housed at the Mikuni West Farm, a local stable and riding club.
On Tuesday evening, farm managers were bringing in the zebra for the night when it became agitated, trampled the paddock fence, and escaped, fleeing towards a nearby mountain.
By early Wednesday morning police were receiving reports of a zebra running along a highway.
They quickly tracked it to the Toki International Golf Course, where veterinarians and police tried to catch it.
It ran into a lake shortly after being darted.
"We pulled it out, but its heart had stopped," said police spokesman Takahiro Taniguchi, saying it had likely drowned.

BBC日本語記事
http://www.bbc.com/japanese/35878814
BBC英語記事(深夜彷徨うバロンのツイッター写真あり)
http://www.bbc.com/news/world-asia-35878778

なぜ日本語と英語では内容が違うのかわからないが、「飼育されていた乗馬クラブから脱走」と”預けた乗馬クラブで放牧場に移そうとして脱走”では意味が違ってくるのではないだろうか。

そして、英語版の方にはバロンは”移動動物園所有”だったこと、”放牧場に収容しようとしたとき興奮して脱走”したこと”池から引き揚げた時には心臓が止まっていた”ことなどが県警の関係者の名前とともに書かれている。大切なことがしっかり書かれている記事は前回紹介した記事を含めこれら三つぐらいではないかと思う。

また、腑に落ちないことに、シマウマの出自や移動動物園の名前は伏せてあるのに農場の乗馬クラブの名前はどこのニュースでも必ずと言っていいほど報道されている。移動動物園のFBは事件については触れないまま閉鎖してしまったが、全国的に名前をさらされ、有名になってしまった農場乗馬クラブの打撃は大きいものに違いない。

このように、ほとんどの報道機関がしっかりと報道されるべき情報の裏をとらないまま、きっちりと調査しないまま流してしまうのはなぜだろうか。バロンが2歳だと報道されているが、馬の年齢の数え方は以前なら2歳で良かったが、今は競走馬も満年齢で数えることになっているし、一般人の感覚から言えば満年齢で報道されるべきであると思う。

柵についても1・5メートルはなく、シマウマが簡単に破壊できるようなものであったことや柵を飛び越えたのではなく鼻で押し上げて壊して逃走したことなど、他の報道記事や映像などでわかってきた事実である。色々な立場の現場の人たちの言うことを鵜呑みにしないで報道するように願いたい。

ありがたいことにバロンが脱走したその日の朝まで大阪市天王寺動物園にいたシマウマだと言うことを突き止めて抗議してくださったある動物愛護団体がある。バロンの真実を発信してくれたのはsippo(シッポ)という朝日新聞社が運営するペットに関する情報・サービスを提供する総合情報webメディアのみではないだろうか。↓
http://sippolife.jp/issue/2016040100009.html

次回紹介する天王寺動物園時代のバロンやニュースの動画などによって、吹き矢がどれだけどのように打たれたのか、なぜバロンが死ななければならなかったのかなどが少しわかってくると思う。

脱走シマウマ溺死事件

2016年05月11日 00時17分14秒 | 事件



次の話題は幸せな動物の話が書きたいと思っていたのだが、今回もどうしようもなく悲しい話になってしまった。

ウッチーの事件を調べている時にも感じたことだが、報道機関の発表は全てが正しいわけではなく、情報によってはひどい間違いや隠ぺい、ミスリードともとられかねないことが多々あると言うことに今回もさらに思い知らされることになった。特に大きな市などの公共施設に関する事件などはうやむやになったり、弱者に責任が負わされるように感じることがあったりと、理不尽さと真実が報道されない恐怖を強く感じるようになった。それについてはまた述べることにして、まずは比較的正確な情報が書いてある記事を二つ貼っておきたい。

なお、正確ではないと思われる部分にはアンダーラインを引くことにした。


「22日午後7時20分頃、愛知県瀬戸市片草町の乗馬クラブ「三国ウエスト農場」から シマウマ1頭(雄、2歳)が脱走した、とシマウマを所有する同県尾張旭市の会社役員男性(43)から、 岐阜県警多治見署に通報があった。同署と同クラブによると、シマウマは、体重約200キロ、 体高約1メートル20。男性から飼育を委託され、同日午後5時過ぎ、同クラブにトラックで到着。 放牧場に放されたが興奮状態で、高さ約1・5メートルの柵を壊して、そのまま逃げたという。 同クラブは、愛知、岐阜県境にある三国山の西側に位置し、同クラブは23日朝から三国山や周辺を捜索するとしている。
2016年03月22日 23時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun 」




土岐市のゴルフ場 脱走のシマウマ死ぬ
16.03.23 テレビ愛知 報道

「瀬戸市にある農場からシマウマが脱走し、ゴルフ場に逃げ込みましたが、23日午後、コースの池で倒れ、死にました。溺れて死んだとみられます。

脱走したのは、体重約200キロある2歳のシマウマです。22日夕方、瀬戸市の農場にある乗馬クラブのパドックから脱走。23日朝、農場から1.3キロほど離れた岐阜県土岐市で見つかり、その後ゴルフ場に逃げ込みました。

獣医師が吹き矢で麻酔を打って、捕獲を試みていたところ、午後0時半ごろコース内の池で倒れ、動かなくなりました。警察官がシマウマを引きあげましたが、すでに死んでいたということです。

「麻酔が一番効いている時に(池に)入って泳ぐことができず最悪の結果に」
(土岐市立家畜診療所 服部 明 獣医師)

警察によりますと、このシマウマは尾張旭市の移動動物園の経営者が所有し、22日農場に搬入されたばかりだということです。」






(写真はテレビ愛知ニュースより拝借)
http://www.tv-aichi.co.jp/news/2016/03/post-1430.html

アフリカから来たシマウマを調教のために乗馬クラブへ預けるわけがない、どこから来たシマウマなのだろうと疑問に思ったのでネットでいろいろ調べてみた。

その結果、そのシマウマはグラントシマウマという種類のシマウマで、なんと事件当日まで天王寺動物園にいたバロン(雄)という、まだ乳離れも完全ではない子供のシマウマだった。 

【グラントシマウマのバロン♂について】

2014年6月19日
大阪市天王寺動物園で父ヒデヨシと母ナデシコとの間に誕生
事件前日まで母親と一緒に天王寺動物園のサファリサバンナゾーンで飼育されていた
体高約120センチ  体重約200キロ

2016年2月1日
天王寺動物園から動物商へ譲渡され、そこから転売されることになった

2016年3月22日
新しい飼い主である、動物販売や移動動物園を手掛ける愛知県尾張旭市の動物プロダクション
(有)ガイアプロダクトにより天王寺動物園から輸送車で輸送された
預託先の愛知県瀬戸市の三国ウエスト農場(有)の乗馬クラブに夕方5時過ぎ到着
その直後放牧場に放された時にパニックを起こし、囲いを壊して脱走し岐阜県方面へ逃走
関係者4人では捕獲できず、午後7時20分ごろ飼い主が岐阜県警に通報した

2016年3月23日
翌朝6時半ごろ3キロくらい離れた岐阜県土岐市のゴルフ場に入りこみ、水陸構わず逃げ回った
7本目の薬入り吹き矢を刺された後、よろけるように歩きながら再び池に入水して逃げた
今まで通り、対岸に上がって逃げようとしたが痙攣がはじまり、再び水中に倒れた
溺れるとともに心停止したため、引き上げられてから心臓マッサージを施された
午後12時45分ごろ死亡が確認された
享年1歳9ヶ月だった

(詳しい経過を追加再編集した)


バロンの写真ではないが、偶然にもプロフィール写真をグラントシマウマに変更した直後に起こったこの事件。スルーしてしまうことはますますできなくなり、しばらくはこの事件について記していきたい。