命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

事件の全容と死因

2016年05月14日 10時17分21秒 | 事件
2016年3月22日
動物販売や移動動物園を手掛ける動物プロダクション(有)ガイアプロダクトに譲渡されたバロンは天王寺動物園からこの日輸送されることになった。夕方5時過ぎ、愛知県瀬戸市の三国山にある預託先の三国ウエスト農場(有)の乗馬クラブに到着直後に放牧場に放したとき、もろい柵を鼻で押し上げて壊し、山の中へ脱走した。乗馬クラブのK氏やその関係者3人と新しい飼い主のS氏ら4人で捕まえようとしたが、どうしてもできなかった。

バロンは愛知県の瀬戸市方面ではなく岐阜県の土岐市方面の山に逃げ込んだので、所有者のS氏は岐阜県警多治見署に通報し、捕獲を要請。多治見署は一帯の住民にシマウマを見かけたら近寄らず、通報するようにアナウンスし、翌朝から捜索し捕獲することにした。

その間、真っ暗な山の中を彷徨うバロンの写真がツイッターにアップされたり、国道を走る目撃情報が住民から寄せられた。

2016年3月23日
翌朝6時過ぎ、バロンは国道のそばでカメラ目線で写真におさまっていた。



そして、午前6時半ごろゴルフ場の従業員によってゴルフ場にいるバロンが発見され、大捕物がはじまった。映像などから警官隊約15人、乗馬クラブ関係者2人、獣医師3人、飼い主と約20名の人員が捕獲作業に携わったことがわかる。

3月22~23日の脱走と捕獲の経緯がよくわかるニュース映像を下にいくつか集めてみたが全てではない。観るにあたっては注意として、新聞記事だけではなく、テレビの報道も各社が流していることは全く同じではないということだ。間違った情報も含まれている。例えば、乗馬クラブ関係者を飼い主だとか、追跡の最後の方で麻酔が打たれ池に入ってしまったとか、それらの回数も行動内容もまちまちなのに驚いてしまった。

アフリカから来たものとしてレポートしたり、前回も指摘したように最悪にもほとんどのメディアがバロンは農場の乗馬クラブで飼われていたことになっていたものが多かった。そのために、まさか天王寺動物園にいたあのバロンだったとは誰も思わなかったに違いない。しかし、ありがたいことにネット上でバロンに気が付いた人のネット上での情報提供がいくつかあって身元が明らかになった。

脱走当日、新しい飼い主はバロンを天王寺動物園から輸送して来て、馴致と調教を頼んであった瀬戸の乗馬へ直接向かったようだ。そのクラブに到着後、輸送車からはスムーズに出て、放牧場に入ってくれたのだが、直後に恐怖のためかパニックになり、柵を壊し脱走したのが正しい。

https://www.youtube.com/watch?v=69Q8wVNXEcQ&
https://www.youtube.com/watch?v=dtKuEDV16uA
https://www.youtube.com/watch?v=QhwhpF4432g

獣医たちの説明(中京テレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=LytIrAolX0E

乗馬クラブへの取材(NHK 岐阜)
https://www.youtube.com/watch?v=blL60exUES0

11発中7発目が当たったところで池に向い誘導されるように落ちるバロン
https://www.youtube.com/watch?v=C2g4sYdxk1Q

対岸に上がろうとするも痙攣がはじまり足腰が立たない
https://www.youtube.com/watch?v=Qy_JDzW_Bn4

(登りかけて再び落ちる様子が良くわかる別の動画は非公開となった)
https://www.youtube.com/watch?v=qhVkEgs9wf8

水中でもがいていたがすぐ動かなくなったバロン
https://www.youtube.com/watch?v=IWR_V-_cZKw

午後12時40分ごろ、映像と警察の発表によると、ゴルフ場の池の中から引き上げられ、バロンは心肺停止状態で捕獲された。(誰一人救助しようともせずに動かなくなってから、引き上げたので当然の結果なのかもしれない。)なんと19時間にも及ぶ逃亡劇のエピローグの情景は信じられないほど衝撃的で悲惨なものであった。

バロンは人が追ってこないので、それまでも何度も池に自ら入り泳いで対岸に逃れていたので、今回もそのつもりで入ったのだろうが、痙攣がはじまり登り切ることも、泳ぎ切ることもできなかった。目を開いたまま虚しく心臓マッサージを受けるバロンの死亡が確認されたとき、飼い主のS氏は動物好きなのだろう、彼の死を悲しんでいた様子がわかるが、獣医たちの笑顔は安どの笑顔なのだろうか対照的である。

午後12時45分死亡が確認された。完全な溺死の場合目を開いたまま絶命するのだろうか。死因については溺れてから水中での心肺停止までの時間があまりに短いので、溺れながらショック死したというのが真相ではないかと思う。土岐市の専従獣医は池に入ったことによって体が冷え、薬が効き過ぎたための溺死と説明。結局、バロンは解剖もされないまま、溺死と発表され、事件は片づけられてしまった。まだ1歳9ヶ月だった。

(この記事を基に判明した新たな事実を加筆し編集した記事→脱走シマウマ溺死事件の全容と疑問点)