命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

失なわれた宮古馬への情熱

2018年12月20日 23時38分19秒 | 事件
本年度、保存会の予算は574万円。馬事協会の助成金は220万円、市の補助金は314万円が組まれていると前出の新聞に書いてあった。合計すると1108万円だ。44頭で割るとひと月20984円になるので、「13000円」は支払い可能な金額ではある。

放映されていた飼養者たちはインタビューに答えて、宮古馬を一頭飼養するのに、市から餌代が5000円しかもらえないと言っていた。

調べたところによると、実際は馬事協会からの助成金8000円を足して合計13000円支給されている。(琉球放送では1万数千円と説明)だが、驚くべきことに医療費や施設費は飼養者負担だと言うから、あまりに委託先の負担が大きいことがわかった。

5000円は餌代で8000円は設備費やボランティア料、医療費や雑費だということなのだとしても、言うまでもなく、飢えさせないためには餌が優先すべきで飢え死にさせていいわけでは断じてないし、飢え死にさせた理由にはならない。

それにしても寄付金などだろうか、保存会の予算574万円と市の補助金314万ではあまりにも財源が少ない。これでは本当に生きるためだけの餌代だけになってしまう。市や県にやる気が全く感じられない。

市が打ち出したのは餌代を含む補助金の引き上げだ。しかし、前にも書いたように、餌代を数千円上乗せしただけでは、あまり変わりはしないだろう。このままでは島の先人たちから受け継いできた尊い馬文化の遺産は簡単に滅びてしまうのは明白だ。本当にこれで良いのだろうか。

馬より人が食べていく方が今、大変なのだ!もう、あきらめるしかない!ということならば何も口出しはできないが、風光明媚な美しい海と美しく愛らしい馬がセットになっているこの大切な観光資源を全国に知らしめてからでも遅くはない。活用しなければ、本当にもったいないと思う。


宮古馬のルーツをさぐる長濱幸男(宮古島市史編さん委員)さんの長編レポートも大変興味深い
https://www.city.miyakojima.lg.jp/soshiki/kyouiku/syougaigakusyu/hakubutsukan/files/kiyou16-01.pdf#search=%27%E5%AE%AE%E5%8F%A4%E9%A6%AC%E4%BF%9D%E5%AD%98%E4%BC%9A%27


宮古馬についてEnjoy Wild Birdsさんのサイト
保存会結成の状況と10年くらい前の様子がわかります
http://www.eonet.ne.jp/~nagasaki/miyakoum.htm#H

同じ在来馬なのにこの差は何?!

2018年12月20日 21時37分44秒 | 事件
けさのあさチャンビビットのテレビ番組で宮古馬のことが放映されていた。市の任意団体である宮古馬保存会は何もしてない印象を受けるみたいなことを言われていた。同じように思っていたので、とても共感を感じた。

本年度から宮古馬保存会は市の教育委員会生涯学習振興課内に事務局をおき、会長が宮古島市市長から教育委員会の教育長になった。その方が馬の活用に力を入れられるのだろうか? その理由の説明は保存会から発表されているとは思うが、どういうことなのだろうか。疑問を感じた。

そこで、他の在来馬の保存会や、保護協会の会長や使用する施設などが現在どのようになっているのかを前出の馬事協会さんのページを参考に、北から順番に調べてみた。

約1050頭存在する道産子、北海道和種馬の保存会は獣医師会館にあり、多数の民間人や乗馬施設、牧場などで飼養、活用されている。

約130頭の木曽馬は開田高原振興公社という公共企業体が運営する、木曽馬の里内木曽馬乗馬センターにある保存会で40頭ほどが、他は全国の動物園や学校、乗馬施設や個人宅などで飼養、活用されている。

約50頭の野間馬の保存会の活動の場はのまうまハイランド内にありそこの乗馬施設やその他全国9ヶ所の動物園や学校で飼養、活用されている。

約40頭の対馬馬(たいしゅうば)の保存会は対馬市上県行政サービスセンター内にあり、目保呂ダム馬事公園の乗馬施設で飼養、活用されている。

約110頭の御崎馬(みさきうま)は串間市役所 商工観光スポーツランド推進課で管理され、都井岬ビジターセンター(うまの館)には博物館があり、その付近に半野生で放し飼いにされている。唯一、国の天然記念物に指定されていて、使用形態も特殊だ。予防接種などは行っているが、馬任せの手のかからない飼養法だが、寿命は短く十数年になる。風光明媚な場所なので観光客が多い。馬たちは人を乗せることはないが、観光客相手に愛嬌を振りまいたり、その美しい姿を見せることによって働いている。宮崎の大切な観光資源だ。

約130頭のトカラ馬は鹿児島大学農学部 生物生産学科家畜育種研究室に保存会があり、開聞山麓自然公園で半野生で飼養されている。その方が手間とお金がかからない。調教などはしたくても難しくてすすんでいないそうだ。

約130頭の与那国馬の保存会は与那国町役場内にあり、馬たちは島内のヨナグニウマふれあい広場と沖縄本島のうみかぜホースファームで飼養、活用されている。

以上7種の在来馬たちの保存会は組織的にもしっかり機能し、在来馬たちはそれぞれの専用の場所や、施設で仕事をもらい働きながら、求められる役目をはたしているようだ。

他の在来馬の施設や保存への取り組みと宮古馬保存会を比べてみると雲泥の差に愕然とした。

宮古馬は宮古島市体験工芸村内の紹介ページの片隅で、宮古馬乗馬工房が馬の写真一枚の宣伝枠に紹介されているだけだ。現在の保存会を紹介するページはネット上にまったく見つからない!残念ながら、会はあってないようなもの、との指摘も納得できるお粗末さだ。


今、不思議な現象が起きた。別ページに掲載した飢え死にしたと思われる仔馬の写真が何もしていないのに、突如としてすぐ上の行間↑に挿入されてきたのだ!!何百枚と記事を書いてきてこんなことははじめてのこと。びっくりした。こんな不思議なことがあるとは!

君は無念の死をとげたのだね。修正せずにこのままにしておくからね。安らかに眠ってください。


国の天然記念物の宮崎県御崎馬(みさきうま)の様子を紹介するサイト
https://twitter.com/misaki_umauma
半野生でのびのびと幸せそうに生きる岬馬たち。この馬たちはその姿を見せるだけで宮崎県の観光客動員に役立っている。馬本来の姿を見せることによって働き、餌代を自ら稼いでいる理想的な環境に置かれた幸運な馬たちだ。怪我や病気の治療が手薄になるのは半野生である以上受け入れて生きることになり、寿命も十数年と非常に短いが、太く短く楽しく刺激的に生きている。

この御崎馬たちのように、宮古馬たちも、のほほんと草をはみながら、ごろろんと寝転びながら、パカランパカランと駆け回りながら、命を全うしてほしいと切に願います。

宮古馬が危ない

2018年12月20日 20時51分17秒 | 事件
以下、宮古毎日新聞さんよりコピーさせていただきました。
http://www.miyakomainichi.com/2018/12/115241/


2018年12月20日(木) 8:59
補助金増額を検討/宮古馬保存
飼養環境めぐり市教委

 宮古馬の飼養環境をめぐる報道が相次ぐ中、宮古馬保存会の飼養者説明会が19日午後、市役所城辺庁舎内で開かれた。資金不足の窮状を訴えて行政支援を求める飼養者に対し、市教育委員会は保存会への補助金増額を検討していることを伝えた。次年度の増額に向けて調整を進める。

 日本在来馬の一つの宮古馬をめぐっては、一部週刊誌の報道をきっかけに飼養環境の向上を求める声が全国から相次いだ。今月の報道以降、保存会の事務局を置く教育委員会には電話やメールなど約100件の問い合わせがあったという。

 説明会で市教委は、今年の宮古馬の死亡頭数と原因を示し、馬を縄でつなぎ続け、水や餌も与えないとする一部の指摘は「確認されていない」という現状を報告した。ただ、飼養スペースの狭さや、ふん尿の片付けが行き届いていない厩舎があったことは認めた。

 飼養者の中から馬を返還したいという申し出があることも伝え、返還希望頭数は6頭とした。

 こういった現状に対応する市教委の取り組みを説明した。新しい飼養者を探したり、厩舎を確保したりする作業に当たっているという。飼養者に育成奨励補助金などを支払う保存会への補助金の増額を検討していることや、返還された宮古馬を飼う人がいなければ「市の施設で見ていきたい」という方針も示した。

 これらの考えはおおむね飼養者に受け入れられたとみられるが、意見交換では多くの不満が噴出した。

 飼養者の一人は「私たちはこれ(飼養)で生活しているわけではなく、給料をくれとも言っていない。宮古馬を生かすために、最低限の施設と餌代を保障してほしい」などと訴えた。

 別の飼養者は「予算増額の話が出たが、その話を馬を返還したいという人に伝えるべきだ。みんな長年愛着を持って宮古馬を飼ってきた。増額があるなら続けるかもしれない。ここでやめるのはもったいない」と話して周知徹底を促した。

 そのほかにも「年に何回かは厩舎を回って、飼養者の意見を聞いてほしい」と要望する声もあった。

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琉球放送では虐待は「なかった」と発表され、今回は「確認されていない」となっている。

飼育放棄状態、つまりネグレクト虐待で馬たちを死なせた委託飼養者がいたことを認めなかったことで、保存会は全国の援助しようと思っているかもしれない多くの馬好きさんや動物愛好家の人たちを敵に回してしまったかもしれない。これだけ動画や写真がさらされているのにごまかせるわけがないのだ。

本当のところ、誠実に過去を検証し、保身に走らず素直に認めるべきところは認め、全国に支援を求めた方が断然賢い方法だったと思う。宮古馬を保存したいと思っているのならばだけれど。

飼育マニュアルがないことや餌代の不足、後継者不足などの問題で困っていそうなケースは他の在来馬の施設では見あたらない。それほど馬は人を引き付ける生き物であるし、ちゃんとした施設を作って馬たちを活用し、人には賃金を払う、それができれば宮古島にも馬好きな若い人たちがどんどん移住してくるはずである。宮古島は魅力的な場所でもあるからだ。

全国に目を向け、SNSで窮状を訴え、寄付を募り、アイデアをもらう。人の助けを求めればいい。例を挙げると、ボランティア用の宿舎を用意し、手伝いに来てもらうことで人手を集めている元競走馬の養老馬施設もある。

同じ目標を持つ、他の在来馬からは学ぶことはたくさんあるはずだ。今度の騒動で、本当に何もない保存環境を全国に知らしめることになったが、この末期状態では補助金を増やすくらいでは焼け石に水。問題は解決しないままだろう。

それよりも、早急に救える馬たちをレスキューしてほしい。そして、全国の心を痛める人たちに現状をしっかり説明し、情報を公開し、これからどうしたいのかをまとめ、「これまで」と「これから」についてしっかりと発表することによって、説明責任を果たしてください。馬の専用施設どころか宣伝用サイトもないところって宮古馬保存会だけではないですか。


天然記念物が絶滅の危機?宮古馬を虐待から救え!【週刊動画SPA!】
https://www.youtube.com/watch?v=tyuDMa8A99k

宮古馬と他の在来馬

2018年12月20日 01時26分54秒 | 事件
宮古馬は日本の固有種である在来馬の一種で、沖縄県は1991年1月16日に天然記念物に指定した。宮古馬は他と同じく体高120センチ前後の小柄な馬で、温厚な性格と広い蹄を持つ。農耕や馬車として活用され、1950年代は1万頭余り飼育されていたがその後、機械化などの影響を受け激減した。1976年、宮古島に宮古馬は14頭、2年後の78年には7頭までになり、絶滅を危惧されるようになった。2002年に宮古馬保存会ができ、種の保存に動き出した。

公益社団法人日本馬事協会さんによる宮古馬保存会についての詳しい説明
https://www.bajikyo.or.jp/file/File/miyako/20111221133852203.pdf#search=%27%E5%AE%AE%E5%8F%A4%E9%A6%AC%E3%81%AE%E4%BC%9A%27


在来馬とは
日本馬事協会さんの在来馬のページ
https://www.bajikyo.or.jp/native_horse_05.php



県の天然記念物である長野県の木曽馬と鹿児島県のトカラ馬とを調べてみてほしい。施設も立派で馬への熱意が感じられ、愛情の大きいことがわかる。同じ立場であるのに、宮古馬の扱いのひどいこと!島で健全に飼われているのはほんの一部だ。馬への愛情が無くなったとき、終わりが始まるのかもしれない。