命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

放置された仔馬

2018年12月22日 23時35分38秒 | 事件

宮古馬に関する新しい記事が出たので紹介したい。
ハーバービジネスオンライン
宮古馬虐待が全国に知れ渡った日、無残にも放置された仔馬の死    2018.12.21
『週刊SPA!』宮古馬取材班
https://hbol.jp/181720


あさチャンビビット情報では馬の治療代は市から出ないとのことだったが、請求すれば出るということが新たにわかった。しかし、手続きが大変なのでなかなか請求できないとの意見が載っていた。こちらが本当の情報かもしれない。補助金のこともだが、どうして人によって言うことが違うのだろう。不思議なことばかりだ。

記事にはせっかく全国の善意のミルクで助かったのに、11日骨折のために亡くなったかわいい仔馬のことも詳しく書いてあった。名前はカイト君。


繋がれて倒れこんでいたカイト君の母馬↑は「S氏に委託される前はとても健康で美しかった。」とは前の飼い主の証言である。温厚で優しかったその母馬は、S氏のもとでみるみる痩せ細っていき、カイト君を産んでさらに体力を消耗し、十分な餌ももらえないまま衰弱したのだと証言した。

市もそれを見ていながら放置していたことは前に書いた。その母馬は出産後しばらくして力尽き、残された生後1か月のカイト君も固い草しか与えられず衰弱していったという。

市の担当部署にそのことを連絡しても、仔馬用のミルクを調達するように緊急要請しても、見に行きもしなかった。あろうことかボランティアさんたちに「他人の土地だから立ち入らないように」とレスキューをやめさせようとさえしたらしい。

飼養しているS氏はやっと元気になったまだ小さなカイト君を小学校に連れ出そうとしたので、必死に市に抗議し止めさせたのは県外の馬関係者だという。

安心したのもつかの間、仔馬は危険な繋ぎ飼いで骨折し、ギプスをされたが弱って亡くなった。S氏の不潔な厩舎で、泥だらけの無残な姿で放置されていたの発見した方たちの無念さはいかばかりだろう。その写真も掲載されていた。まるでゴミのような扱いではないか!ネグレクトではないと言える神経を疑ってしまう。

また、驚くことにそのS氏は5頭のうちカイト君を最後に4頭も死なせているのにもかかわらず、残る一頭の雄馬の返還をこばんでいて、3月までなのかはわからないが、まだ市は預け続ける方針なのだという。別の取材のときには、11歳だったその母馬を死なせた原因を問われたS氏は、高齢出産だから弱って死んだと答えたらしい。とんでもない。馬の11歳ならまだまだ若く現役だ。そんなことを平気で言っている人にこの期に及んで預け続けるというのだろうか。

今まで群れで暮らしてきた馬を一頭きりにすることは馬のためにも良くないし、飢えという命の危険もあるので市は早急に引き取る義務があるだろう。あきれることがもう一つある。市の担当部署は取材班に飼育放棄(ネグレクト虐待)があったことを否定し、報道されたニュースはすべて昔のことだと言い放つ。1~2ケ月前の写真でさえ昔とは!それこそ昔の村社会を見ているような対応である。

それにしても悪徳飼養者たちは市役所の関係部署に親類縁者でもいるのだろうか?特別扱いすぎる。助成金の話でも優遇されていたという話があるし、明らかにひどいネグレクトでほとんどの馬を死なせているのに、委託し続け、虐待はなかったとかばうのはなぜだろう。

保存会は何をしていたのだろうか。事務局が畜産課から教育委員会生涯学習振興課に移った時点で、このような対応になるかもしれないことは予想がついていただろうに。市、保存会、委託飼養者の三者それぞれが違う方向を見ているとも思える。

見て見ぬふりをした怠慢な市、知らぬが仏の保存会、馬を死なせてばかりいる悪徳飼養者。三者ともに大きな責任があり、このまま何も変わらなければ、絶滅は免れない模様だ。

この事件は今まで記してきた事件と比べ、言い逃れもごまかしもできない数年前からの飼い主のネグレクト(飼育放棄)という虐待行為が明白だ。警察の力を借りるのも有りのレベルではないだろうか。市長は逃げたのか、今年から保存会の会長を外れ、馬のことが全く分かっていない人ばかりがいると思われる部署に担当が変わったことにも、意味があるに違いない。

宮古馬は宮古島の宝だが、日本の宝でもある。絶滅すれば、秋田犬や柴犬がいなくなるのと同じくらい寂しいことなのだ。

歩きはじめるために

2018年12月22日 15時06分29秒 | 事件


市は馬に関するお金の流れを過去にさかのぼって、はっきりと説明してほしい。こんな状態を知りながら労働の援助もしようとしなかったのはなぜか?運営費が少なすぎる理由は?不透明すぎる。

また、補助金対象外として問題のある馬を選別し、補助金を打ち切るのならば、引き取って養老牧場に放すとか、それができなければ引き取って売るとか安楽死させるとか、馬の所有者なのだから責任もってする義務があるだろう。嫌なことは飼養者に丸投げで済ませようとする理由もわからない。

飼養者は領収書を添えて馬の何にいくら使ったのかを文書で報告するようにしてほしい。5000円しかないと腑に落ちない説明しかしないからだ。

国の税金から補助を受けている馬事協会から宮古馬保存会にも助成金が渡っている以上、説明を求める権利を私たち国民は持っています。ぜひお願いします。


宮古馬死因についての考察

2018年12月22日 14時14分50秒 | 事件


この3年で、2ヶ所のネグレクト虐待飼養者のもとで、13頭が死んでいる。7年間で15頭のうち13頭だというから、あり得ない数字だ。

死因について考えてみた。

骨折

馬房の柵に4年も繋がれたまま子供を産まされ、やせ細って死んでいった母馬の残した仔馬が11日に亡くなったこの仔馬であったという。
https://twitter.com/i/status/1072836957951033344

死ななくてよい命だった。普通に飼えば普通に生き延びる命だった。

仔馬が誕生したときにもらえる補助金10万円は一体何に使ったというのか。仔馬用のミルクを買いもせず放置した飼養者。こんな小さな離乳前の仔馬を放置すれば弱っていき、日を待たずして死んでしまうのはマニュアルなんてなくてもわかることだ。見かねたボランティアさんがミルクを上げてくれたおかげで元気に飛び跳ねるようになった。

そんな仔馬が壊れた柵の隙間から逃げてしまうという理由で繋ぎっぱなしにしたここの飼養者。新聞をまとめるようなビニール紐でふさぐだけで馬は出られなくというのに、そんな簡単な労働を惜しんだ。その結果、ロープが絡まり骨折。馬は骨折すると生きてはいけない動物だと知らなかったとは言わせない。初心者でもなく5年も6年も飼っていたのだから。

多種と比べて蹄や骨が硬いといわれる日本の在来馬が骨折で死ぬことはあまりないと聞く。それなのに骨折のケースは知っている限り二頭いる。住民やボランティアなどから「繋ぎ飼いは危険だからや辞めさせるように」との苦情が何件も何件も入ったのにもかかわらず、市も飼養者たちも長い間そのままにしたせいで仔馬は死んだ。いや、殺されてしまったのだ。

凍死

温暖な宮古島で宮古馬が過去に凍死したこともあっただって⁉北海道で保存されている宮古馬はみんな無事に生きてるぞ?本来寒さに強い大型動物の馬が凍死って聞いたことがない。それも亜熱帯気候の宮古島で!

寒さに耐えられなかった原因はあった。糞尿が溜まりぽちゃぽちゃなった狭い馬房で滑って転んでびしょ濡れになれば、凍死もあり得る。栄養不足で皮下脂肪もないガリガリな体だからなおさら凍えるだろう。

https://twitter.com/i/status/1073511673061724160

こんな状態だから、滑って転んで骨折して死んだ馬も他にいたにちがいない。床がコンクリートで、宮古馬の蹄は堅い蹄だからなおさら滑るというのにだ。このありさまはなかなか無い情景で、世界の愛護団体に発信すれば大騒ぎになるレベルだ。近代国家の一員として大きな恥をかくことになるだろう。

内臓疾患

馬の死因のトップである疝痛のことを指していると思う。便秘による腸閉塞だ。

馬は一日のほとんど草を食べている動物なので腸が長い。腸が常に動いていれば疝痛が起こりにくいので、運動は大切で、餌が少なくても多すぎてもなりやすいという。十分な餌が与えられず、運動もままならない。不潔で横になることも寝返ることもはばかられる場所でストレスがかかり、その上過密飼育によるストレスも重なって病気にならない方がおかしいではないか。

以上説明してきたように、餌を十分やってある程度清潔にしておけばそんなに起きることではないことばかりだ。死ななくてもいい命が数多く死んでしまった責任は保存会と飼養者両方にあると言えよう。

餌代が足りないとはただの言い訳で、そんな問題では片づけられない原因が多いということがこれでわかってもらえただろうか。これが虐待ではなくて、なんだというのか!?市も補助金目当ての悪徳飼養者もわかりませんでしたあ、知りませんでしたあ、で済ませようとしている現状は本当に腹立たしい限りだ!



頭にきてる方は宮古馬のためにぶちっと押してやってください↓

守るも滅ぼすも人間しだい

2018年12月22日 13時54分34秒 | 事件

東北の遠野地方は昔から馬産地として有名だ。昔は南部馬という他の在来馬と比べると比較的大きく頑強な馬がいた。荷駄用と乗馬用とそれぞれふさわしい調教を施して馬づくりをしていた。

南部馬は主にこの地方で盛んに繁殖と飼養がなされ、農耕馬として長い間人を助け、家族のように共に暮らしてきた。後に軍用馬生産の中心地となったゆえに、在来馬を大型に改良しようとする国策、種馬統制法による種馬撲滅政策の厳しい監視から免れることができずに、絶滅してしまったという。

本州唯一の在来馬である木曽馬は山奥の神社で神馬として匿われたりして一時絶滅を免れたが、老齢により純血種が絶えた後も戻し交配で何とか今の頭数になった。民間の飼育者は減少傾向にあるが、地元の農家や全国各地の施設などで130頭以上が飼育されている。

冬季雪に閉ざされる標高1000メートルの開田高原にある木曽馬の里では専門の職員たちが血統を重んじた繁殖に取り組んでいる。そこでは牧草を育てて刈ったものも餌として与えられ、大きな厩舎の中では馬たちそれぞれに個室がある。日中は放牧されて、丸々と肥えた木曽馬たち約40頭を見ることができる。

木曽地方では長方形の敷地の家屋の南側に木曽馬の馬房があり土間を挟んで、居間から常に馬の顔が見えるようにして人と馬が住んでいた。発酵した馬糞が冬季には屋内を温める役割を果たし、痩せた土地にはなくてはならない堆肥になった。

東北では当時、南部曲屋(なんぶまがりや)というL字型の家屋に人馬ともに住んでいた。どちらの馬も貴重な家畜という財産ではあるが、愛玩動物のように、または家族のように、愛情を注がれながら飼われていたという。

頑強な南部馬の血を引く半野生の馬たちが青森県の下北半島にいる。ブルトンなどの大型馬の血が混じっているので、日本固有の在来馬ではないが寒立馬と呼ばれ、観光名所になっている。飼養形態は御崎馬とおなじ昼夜放牧飼いだ。一時9頭にまで頭数が落ち込んだが、今40頭前後にまで回復している。海岸や道路を自由に行き来している様子はまるで外国にでも来たような感じで感動する情景だ。

なんと、この寒立馬たちは青森県の天然記念物に指定されている一方で農用馬扱いでもあり、所有者である東通村は家畜市場へ食用(馬肉用など)としてセリに出し売っているという。売りに出されるのは主に0、1歳の若い馬たちというから、観光に向かない暴れん坊とか繁殖に向かない馬たちなのだろう。間引きの意味もあるのかもしれない。人間によって作られた馬たちは人の管理なしでは生きられない悲しい大型動物なのである。寒立馬からは理想だけでは存在し続けることができない馬の悲しい裏の世界を、現実として知ることができる。

大型動物の種を守っていくためには高額な経費が必要となってくる。彼らの餌代は税金(補助金)や寄付金などで助けてもらいながら、馬自らも餌代を稼げるようにすることが特に大切になってくる。

馬は存在するだけで愛らしく美しいのだから、安全でさえあれば次のような方法で労働を提供でき、現金を稼ぐことができる。景観の良い観光地への放牧、引馬乗馬、餌やり体験、ホースセラピー、乗馬、馬はん、馬車引き、堆肥販売などだ。

頭数によっては、血統の問題や怪我の問題が増えるので放牧の仕方も工夫しなければならないだろう。他所にノウハウを教えてもらうこともできるはずだ。人を乗せるのであれば調教ができる人材も必ず必要だ。繁殖にも専門性が必要だ。それに伴う人件費をケチってはいけない。使い物にならない馬になったら、人も馬も不幸になるからだ。

宮古馬保存会の財政難の原因は何かわからないが、人材に投資しないから馬も人も育たず、お金を産み出して行かないという負のスパイラルに落ち入っている気がする。そんな状態の中で大勢の宮古馬たちが、苦しみながら犠牲になって行った。

滅びゆく宮古馬の救世主とされていた「太平号」↓
https://komafun.blog.so-net.ne.jp/2012-04-29