ただの偶然なのですか

私のお気に入りと日々の感想  

映画「言えない秘密」の感想

2008年09月30日 | 映画
熱狂的なファンをもつジェイ・チョウの監督デビュー作。
なんせ私の友人なんて、この映画を観るために台湾まで行っちゃうくらいなんですから。
しかし、映画サイトでの個々の感想では、評価が大きく分かれている本作。
観ようか迷いましたが、秘密が好きな私としては、自分の感性で確かめるしかないと思い、映画館に足を運びました。

音楽学校に転校してきた天才ピアニストのジェイ・チョウ。
転校初日に出会った神秘的な少女と恋に落ちます。

まず、この音楽学校のたたずまいが、とても美しいです。
ジェイ・チョウが実際に通学していた学校ということで、制服もとてもお洒落です。
この制服(実際のものなのかしら?)には萌えました。
そして、29歳とは思えないジェイ・チョウの少年っぽさと、ピアノテクニックには感心しました。
ピアノが奏でる美しいメロディにのせる想い。
恋愛を盛り上げる雰囲気は満点です。
相手役のグイ・ルンメイも、よかったです。
秘密をかかえている切なさが伝わってきて、これぞ青春の恋でしょう。

恋愛において、秘密は最高の演出要素であり、たとえどんなに現実離れしていたとしても、それが秘密であることこそが重要なわけで、恋愛は妄想だということをあらためて認識させられました。

と言いながら、クライマックスで笑っちゃいそうになるなんて、私には純粋さが足りないみたいです。
この映画に感情移入できるかどうかの分かれ目は、観る人が恋愛に対してどこまで純粋であるかにかかっているような気がします。
残念なことに、ジェイ・チョウは私のストライクゾーンからは少し外れているので、陶酔しきれませんでした。
もしこれが雄ちゃん主演だったら、私も星五つ付けちゃうかも…。







映画「おくりびと」の感想

2008年09月23日 | 映画
私が納棺師の仕事を初めて見たのは、母が亡くなったときでした。
そのときは気持ちが動転していたので、葬儀の細かいしきたりの記憶があいまいでしたが、あれから10年が経ち、静かな気持ちでこの作品を観て、ああ、そういえばこんなことをやったなぁと、しみじみと思い出しました。
本木さんが演じる納棺師の所作がとても美しくて、まるで茶道のような「~道」という日本の伝統文化を見ているようで、外国の方(モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞)のみならず日本人が見ても、あらためて日本の文化の心遣いの細やかさを感じることができる作品だと思います。
山形の自然の風景が美しくて、チェロが奏でる音楽も美しく、すべてがとても美しい映画でした。
ところどころにユーモアもあって重くならず、観ていて心が澄んでいく気がしました。
美しくて、穏やかで、優しさに満ち溢れた、癒される作品だと思います。

抱きしめて

2008年09月17日 | いろんなこと
夕食のときに、娘との会話
「ねぇ、フリーハグって知ってる?」
「えっ!何それ?」
「誰でも、抱きついていいんだって」
「え~っ!何それ?本当に?!」
「大通公園で見たの。ハグしたい人は誰でも、その人にハグしていいんだって」

驚きのあまり、しばらく理解不能…。

初対面の人と、いきなりハグするなんて、何のために?
どんな人だったのか聞いてみたら、大学生風の3人が、「フリーハグ」と書かれたプラカードを胸に下げていたそうです。
何のための活動なのか、どのような思想なのか…。
どうやら、ハグすることが目的ではなくて、ハグによって何かを感じることが目的らしいです。
でも、初対面の人と、いきなりハグはできないでしょう…。
まず最初に、会話は必要でしょうね。
会話してみて、その趣旨に賛同できたらハグするのかしら…。
そもそも、ハグの習慣がないですし、知っている人とでもハグするのは抵抗あります。
まあ、スキンシップは癒されますけどね。
私も、秋になると無性に寂しくなって、誰かに抱きしめてほしい気分になります。
でもそれって、あくまで精神的な欲求っていうか…。
ハグして感じる何かって何なのかしら…。
神様に愛されているってこと?
人は孤独じゃないってこと?
みんな繋がっているって実感したいのかしら…。

他人との繋がりを感じられるって意味では、ブログはハグに通じるものがあるかも…。
見知らぬ他人に共感してコメントするのって、精神的なハグって感じがします。

幻のブログフレンド

2008年09月10日 | いろんなこと
ぼくがこのブログを始めてから今月で2年が経ったので、あらためて何でブログをやっているのか考えてみたいとおもいます。

それであれこれ考えてみたんですけど、結局、人はみんな寂しいからブログをやっているんじゃないかなって思うんです。
誰かと繋がっているって思いたいから、どこかにいる心の友を探しているんじゃないかなって思うんですけど…違います?ぼくだけですか?

人様のブログに一方的にコメントするだけじゃ、もしかして自分は招かれざる客なんじゃないか、っていう不安が常にあったのですが、自分でブログを始めて来てもらえたら、少しは認めてもらえたのかなって思えたり…。
でも、ぼくが知っているのは、あの人の文章と人格(の一部)だけで、ぼくが好きなのは自分が作り上げた妄想なのかなぁ。まるで透明人間に恋しているみたいな変な気分です。
それに、ほんとうに心の友を求めているのなら、現実の世界で出会った人ともっと面と向かって深い会話をするほうが、しんどいけど正道のような気がするし。
でも、こんなことを言ってても、ぼくは家族にも友人にもこのブログの存在は知らせていないので、リアルな世界のぼくとネットの世界のぼくの両方を知っている人はこの世には一人もいないわけです。
いったい、繋がっていたいのか、知られたくないのか、どっちなんだ~。
心の友っていっても、誰でもいいってわけじゃないし、他人の重荷まで背負う覚悟もないし、第一そう簡単には見つからない・・・友達ってやっぱり時間をかけて「なっていく」もので、それはネットの世界でも同じなんでしょうね。

それから、ぼくの場合は、ブログを書くのは現実逃避かな…。
実際には家族がいるんですけど、あれやこれやから解放されて独りになりたいと思うときもあるわけで、ブログは自分が独りになれる世界でもあるんです。
いったい、寂しいのか、独りになりたいのか、どっちなんだ~。
家族のこと、子どもの将来のことを考えたら、こんなことをしている場合ではないんです。
でも、映画を観たり、ブログを書いたり、こんなふうに自由な時間が持てるのは、あと数年なので、楽しめるうちに楽しんでおきたいって思ってしまいます。
結局、ぼくって自分のことが一番大切なんです。