市川稔の米(マイ)情報

平成20年産米を占う

3月になりました。

平成20年産米の生産準備に入ったことと思います。
種籾の発注はずいぶん前に終わっています。

平成19年産米の相場は供給過剰状態で安値スタートでした。
平成19年10月終わりに政府の「米緊急対策」が出されました。
のど元過ぎればなんとかやらで忘れている場合も多いのではなかろうか。

34万トンもの政府買い上げと全農がえさ米として10万トンの買い上げ(うまく集まっていないようですが)を実施。

現物を隔離することによって相場の維持を狙ったのでありました。

しかしながら、

実態においては10月末では遅すぎた。
ほぼ年間の数量や価格を決めた後でありました。
その証拠に小売価格は上昇していません。
業務用関係も価格決定した後が大半であったと推測します。

米の価格決定方法が変わったのに先生方は分かっていない。
指標価格で買う会社などほとんどない。
あの価格を見て相場がある程度戻ったのではないかと錯覚している。
指標価格が上がると相場下落の補填が貰えないという矛盾も発生します。

米の生産団体や販売団体は「米の生産調整」に全力で協力する旨の確認をしています。

20年産の減反が実際どうなるか?

穀物の国際相場が高騰している中で国産の米は値下がりが続いています。
肥料などは軒並み値上げで生産コストは従来の作りでは上がるばかり。

小生は何度も云っていますが、
国内米問題は主に東日本の問題であると。

関東以北で米生産量の7割ほどを占めるからです。

農業で生計を立てている専業農家が先に参ってしまう。


おそらく減反は目標を達成出来ないでしょう。

なにもしなければ相場は更に下落。

政府米は限度いっぱいの100万トン在庫あるわけで、MA米など輸入の米もあります。
政府も在庫古くなるばかりだし政府米古米の売却をしなければならない。


20年産の作況が豊作あるいは不作によっても変わります。

主食以外の用途開発が制度を含めようやく推進されるようですが一年一作の米は時間が掛かります。

米作りの農業経営者。
肥料農薬販売、米集荷会社。
米販売の卸会社。
米販売会社。

それぞれに打つ手は変わります。

なにもしなければ大変な事態になることも十分予測されます。


米緊急対策第2弾・・・・
そうならなければよいと思っています。

今は嵐の前の静けさだと思う。

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コメント一覧

市川 稔
緊急対策
まめ犬さん

参院の与野党逆転で政治はダッチロール状態ですね。

長い目での「政策」とはほど遠い。

わたしも「緊急対策」が続きごちゃごちゃになると予測しています。
まめ犬
おそらく第二弾
 最近、国政も荒れているようだし、第二弾、第二幕もあるかもしれません。

 農林水産省のホームページにもありますが、政策の着実な推進というなかには、生産調整は田植え前、田植え後、刈取り前などのステージごとに推進して、結果が得られなければペナルティとか・・・

 緊急対策が際限なく続くのでしょう。

 そもそも、その年の天候というように、人為的にどうしようもない要素が主な要因とする結果で評価され、政策が立案されるというシステムは政策的にいかがなものでしょう?
市川 稔
生産調整
コメントありがとうございます。

新潟の人が新潟で一番購読数が多い新聞「新潟日報」の記事をコピーしてFAXしてくれました。

20年産米の生産調整に対する生の声を集めたものと記者の目から見た意見。

結論はうまくいかないだろうというものです。

これは県によって状況が大きく違いますね。

加工用米のゆくえにも注目したい。
Unknown
東日本のコメ農家です。
生産調整とは、コメ以外の作物を作るということではないのが現場の実態です。
私が住む地区では、ほとんどの兼業農家は加工用米として生産調整の目標を達成します。ですから、減反が増えても田園風景はほとんど変わらないのが実状です。当然主食向きと加工用向きのコメに違いはなく、流通上の名前が変わるだけで生産調整の意味がない状態といえると思います。生産調整達成過剰の構図まっしぐらです。
一物二価の状態も問題ですが、
そもそも、この団体の合意以前に生産調整自体意味のなさないところとなっているといった方が、現場の実情ではないでしょうか。
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