市川稔の米(マイ)情報

迷走するコメ価格

24年度「米卸経営概況」が発表された。

米穀の売上高は、販売価格の上昇で7,4%上昇したものの、売上数量は5,8%減少。

仕入価格が上がり、販売価格に転嫁出来ないこともあり粗利益率が大幅に低下。

営業利益、経常利益は前年の半減。

売上100億以下の小規模卸は赤字に転落するなど、全体でも約4割の卸が赤字と業界新聞は伝えている。


理由もない値上げはしっぺ返しを食らう。


倍返しだ(笑)


2012年産は生産者が笑った。

米卸、コメ販売会社、米屋は泣いた。

2013年産は逆の展開。

だが、米卸には体力がそう残っていない。


小生云うところの「流通が変わった」からだ。


コメが売れないというより、

販売するところが変わり、消費するところが変わり、

買うところが変わった。



昨年、2012年産は農協系統が出す、いわゆる概算金を大幅に引き上げたため、コメ相場は需給とは関係なく上昇した。


その結果、販売業界は赤字を出し、コメは売れ残った。


小生云うところのコメ問題は在庫問題だということが表面化した姿だ。

2012年産持越し在庫多い。

高い前年産のコメを抱えている。

当然、2013年産の出足は鈍い。

先へ先へ持ち越される・・・



2013年産は各地で概算金引下げ(2012年と比較してのことだが)

そして、全農県本部などが発表する「相対価格」も引き下げ。


ここにも問題が・・・


たとえば新潟。

 〇一般コシヒカリ 1万6300円(▲1700円)
 〇岩船・佐渡コシヒカリ 1万6600円(▲1700円)
 〇魚沼コシヒカリ 2万1000円(▲2000円)


カッコは前年比。
前年より引き下げているが、

農協系統以外の相場とかけ離れている。


小生の感覚では売れ行き悪く先行き大変だと思う。


概算金(農協系統に出荷した場合、秋に生産者に支払う一時金)をどうするかで売れ行き決まる。


全農宮城県本部  ひとめぼれ 11,200円(▲1,300円)

全農福島県本部  コシヒカリ 11,200円~12,100円(▲2,100円~2,300円)  ひとめぼれ 10,600円~10,100円(▲2,600円)


福島は売れるだろう。


上記は一般市場のこと。


価格というものは売れ行きを大きく影響するという事実。



高く売るにはそれなりの理由が必要。


理由だけでなく、商品化、販売技術、サービス含めた顧客満足を高めなければならない。


小生の会社でお付き合いさせていただいている農家はいわゆる主業農家。

農業で生計を立てている。

実はそういう農家は農家数から見たらすごく少ないのです。


競争力のあるコスト。


実はここが重要なのでありまして。


農産物生産に対して「コスト意識」が無さすぎる。


ただ、高く売りたいという考えばかり。


販売する方もよほど知恵絞らないと。


2013年産も混沌の世界からスタートする。

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