市川稔の米(マイ)情報

流通コスト削減? 農水省が提示?

平成28年9月14日開催

自民党「農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(PT)」の会合で、

農水省の担当統括官が説明した内容。

ネットで探してみたが見つからず。

業界新聞(商経アドバイス)の記事を見て唖然・・・


新聞記事の見出しは、



生産者・JA自ら搗精・直売を



流通コスト削減へ 農水省提示



コメ卸の機能不全指摘



まぁ、ひどい文言が並んだものだ。


こんなことを、自民党のPTに説明したら、実態を知らない議員はそう思ってしまう。


小生も自民党員なので議員にちゃんと言わなくては。




コメ卸は食管時代からの卸も多数残り(260社以上)、年間取扱量が1万トン以下の卸数が50%に上る



上位10社のシェアは35%にすぎず、全体の流通量に占める割合が小さい



さらに、


▽JAや全農に集荷された在庫が残るため、過剰時の責任もあいまい

▽コメ卸は量販店との価格交渉力が弱く、生産者の所得向上につながりにくい

▽体力が弱く、安定取引の相手になりにくい


などの、問題点を挙げた。


その上で、〇〇統括官は、


①生産者・JAなどが自ら販路を開拓し、流通を合理化してコストを削減する

②生産者・JAなどと実需者による、事前契約・複数年契約などの安定取引を促進する

③生産者・JAなどが搗精工場を設置し、商品の付加価値を高める


必要性を強調した。


と、ある。


また、米価とコスト/大規模(15ha以上)層のイメージという表では、



小売価格3563円/10kg


農業者の販売価格2412円(68%)

全農運送・保管経費と手数料244円(7%)

中間流通業者経費399円(11%)

小売事業者経費508円(14%)


こんな、数字を掲げて、


流通コストを削減すれば、農業者の所得向上



と。


あるいは、


搗精加工自体は高度なものではない?   とんでもない、米が混ざらないように、異物を完全に除去するなど設備更新も頻繁。精米工場甘く見てもらっては心外だ。




  


そんな簡単なものではない!


まるで、農業者と実需者・消費生活者さえいればOKみたいな。


小売だって、巨大な店舗を持ち、小売マージンなどなく価格競争し、コメ卸も赤字でも頑張り、


ネット販売でも大半が赤字で挑戦しているのだ。


集荷にしても、生産者への支払い(立て替え払い)や保管、在庫リスクと戦い。


楽にやっているところなどほとんどない。


まるで、中間業者が「悪」みたいな言い方は承知出来ない。


小生も、業界新聞にコラム持っているし、このブログの読者も多い。

ちゃんと、発信して行く。


生産者・JAなどが直売すれば所得が増えるって?


そんなこと、出来るならとうの昔にやっている。


出来る人、出来るところはやっている。


28年産など、飼料用米という官製市場、ふるさと納税返礼品という官製市場に振り回され、コメ卸、米販売会社は大変な思いをしているのだ。


国立病院が使う米の入札。(昨日聞いた話し)

新米コシヒカリ㎏215円以下が見積もり条件。


自衛隊の物資購入の入札。

お米の価格は相場関係ありません。

とてつもなく安く購入してます。


そんなことが現実なのであります。



机上の空論で語ってもらっては困る!




消費生活者が買いたくなる商品とは?


パッケージ

イメージ

カラー

ブランド


売り方


陳列


使いやすい通販サイト


スマホ画面の操作がしやすい(アプリの開発)


などなど、



どうしたら、売れるか。


血のにじむ努力が必要なのです。



商品を「物資」とみている人にはとうてい理解出来ないだろう。




あなたは、



スーパーで小麦粉買う時に、この小麦粉はどこの国から来たのか、生産者価格のこと気にしますか?

キャベツを買う時に生産者の手取りを気にしていますか? 小売店のマージンや運送経費、卸会社のマージン考えたことありますか?

パスタを買う時、その小麦を作った生産者の手取りを考えたことありますか?

コンビニでおにぎりを買う時に、米生産者の手取り、海苔の生産者のこと考えたことありますか?

コンビニのおにぎりを買う時、365日、24時間動いている生産工場のこと、そこで働く従業員のこと考えたことありますか?

ラーメン店でラーメンを食べる時に、その小麦のことを考えますか? どこの国で生産され、生産者価格はいくらなのかなど考えますか?



商品となって、生活者の手に渡るまで、さまざまな人の汗と工夫、知恵が詰まっているのです。





そうそう、


たぶん、肝心なことご存じないと思うので。




原価と売価は無関係




あなたはモノやサービスを買う時に売り手の原価を考えて買いますか?



原価に経費をのせて販売出来るならそんな楽なことはありません。


経費はその会社によって変わるし、低いから競争力あると一概には言えない。


購買する側は、価格だけでなく、総合的な価値を認めるから買うわけです。


競争力、価値を創ることが出来ない会社は自然に淘汰されます。


役所が決めることではない。






簡単に言ってもらっては困る!






追伸
昨日、9月26日の閲覧数には驚いた。
訪問者数ではなくページビュー(PV)だが4476PVあり。
もちろん新記録。
なんでだろ???

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