市川稔の米(マイ)情報

在庫問題

会社が倒産するということは。

資金繰りができないときです。

手形や小切手を使っていない場合。
現金取引の場合は不渡りということはありません。

小規模企業の倒産や廃業は景気の波とは無関係に増え続けています。

健全経営を維持。
健全とは言えないまでも会社を維持存続させてゆくことは並大抵のことではありません。

5年前と比べて、、、

同じ仕入先
同じ商品
同じ販売先

であれば生き残っているのは奇跡に近い。

今月、米の種子の権利を持ち、近年急成長を遂げてきたコメ会社が民事再生法を申請しました。
民間調査会社の発表によれば、本体部分の負債が約67億円。
そのうち、金融負債が約59億円というので一般債権者は7,5億円程度と割合は低い。
年商は130億円くらいだったようです。

債権者の大半は金融機関ということになります。

会社が行き詰まる原因は複数あります。

単純な話しではありませんが、
最近の倒産原因の一番は販売不振。

とにかく売れない。

売上が年々低下して行くとどうなるか?

稼ぎ(売上総利益とか限界利益ともいう)が少なくなるので、それに見合った固定費にしなければ経常赤字がどんどん増える。

それで、日本語になってしまった「リストラ」を敢行することになる。

稼ぎに占める人件費の割合を削る。

人件費総額を減らす。

同じ人員なら給与カット。
人数を削減し総人件費を減らすことが多い。

もちろん、人件費以外の経費の見直しは当然行われる。

業種や業態によって見るべきものというか、しっかり抑えておかなければならないことがあります。

ひとつには「在庫問題」があります。

コメで云えば、

年1回収穫される稲。
稲を乾燥調整し籾摺りし、玄米で検査を受け保管する。

その玄米を一年かけて過不足なく販売することは至難の業です。

足りなければ売るものが無くなる。

余れば古米となり価値が激減する。

ここにコメ問題の難しさがあると思う。

収穫された稲を生籾のままJAのCEに運ぶ込み。
あとは一切お任せ。
これで一年分の生活費が稼げればこんな楽な仕事はありません。

全部、全農に面倒みてもらい、全農は余れば政府に泣きを入れ政府米として買ってもらう。

政権が変わった今、自民党の支持団体潰しをしているので従来のようなわけには行きません。

すでに全農扱いは生産量の4割以下になっています。

ババ掴みを全農もしたくありません。

あたりまえの話ですね。

普通の個人会社が一年分の在庫を持てばどうなるか?

売り先が決まっているコメを持つならまだ分かる。
それだって100%決まっていることなどありえない。

在庫は決済済みならお金を寝かしていることになります。

資金繰りが苦しくなれば、採算度外視して売却し換金します。

結果、会社としては大赤字になります。

そこで、、、

粉飾決算をするのが一般的。

在庫を水増しして利益調整してしまうのです。

玄米販売のような薄利の商売ではその赤字を取り戻すことは不可能です。

在庫金額で決算書は粉飾できます。

在庫で会社は苦しみます。

大きく捉えても、個別の会社として捉えてもコメ問題は在庫問題とも言える。

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