先月犬の子宮疾患が多く、
避妊していない犬の子宮の手術を続けて2件行いました。
どちらの子も10才くらいの年齢です。
初めの子のエコー画像です。
子宮に液体が多く溜まっています。
正常の子宮にはこのように多くの液体は溜まりません。
2つ丸く見えるのが子宮です。液体はエコーでは黒く映ります。
白いドロッとしたものも見えます。異常な子宮像です。
一般状態を安定させてから卵巣子宮摘出を行いました。
年齢の高い子でしたが手術は無事終わりました。
2頭目の子のエコー画像です。
この子は一部の子宮の拡張が見られ、液体が溜まっているのがみえました。
この子も無事手術をして元気になりました。
組織病理検査は子宮内膜炎でした。
2頭とも血液検査の炎症マーカー犬CRPが検査値オーバーになっていました。
体温が低下し、心拍数が上昇してました。
一般状態を安定させてから手術を行いました。
年齢が高いこと、
全身性炎症反応症候群(SIRS)という病態に近い状況下でしたが、
無事手術を行え、元気になってくれたことはとてもうれしいです。
今回の子達は助けることができましたが、原因がわかっても全身性炎症反応症候群(SIRS)という病態になり多臓器不全で亡くなってしまう子もいます。
犬では血液検査の炎症マーカー犬CRPの測定ができます。
この値が高い場合は現在元気そうに見えても積極的な治療をすることが大切です。