評価:★★★☆【3.5点】
家族4人全員が身分を捏造し、大豪邸に次々宿っていく。
◆
失業中の父親キム・ギテクとその妻チュンスク、
そして大学受験に失敗続きの息子ギウと美大を目指す娘の
ギジョンの4人が暮らしているのは半地下の薄暗い貧乏アパート。
しがない内職で糊口を凌ぐ日々だったが、
ある日ギウのもとに家庭教師の話が舞い込む。
エリート大学生の友人から留学中の代役を頼まれたのだ。
さっそくギウは経歴を偽り、IT企業の社長パク・ドンイクと
その家族が暮らす高台の大豪邸へとやって来る。
すぐに家族の信頼を得たギウは、今度は言葉巧みに妹のギジョンを
美術の家庭教師として家族に紹介し、パク家に招き入れることに成功する。
こうして少しずつパク家の中に自分たちの居場所を確保していく
キム一家だったが…。
<allcinema>
◆
普通にスルー(動画配信まで待とう)と決めていた本作品。
カンヌ映画祭パルムドール受賞に加え
アカデミー賞6部門ノミネートの報道を受け、急遽鑑賞することに。
自分らを「まるでゴキブリだな」と揶揄する姿はどこか哀しいが
本作で真っ先に目を引くのが、半分地下に埋まった居住空間だ。
この低い立地条件により、おそらく水圧が低いことが原因だろう
トイレ便器が異様に高いところに配置されているのは単にネタではない。
言うまでもなく、彼ら家族は韓国の貧困層に当たり
その貧困の中でもホームレスを除けば、とりわけ最下層という位置づけだ。
そんな彼らのもとに、ある光が差し込んできた。
息子ギウへ家庭教師の話が舞い込み、身分を偽りなんとか採用される。
そして、ギウの巧みな話術により、妹のギジョンにも
美術の家庭教師として、さらに富豪一家の専属運転手にトラップに仕掛け
父親キムを代替え運転手として採用させてしまう。
ここまでかと思っていたら、まさかの母親まで家政婦として。。。
当然ながら前任の家政婦も彼らトラップの餌食で失業させられたことは
言うまでもないが。
これは、オリジナルの脚本ならアイデア勝利だ。
韓国の貧困地域のすさんだ景観も過去のスリラー映画でおなじみ。
それくらいホラー美術に関してはハリウッドをも凌駕する。
(脚本賞、美術賞もアカデミー賞にノミネートされている)
ある日、前任の家政婦が忘れ物をしたと雨の夜に豪邸を訪ねてきたところから
第二段のストーリーが炸裂するわけだが、これが結構、韓国十八番の
スリラー映画の体をなしていて、俄然、恐怖におののくことになる。
前半コメディ、後半ホラー、最後は小さな光を見出し希望的観測で幕となる。
ここで、チョイと涙腺刺激されるのだろうけど
彼ら犯罪一家ではあるけれど、家族の絆だけは最後まで揺るがない。
ここがいいんだよ。
◆
【今週のツッコミ】
・日本の『万引き家族』に、どこか通じるモノがありそうだ。
・富豪一家の女子高生と家庭教師ギウの禁断の関係をチョイと挟むところ
深入りさせない寸止め具合が実にいい。
・富豪一家の若妻の色気をもっと物語に活用してほしい。
時計回りが彼女のお好みらしいけどね^^;
・富豪一家も知らない隠し部屋を前任の家政婦は知っていた。
地下にある隠し部屋は北からの攻撃に備える防空壕らしいが
そこにまさかの。。。
・動画を送信する、しないネタでここまで恐怖に陥れる演出すごい。
北の金正恩(キム・ジョンウン)ミサイル発射ネタだが大丈夫か(笑)
・モールス信号、富豪一家の少年が解読すると思っていたら。。。
・地下や半地下の住民独特のニオイがかなりヤバイらしい。
・頭部を2度も殴打されても生存してる生命力は、まさにゴキブリ。
ならば妹は?あれ?意外と淡白。
◆--------------------------------------------------------------------------------
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ
音楽:チョン・ジェイル
出演:ソン・ガンホ/イ・ソンギュン/チョ・ヨジョン
『パラサイト 半地下の家族』
家族4人全員が身分を捏造し、大豪邸に次々宿っていく。
◆
失業中の父親キム・ギテクとその妻チュンスク、
そして大学受験に失敗続きの息子ギウと美大を目指す娘の
ギジョンの4人が暮らしているのは半地下の薄暗い貧乏アパート。
しがない内職で糊口を凌ぐ日々だったが、
ある日ギウのもとに家庭教師の話が舞い込む。
エリート大学生の友人から留学中の代役を頼まれたのだ。
さっそくギウは経歴を偽り、IT企業の社長パク・ドンイクと
その家族が暮らす高台の大豪邸へとやって来る。
すぐに家族の信頼を得たギウは、今度は言葉巧みに妹のギジョンを
美術の家庭教師として家族に紹介し、パク家に招き入れることに成功する。
こうして少しずつパク家の中に自分たちの居場所を確保していく
キム一家だったが…。
<allcinema>
◆
普通にスルー(動画配信まで待とう)と決めていた本作品。
カンヌ映画祭パルムドール受賞に加え
アカデミー賞6部門ノミネートの報道を受け、急遽鑑賞することに。
自分らを「まるでゴキブリだな」と揶揄する姿はどこか哀しいが
本作で真っ先に目を引くのが、半分地下に埋まった居住空間だ。
この低い立地条件により、おそらく水圧が低いことが原因だろう
トイレ便器が異様に高いところに配置されているのは単にネタではない。
言うまでもなく、彼ら家族は韓国の貧困層に当たり
その貧困の中でもホームレスを除けば、とりわけ最下層という位置づけだ。
そんな彼らのもとに、ある光が差し込んできた。
息子ギウへ家庭教師の話が舞い込み、身分を偽りなんとか採用される。
そして、ギウの巧みな話術により、妹のギジョンにも
美術の家庭教師として、さらに富豪一家の専属運転手にトラップに仕掛け
父親キムを代替え運転手として採用させてしまう。
ここまでかと思っていたら、まさかの母親まで家政婦として。。。
当然ながら前任の家政婦も彼らトラップの餌食で失業させられたことは
言うまでもないが。
これは、オリジナルの脚本ならアイデア勝利だ。
韓国の貧困地域のすさんだ景観も過去のスリラー映画でおなじみ。
それくらいホラー美術に関してはハリウッドをも凌駕する。
(脚本賞、美術賞もアカデミー賞にノミネートされている)
ある日、前任の家政婦が忘れ物をしたと雨の夜に豪邸を訪ねてきたところから
第二段のストーリーが炸裂するわけだが、これが結構、韓国十八番の
スリラー映画の体をなしていて、俄然、恐怖におののくことになる。
前半コメディ、後半ホラー、最後は小さな光を見出し希望的観測で幕となる。
ここで、チョイと涙腺刺激されるのだろうけど
彼ら犯罪一家ではあるけれど、家族の絆だけは最後まで揺るがない。
ここがいいんだよ。
◆
【今週のツッコミ】
・日本の『万引き家族』に、どこか通じるモノがありそうだ。
・富豪一家の女子高生と家庭教師ギウの禁断の関係をチョイと挟むところ
深入りさせない寸止め具合が実にいい。
・富豪一家の若妻の色気をもっと物語に活用してほしい。
時計回りが彼女のお好みらしいけどね^^;
・富豪一家も知らない隠し部屋を前任の家政婦は知っていた。
地下にある隠し部屋は北からの攻撃に備える防空壕らしいが
そこにまさかの。。。
・動画を送信する、しないネタでここまで恐怖に陥れる演出すごい。
北の金正恩(キム・ジョンウン)ミサイル発射ネタだが大丈夫か(笑)
・モールス信号、富豪一家の少年が解読すると思っていたら。。。
・地下や半地下の住民独特のニオイがかなりヤバイらしい。
・頭部を2度も殴打されても生存してる生命力は、まさにゴキブリ。
ならば妹は?あれ?意外と淡白。
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監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ
音楽:チョン・ジェイル
出演:ソン・ガンホ/イ・ソンギュン/チョ・ヨジョン
『パラサイト 半地下の家族』
鑑賞作品が続けて重なり嬉しいです(すみません、勝手に^^;)。
後味はよくないですがギウからのメッセージにはやはり胸を突かれました。そうなる未来は「無い」ような気がしただけに余計に。
戦慄の世界へダイブするかのようなあの瞬間の演出がとにかく凄かったです。
あの家政婦さんの容貌がユーモラスな分、その落差で私も一緒にあの地下へ突き落とされていく感じでした(怖)。
そうそう、アレが北の脅威に備えてというあたり、さすがのお国柄と感じてしまいましたよ。
キョーレツな作品でしたがitukaさん的に「★4つ」に至るに足りなかったものは何だったとお感じでしょうか?
まさかのアカデミー賞6部門ノミネートで韓国映画初の快挙という一報を受け
これで重い腰を上げることができました。
貧困家族だけど自堕落な生活者というイメージでなく
なんとかそこから這い出そうとしてるのが見えてたから、割と微笑ましく眺めていました(笑)
個人的には前半のノリで女子高生や若妻の禁断の恋など、もっと盛り込んでいくのかと思っていたら
まさかのスリラー映画に~、これには意表を突かれました。
★4つに届かなった理由は、
1、美術の家庭教師で、なぜあの少年は急に聞き分けがよくなったのか説明がない。
2、家族不在時に宴会って、余りに無防備でありえない。
3、モールス信号解読できるはずの少年がなにも関わらなかった。
4、都合よくセレブ一家に家族全員宿っていくのはアリ、ただ後半のホラーから、やや強引な展開が気になった。
オッちゃんの行動がモンスターすぎる^^;
5、この題材そのままでハリウッド・リメイクでもっとリアルに修正してほしい。
以上、気になった点をエンドロールの時にチョット思いましたよ^^;
コメディ要素もあって、けっこう楽しめましたよね。
復讐劇とか、とにかく人間のいやらしさを
これでもかと出す中で、この家族はけっこういい人達でした。(てか、お人よし?)
お屋敷で宴会!フツーやりませんよね。
キモは半地下よりさらに下!
あの家政婦さんの夫思いには頭下がります(;´・ω・)
本作の前半のコメディはギリOK(基本コメディは好みではない洋画邦画ともに)
でも、設定が面白かったので、こういうコメディなら自然と惹きこまれます。
あの家政婦が隠し部屋に一目散に入っていってから完全にホラー映画に方向転換でしたね(笑)
宴会中に突然の帰宅。
雨降ってるし、そういうこともあり得ると思うんですけどね。
テーブルに隠れたときはハラハラしっぱなし。
半地下人間のニオイでバレるんじゃ、でしたよ(笑)
私が思うに、カンヌってちょっと毛色の変わったものがお好み。んでもって、適度に残酷なものがお好み(超残酷なのはダメ)。のような気がします。
しかし、私にしてみれば、これは純正韓国映画。この意外性や残虐性、果ては「差別」の描き方、はとても韓国映画らしかったな、と思いました。
パルムドールってなあに?的な感じで特に意識してなかったんですが
アカデミー賞にノミネートと聞けば俄然興味が湧いてしまうワタシです。
なるほど~!カンヌってそういった傾向があったんですね。
そういえば、北野映画もたしかにそういう傾向の映画でしたし(笑)
韓国映画を鑑賞するときに毎回注意しているのは
何気ないところで、すでに伏線が張り巡らされていることが多いことですかね~。
基本、韓国スリラーは生々しくて結構好きです。