
評価:★★★★☆【4,5点】
主人公のような仕事、ワタシは結構好きかもしれない。
◇
ロンドン市ケニントン地区の民生係、ジョン・メイ。
ひとりきりで亡くなった人を弔うのが彼の仕事。
事務的に処理することもできるこの仕事を、
ジョン・メイは誠意をもってこなしている。
しかし、人員整理で解雇の憂き目にあい、
ジョン・メイの向かいの家に住んでいたビリー・ストークが
最後の案件となる。
この仕事をしているにもかかわらず、
目の前に住みながら言葉も交わしたことのないビリー。
ジョン・メイはビリーの人生を紐解くために、
これまで以上に熱意をもって仕事に取り組む。
そして、故人を知る人々を訪ね、イギリス中を旅し、
出会うはずのなかった人々と関わっていくことで、
ジョン・メイ自身も新たな人生を歩み始める……。
<オフィシャルサイト>
◇
真面目で几帳面な主人公が素晴らしい。
身寄りもなく孤独死した他人のために誠意を持って
仕事を全うする姿は、もはや公務員の鏡だ。
こういうのが本来あるべき姿ではあるが
実際は後任人事の女性のような事務処理的なものになりがちだ。
突然の解雇を言い渡されたことに驚きつつも
素直に従う姿勢は見ているこちらが歯がゆくなってしまう。
本人の生活も質素で、これもまた
不思議と彼に同情心を抱かせるひとつの演出なんだろう。
淡々と進むストーリーに、どこがそんなに感動的なの?
ところが、ラスト15分くらいから徐々にやって来ましたよ。
あ~、なんて人生は理不尽なんだろうと思った次の瞬間
胸につかえていたものがイッキに吐き出される。
それまでしてきた彼の仕事はまったく無駄ではなかった!
いい映画でした。
迷ったけど観て本当に良かった。
【今週のツッコミ】
・ジョン・メイと『告発のとき』(2007)のトミー・リー・ジョーンズと
どちらが几帳面か一度検証してほしいものだ(笑)
・買い置きしてるツナ缶が主食ってワタシもやってみたい。
アレが夕食となるとカロリーはおそらくいつも400カロリー前後。
ジョン・メイはダイエットでもしていたのか(爆)
・土産にもらった生魚を家のキッチンで焦がすシーン
如何にいつも調理をしてないかよく分かる。
にしても、ツナ缶もやっぱり一緒に食べるのね(爆)
・ジョン・メイが40代半ばって。。。
普通に50代後半にしか見えなかったぞ^^;
・上司の愛車アウディにおしっこ掛けるシーンから
この男、遂に反骨精神に火が付いたなと分かった。
・ビリーのアルバムを高級なカバーに入れ替えた気持ちが
とてもよく分かる。ビリーのことを知れば知るほど
自分と大きくかけ離れた生き方に
どこか憧れに近いものが芽生えたのかもしれない。
・あのアルバムがPCの中のデータファイルだったら
持ち歩くのは小さな記憶媒体となり
映画のための小道具としてはなかり味気なくなるだろう(爆)
・そう考えると、今だから成立する映画かもしれない。
本作で孤独死した各お宅の遺品にパソコンなかったからね^^;
だからジョン・メイはアナログ的な仕事しかできなかった。
------------------------------------------------------
監督:ウベルト・パゾリーニ
脚本:ウベルト・パゾリーニ
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:エディ・マーサン/ジョアンヌ・フロガット/カレン・ドルーリー
『おみおくりの作法』
主人公のような仕事、ワタシは結構好きかもしれない。
◇
ロンドン市ケニントン地区の民生係、ジョン・メイ。
ひとりきりで亡くなった人を弔うのが彼の仕事。
事務的に処理することもできるこの仕事を、
ジョン・メイは誠意をもってこなしている。
しかし、人員整理で解雇の憂き目にあい、
ジョン・メイの向かいの家に住んでいたビリー・ストークが
最後の案件となる。
この仕事をしているにもかかわらず、
目の前に住みながら言葉も交わしたことのないビリー。
ジョン・メイはビリーの人生を紐解くために、
これまで以上に熱意をもって仕事に取り組む。
そして、故人を知る人々を訪ね、イギリス中を旅し、
出会うはずのなかった人々と関わっていくことで、
ジョン・メイ自身も新たな人生を歩み始める……。
<オフィシャルサイト>
◇
真面目で几帳面な主人公が素晴らしい。
身寄りもなく孤独死した他人のために誠意を持って
仕事を全うする姿は、もはや公務員の鏡だ。
こういうのが本来あるべき姿ではあるが
実際は後任人事の女性のような事務処理的なものになりがちだ。
突然の解雇を言い渡されたことに驚きつつも
素直に従う姿勢は見ているこちらが歯がゆくなってしまう。
本人の生活も質素で、これもまた
不思議と彼に同情心を抱かせるひとつの演出なんだろう。
淡々と進むストーリーに、どこがそんなに感動的なの?
ところが、ラスト15分くらいから徐々にやって来ましたよ。
あ~、なんて人生は理不尽なんだろうと思った次の瞬間
胸につかえていたものがイッキに吐き出される。
それまでしてきた彼の仕事はまったく無駄ではなかった!
いい映画でした。
迷ったけど観て本当に良かった。
【今週のツッコミ】
・ジョン・メイと『告発のとき』(2007)のトミー・リー・ジョーンズと
どちらが几帳面か一度検証してほしいものだ(笑)
・買い置きしてるツナ缶が主食ってワタシもやってみたい。
アレが夕食となるとカロリーはおそらくいつも400カロリー前後。
ジョン・メイはダイエットでもしていたのか(爆)
・土産にもらった生魚を家のキッチンで焦がすシーン
如何にいつも調理をしてないかよく分かる。
にしても、ツナ缶もやっぱり一緒に食べるのね(爆)
・ジョン・メイが40代半ばって。。。
普通に50代後半にしか見えなかったぞ^^;
・上司の愛車アウディにおしっこ掛けるシーンから
この男、遂に反骨精神に火が付いたなと分かった。
・ビリーのアルバムを高級なカバーに入れ替えた気持ちが
とてもよく分かる。ビリーのことを知れば知るほど
自分と大きくかけ離れた生き方に
どこか憧れに近いものが芽生えたのかもしれない。
・あのアルバムがPCの中のデータファイルだったら
持ち歩くのは小さな記憶媒体となり
映画のための小道具としてはなかり味気なくなるだろう(爆)
・そう考えると、今だから成立する映画かもしれない。
本作で孤独死した各お宅の遺品にパソコンなかったからね^^;
だからジョン・メイはアナログ的な仕事しかできなかった。
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監督:ウベルト・パゾリーニ
脚本:ウベルト・パゾリーニ
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:エディ・マーサン/ジョアンヌ・フロガット/カレン・ドルーリー
『おみおくりの作法』
時間的にこちらも難しいかな?と思っていたのですよ。
高評価で嬉しいです^^
ところでエディ・マーサンは68年生まれなので
本作撮影時はまだ45歳。
ちなみに『酔っぱらいが世界を救う!』では
高校卒業して20年ってことで、30代の設定でした(爆)
ビリーの知人がジョン・メイのツナ缶ディナーと
全く同じメニューを出した時は
やっぱりイギリス人て味覚ないんだ、と思いました(←失礼)
91分と割と短めなので20:35には家に着きました(爆)
実はamiさんの満点表評価に思いっ切り食指を動かされたんですよ(笑)
>ところでエディ・マーサンは68年生まれなので
え~!それはびっくり(爆)
あの老け具合は何なの?^^;
『酔っ払い』の時と本作のエディってほとんど同じですよね(爆)
30代はないわ~^^;
あのパラシュート部隊だったジャック・ニコルソンのNGみたいな人ね(そこまで言うな)
ワタシ、あのメニューがこの地方の定番なんだと思ってましたよ(笑)
ツナ缶、牛乳、トーストとくれば
トマト、牛乳、クラッカーの「傷だらけの天使」が有名でしたよね(爆)
ちなみにitukaさんの地方ではこれ、二番館でかかってたのでしょうか?
迷った気持ちも分かります、私もスルーの予定で、時間が合ったから旅行先で見ただけでした。
でもこんなに気にいるなんて
几帳面な彼の夕飯、缶詰ばかりって本当に味気ない…
たぶん、食べることにも生きることにもあまり興味ない、ってことなんでしょうね。
そうそう、生魚焦がすシーン!あそこで缶詰私も笑ったw
ラストは本当にやられますよね…
あのラストは今年のベスト”締め上手”かも。
全国公開当時はチェックしていたのですが、名古屋の奥の方(どこのことだよ)での上映に
諦めていたところ(とっくに忘れていたところが正解)
同じ町内のミニシアターで掛かったんです(笑)
これはもう冒頭から小ネタで笑わせてもらいましたよ。
彼は寡黙なので大ぴらに言いませんが、実はダイエット中だったのでは?
もうほとんど、試合前のボクサーと同じですよね(爆)
ラストは久しぶりにドンデン返しというものを見せてもらった感じです。
人生は最後の最後まで分からないから面白いんですね(笑)