評価:★★★★【4点】
厳しい寄宿学校。プロムに誘う彼女に苦悩するイケメン学生の話じゃないのね(←おい)
↑って、このお気楽感は、いったいどこから?(笑)
そもそも、青春ラブストーリーなんて別に興味もないけど
出演してる主要3人のひとりに、若いのに常に気丈に振る舞う演技派がいたこと。
そして寄宿学校という、なんとも意味深なところが舞台となっていること。
取り敢えず、これくらいの認識しかなかったけれど、後は劇場で!^^
ということで、今回、まったくの予備知識なしでの鑑賞です。
主演が今が旬のキャリー・マリガンと
『ソーシャル・ネットワーク』での悲運な青年が記憶に新しい
アンドリュー・ガーフィールド。
それに、次回の『ジャック』映画に出てないキーラ・ナイトレイ。
ってことで、この3人が観られるなら!という理由だけで鑑賞した次第です。
◇
緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校“ヘールシャム”。
そこは、牧歌的な田園地帯にありながら外界からは完全に隔絶され、
徹底した管理が行われている謎めいた施設だった。
そんな静かで整然とした環境の中で、
幼い頃からずっと一緒に育ってきたキャシー、ルース、トミーの仲良し3人組。
やがて18歳となった3人はヘールシャムを卒業して、
農場のコテージで共同生活を送ることに。
初めて接する外の世界に不安や喜びを感じていく3人。
そして、いつしかルースとトミーが恋人になったことで
3人の関係も終わりを迎えようとしていたが…。
<allcinema>
◇
【完全ネタバレ!要注意】
いや~!意味深な舞台にはしっかり理由があったのですね!
外界と隔絶された寄宿学校ということで、なにやら怪しさ満載だな~と思っていたら
校長先生からの諭し戒める言葉(←普通に訓辞です)の内容に「あれ?」と、なったり
生徒の保護者というものが一切登場してこない辺りで、もしや!と感じとりました。
冒頭の、キャリー・マリガンのナレーションで
不治の病を治癒させる医療技術が1970年代後半ですでにあったこと。
ひとの平均寿命が100歳を超えたことを静かに語るわけです。
ただし、それは単に臓器提供するためだけに特別に寄宿学校に預けられた
孤児院育ちの子供たちだと勝手に思っていました^^;
ところが、物語が進んでいくうちに、想像以上の世界がそこにあったのです。
これは、完全に騙されましたね!もちろん、いい意味で。
まさか、そういう視点で描いた物語だったとは・・・。
序盤で新任教師が赴任して来て、学校内部の事情を知らされた上で
すぐに辞職していってしまう。
そして、まだ自分たちの置かれている立場を理解していない彼ら彼女らに
理由を説明するくだりは、まさにミステリー映画そのものという印象でした。
彼らは、真の人間のため臓器提供するためだけに生かされるクローンであった。
やがて若者へと成長した彼ら彼女らは「提供者」としての使命に
その時を待つのだった。
物語は、自分らの使命に逆らわずとも、時期を遅らせることに
微かな希望を持つのがなんとも切ないのです。
提供者同士の真の恋愛には猶予が与えられるという噂にココロが揺れるのであった。
これはいったい何ということでしょう!
それまでクローンを題材にしたSF映画は何本も観ていますが
これほどクローン人間の気持ちに入り込んだ作品は過去にないと思う。
っていうか、青春ラブコメとは対極の話じゃん!
過去にハリウッド映画で『アイランド』という、ユアン・マクレガーと
スカーレット・ヨハンソン出演のクローンの臓器提供を題材にしたものはありました。
しかし、あちらはほとんど娯楽作品になっていたので、主人公の逃避行だけが
目立ってしまい、ただのSFアクション映画というものでしかなかった。
しかし、本作は“そのこと”を物語の進行中に徐々に瘡蓋が剥がれるように
見せて行くので、観客は劇中にかなりのショックを受けてしまいます。
もし、これがほんとうにあるとすれば、本作品の生々しさは半端でない。
内容はグロテスクだと言われるかもしれませんが、作品全体のイメージは
詩的で情緒があり、映像も素晴らしく、これは観ておくべき作品ではないでしょうか。
この映画ほど色んな語り口がある作品は、そうはないと思う。
おまけ)
・平均3回の提供で終了するらしいが、やっぱり心臓はみんな最後なんでしょうね。
終盤でベッドに居た左目に眼帯してた女性は患者でなく、提供者だったのね。
・キーラ・ナイトレイのラストは凄い映像なんだけど、なぜあんなに綺麗に見えたのか。
・アンドリューくんはやっぱり悲運がお似合いですね。
・介護士になれば提供を回避できると思っていたら、ラストの台詞に愕然とした。
・みんな自分のオリジナルに興味があるんですね。ある意味、実親を探す感覚なのかな。
・それにしても、キャリー・マリガンの抑えた演技は、すでにベテランの域に達している。
その演技力は、キャシー・ベイツに一歩も引けを取らない(ってなんでキャシーだよぅ)
-----------------------------------------------------------------------------
監督:マーク・ロマネク
脚本:アレックス・ガーランド
撮影:バーニー・ピリング
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:キャリー・マリガン/アンドリュー・ガーフィールド/キーラ・ナイトレイ/
シャーロット・ランプリング/サリー・ホーキンス/
『わたしを離さないで』
厳しい寄宿学校。プロムに誘う彼女に苦悩するイケメン学生の話じゃないのね(←おい)
↑って、このお気楽感は、いったいどこから?(笑)
そもそも、青春ラブストーリーなんて別に興味もないけど
出演してる主要3人のひとりに、若いのに常に気丈に振る舞う演技派がいたこと。
そして寄宿学校という、なんとも意味深なところが舞台となっていること。
取り敢えず、これくらいの認識しかなかったけれど、後は劇場で!^^
ということで、今回、まったくの予備知識なしでの鑑賞です。
主演が今が旬のキャリー・マリガンと
『ソーシャル・ネットワーク』での悲運な青年が記憶に新しい
アンドリュー・ガーフィールド。
それに、次回の『ジャック』映画に出てないキーラ・ナイトレイ。
ってことで、この3人が観られるなら!という理由だけで鑑賞した次第です。
◇
緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校“ヘールシャム”。
そこは、牧歌的な田園地帯にありながら外界からは完全に隔絶され、
徹底した管理が行われている謎めいた施設だった。
そんな静かで整然とした環境の中で、
幼い頃からずっと一緒に育ってきたキャシー、ルース、トミーの仲良し3人組。
やがて18歳となった3人はヘールシャムを卒業して、
農場のコテージで共同生活を送ることに。
初めて接する外の世界に不安や喜びを感じていく3人。
そして、いつしかルースとトミーが恋人になったことで
3人の関係も終わりを迎えようとしていたが…。
<allcinema>
◇
【完全ネタバレ!要注意】
いや~!意味深な舞台にはしっかり理由があったのですね!
外界と隔絶された寄宿学校ということで、なにやら怪しさ満載だな~と思っていたら
校長先生からの諭し戒める言葉(←普通に訓辞です)の内容に「あれ?」と、なったり
生徒の保護者というものが一切登場してこない辺りで、もしや!と感じとりました。
冒頭の、キャリー・マリガンのナレーションで
不治の病を治癒させる医療技術が1970年代後半ですでにあったこと。
ひとの平均寿命が100歳を超えたことを静かに語るわけです。
ただし、それは単に臓器提供するためだけに特別に寄宿学校に預けられた
孤児院育ちの子供たちだと勝手に思っていました^^;
ところが、物語が進んでいくうちに、想像以上の世界がそこにあったのです。
これは、完全に騙されましたね!もちろん、いい意味で。
まさか、そういう視点で描いた物語だったとは・・・。
序盤で新任教師が赴任して来て、学校内部の事情を知らされた上で
すぐに辞職していってしまう。
そして、まだ自分たちの置かれている立場を理解していない彼ら彼女らに
理由を説明するくだりは、まさにミステリー映画そのものという印象でした。
彼らは、真の人間のため臓器提供するためだけに生かされるクローンであった。
やがて若者へと成長した彼ら彼女らは「提供者」としての使命に
その時を待つのだった。
物語は、自分らの使命に逆らわずとも、時期を遅らせることに
微かな希望を持つのがなんとも切ないのです。
提供者同士の真の恋愛には猶予が与えられるという噂にココロが揺れるのであった。
これはいったい何ということでしょう!
それまでクローンを題材にしたSF映画は何本も観ていますが
これほどクローン人間の気持ちに入り込んだ作品は過去にないと思う。
っていうか、青春ラブコメとは対極の話じゃん!
過去にハリウッド映画で『アイランド』という、ユアン・マクレガーと
スカーレット・ヨハンソン出演のクローンの臓器提供を題材にしたものはありました。
しかし、あちらはほとんど娯楽作品になっていたので、主人公の逃避行だけが
目立ってしまい、ただのSFアクション映画というものでしかなかった。
しかし、本作は“そのこと”を物語の進行中に徐々に瘡蓋が剥がれるように
見せて行くので、観客は劇中にかなりのショックを受けてしまいます。
もし、これがほんとうにあるとすれば、本作品の生々しさは半端でない。
内容はグロテスクだと言われるかもしれませんが、作品全体のイメージは
詩的で情緒があり、映像も素晴らしく、これは観ておくべき作品ではないでしょうか。
この映画ほど色んな語り口がある作品は、そうはないと思う。
おまけ)
・平均3回の提供で終了するらしいが、やっぱり心臓はみんな最後なんでしょうね。
終盤でベッドに居た左目に眼帯してた女性は患者でなく、提供者だったのね。
・キーラ・ナイトレイのラストは凄い映像なんだけど、なぜあんなに綺麗に見えたのか。
・アンドリューくんはやっぱり悲運がお似合いですね。
・介護士になれば提供を回避できると思っていたら、ラストの台詞に愕然とした。
・みんな自分のオリジナルに興味があるんですね。ある意味、実親を探す感覚なのかな。
・それにしても、キャリー・マリガンの抑えた演技は、すでにベテランの域に達している。
その演技力は、キャシー・ベイツに一歩も引けを取らない(ってなんでキャシーだよぅ)
-----------------------------------------------------------------------------
監督:マーク・ロマネク
脚本:アレックス・ガーランド
撮影:バーニー・ピリング
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:キャリー・マリガン/アンドリュー・ガーフィールド/キーラ・ナイトレイ/
シャーロット・ランプリング/サリー・ホーキンス/
『わたしを離さないで』
この設定は筋金入りに怖いですが、それがあったとして、その中で生きなければならない者に取っての拠り所ってことなんだと思います。
ちなみに原作によると1人につき4回までです。
ただし4回まで身体が持たない人がほとんどのように書かれてました。
感性の違う監督さんに原作を読ませて、それぞれの解釈を映像で観てみたいです。
マイケル叔父さんはまた脱走させたりして^^;
本作は思春期の多感な時期にピントを合わせているだけに、余計に切なかったです。
>ちなみに原作によると1人につき4回までです。
思えば、これも専門学的にみての回数なんでしょう。
しかし、歩行補助器のキーラがなんとも痛々しかったです。
何回まで持つか。それが彼らのなかでの唯一のステイサスだったのかもしれませんね。
カズオ・イシグロ氏の原作と言えば・・
まだ『日の名残り』を観れてないままなのです。。
硬いドラマなのでしょうかね。
助演陣の中にランプリングさんのご尊名を見かけ、
ちょっと関心がわいております、
>まだ『日の名残り』を観れてないままなのです。。
おぉ!これもカズオ・イシグロ原作なのですね。
>硬いドラマなのでしょうかね。
いえ、まったく硬くはないですよ^^
ただ、やたらと観終わった後に考えさせられるドラマでしたね。
記事を書いた後も、あれもこれもと想いが湧いてきたりしてますよ。
>助演陣の中にランプリングさんのご尊名を見かけ、
今回も、なんか鋼鉄の女という印象でした^^;
うんうん。
キーラの最後は実に美しかったです。
他に今思い出しても、頭に残っているシーンがあります。
内容はさておき、映像は情緒的、刹那的、牧歌的…綺麗でした。
ところで、ミリオンでチケット並んでいたら、前のご婦人が、更新とのことで、そちらの会話から、何やら3月?4月?から「会費5千円、いつでも千円の観賞料金」となったそうですよ!!
ご存知でしたかぁ~?
更新時、1回分の無料券がつくだけで、ポイントも廃止だそうです??!!!
って、どーいぅことっすか!!!!
思わず計算しちゃいました(笑)
2500円→5千円。
実質、4千円(これまでは500円)の会費払って、変わりにいつでも千円…。
6ポイント無料券廃止。
うーーーーーん……。(むかつく)
私は12月更新なので、それまではこのままみたいですけど。。。
これが結構ショックだったので、本編始まっても暫く頭から離れませんでした(爆)
*「トゥルー・グリット」の誤字
未見→眉間でした(苦笑)
来春から映画料金が全国的に値下がりすると言ってる中で
スターキャットのこの暴挙には、正直びっくりしましたよ。
ワタシは先回の『ランナウェイズ』の時にセンチュリーで知りました^^;
でも、ポイントが廃止とは気が付かなかった!
ワタシは7月の更新ですよ。
今、計算したら2500円⇒5000円&ポイントの廃止+招待本数もろもろで
日々1300円で鑑賞してるワタシの場合でも年間30本で、やっとチャラでしたよ。
しかし、オリーブリーさんの場合、日々1000円鑑賞してるので永久的に割高のままですよ!
どうします?(爆)
ワタシも大体が年間通して30本もココに来ないし割高のままになってしまいます^^;
次回、スターキャット・シネクラブの更新はやめます!(←と、言いきってしまいたい・・・のに)^^;
誤字の件、了解しました^^
関東のミニシアターの閉鎖のニュースが昨年あったけど、どうもそんなミニシアター離れで経営困難な匂いはないですよね。
どこもかしこも結構な入りですよ…。
って、リニュアルするなら、センチュリーよりまず金銀でしょう!!(笑)
しかもあのレトロな劇場でも、人が来てるじゃない?!
そういった、映画を愛するファンをなめた会員改悪は腹立ちます!!
しかも私がミリオンのオネエちゃんに聞いたら、「実のところ、こちらもビックリしてます!」との返事。
値上げするなら、例えばポイント6を10にするとか、まだやりようがありそうなのに、この強硬手段の裏側にいやらしいものを感じてしまうのは私だけ…。
映画を楽しむあの空間、あの一時がどんだけ至福の時か…。
高額な会員費を取りながら、映画を愛する人への恩恵(?~笑)を全く感じませんわ。
少なくても会員だからと足を運んでくれることも有り難いのではないのかしら?
私は次回からもう会員更新しません。
混んでいてもレディースデーで見ます(笑)
彼女たちはクローンだったのでしょうか。
僕は、親が犯罪者であったりとかの曰く付きで、その育てることが出来なかった子供たちを隔離し、臓器提供要員として培養していたのだと解釈していました。
だから「オリジナル」というのは産みの親の、彼ら特有の表現なのだと。
親のせいで、子供が差別的扱いを受けていると言うところが怖いのだと思っていました。
違っていたのかな・・・。
え!チケット売り場のスタッフも寝耳に水だったのね!
なんということでしょう!
よく見たら、シニア会員は年会費がたったの500円になるのね!(←前から?)
なんか、シニア会員の分をワタシ達が立て替えるみたいな方式ですね。
それにしても、今どき園児でも分る破格な値上げに踏み切った意図が知りたいです。
経営者は映画を愛してないと思います。
>例えばポイント6を10にするとか、まだやりようがありそうなのに
まったく同感です!
いっそのこと、年会費を10000円にして年間フリーパスにしちゃえば、まだ納得できるのに。
関東の方は年会費3万円で年間フリーパスというシネコンもありますが
こちらはアート系で上映本数少ないですからね~^^;
>私は次回からもう会員更新しません。
たぶん、皆さん同じ気持ちだと思います。
新料金でだれも更新しなかったら
もしかしたら、もう一度、年会費の見直しがあるかもしれないですね。
チケット売り場のスタッフも「ぎりぎりまで更新しない方が良いですよ」と言うくらいですから(←検索してて見つけた記事にて)^^;
実は、ワタシも原作は未読です。
映画の序盤では、ワタシも寄宿学校でも特別なところで孤児ばかりを集めてるんだと思ってましたよ。
でも、もしそうだとしたら逆に、もっと凄いことになってしまうかもしれませんね。
ある種、モノ的扱いだった彼女らと違って、本物ですからね。
ホロコースト以上のものが出て、、、
まぁ、少なくとも、本作のような綺麗な終わり方は考えにくいかもしれませんね。