ミケマル的 本の虫な日々

与謝野晶子の源氏物語

  この前新宿の紀ノ国屋で、与謝野晶子訳の源氏物語が角川文庫から、新装版で出ているのを見ました。自宅で本を片付けていた時に、若い頃に買った与謝野源氏の本を、字が細かく、変色していてあまりに読みにくいので、捨てようと思ったのを思いだしました。

 はじめに買った、源氏物語が、この与謝野晶子の源氏物語で、その時は全部は読めなかったと思います。その後、田辺聖子の『新源氏物語』がとても読みやすく、初めて読了しました。難解で長い物語と思っていた源氏物語をストーリーとして楽しむことができる本だと思います。入門としては、漫画の大和和紀の『あさきゆめみし』も入りやすいかもしれません。

 少し前に橋本治の『窯変 源氏物語』の1巻を読み始めたのですが、これは源氏の気持ちを中心に橋本氏の解釈で書かれたものなので、私はあまり好きになれませんでした。源氏物語は、ストーリーを追う過程で、自分でそれぞれの登場人物の気持ちを想像したり、それについての自分の感想を持ったりするという過程が趣きがあるのであって、源氏の見方はこうだったと書かれていると、なんだか生々しくて、興ざめしてしまうな、という感じでした。しかし、橋本氏が、源氏物語の中の歌の役目について書いてあったところが、興味深く、和歌をいままで読み飛ばしてしまっていたなと反省しました。

 やっぱり原文で読まないと分からないのかなと思っていたところで、懐かしい与謝野晶子の源氏物語が読みやすい字で新装版が出たので、もう一回今度は最後まで読んで見ようと思っています。

 今年は晶子生誕130年なので、再販されたらいしいのですが、ストーリーを中心に新約した『与謝野晶子の源氏物語』全3巻と『全訳 源氏物語』の全5巻の二種類が出ており、晶子は関東大震災で消失したものと合わせると、3回も源氏物語の訳をおこなっていたのですね。10人以上の子どもを産んで、たくさんの短歌を書き、経済的にも家族を支えながら、すごいエネルギーと才能のある人だなと、改めて感心しました。

 『与謝野晶子の源氏物語』に上田敏の序文と、森林太郎(鴎外)の序文が載っており、とても趣深かったですよ

 

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