ミケマル的 本の虫な日々

『ザリガニの鳴くところ』 過酷で美しい小説でした


2019年にアメリカで一番売れた本!
全米500万部突破!
    と帯にありました。すごいベストセラー❗️

『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ著 友廣純訳




 ノースカロライナの湿地帯で暮らす少女が主人公です。

この少女の運命があまりに過酷で、はじめの方は読み進めるのがちょっと辛いくらいでした。

でも、途中からどんどん引き込まれて、今日の午後にが〜っと読み終わりました。

 初めからすごく入っていける話もあるし、こういう風に途中からど〜っと入っていく感じの話もあって、読書って面白いなと思います。

 「が〜〜」とか「ど〜〜」とか擬音が多すぎますね(笑)

主人公の少女がノースカロライナの湿地帯で孤独に生きるお話と、ある事件に絡むミステリーが交錯して、この子はどうなるんだろう?この事件は何だのだろう?と、どんどんページをめくらせて行きます。

少女のサバイバル、湿地帯の自然、様々な差別、偏見、そして愛情、自然破壊、事件、などなど、内容は奥深いものです。


そして、この本は著者が69歳で初めて書いた小説だそうですが、元々は動物学者としてボツワナやアイダホ州での自然観察や保護を行なっているという方だそうです。

 なので、この本の中でも湿地帯の自然の描写が素晴らしくて、主人公の少女はその自然に生かされている様子が苛酷な運命の中でも、美しくて、私はそこに一番感動しました。

 引き込まれた最後に、著者の用意したエンディングが待っています。
その終わりをどう思うかは、人それぞれだと思うけれど、私はエンディングも含めて感動しました。

 奥行きのある、記憶に残る本となりました。
が〜〜っと読んじゃったので、もう一回ゆっくり読みたいと思います。

ノースカロライナの湿地帯の匂いはもちろん知らないけれど、この本の中から立ち上ってくるように感じます。

アメリカの人が読んだら、この中の差別や環境問題が日本人である私よりももっともっとリアルなのだろうなと思うけれど、この奥行きのある小説がベストセラーになるアメリカの知的底力のようなものも感じました。




 

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