ゴルフPGAツアーで久しぶりにリッキー・ファウラーが優勝しました。
リッキーはゴルフのプレースタイルでも人気がありますが、その人柄でも人気のプロゴルファーです。
数年の間成績が出てなくてPGA試合中継でもあまり登場せずに寂しかった。
でも、昨シーズンの終わり頃からまた復活して、久しぶりの優勝でした!
嬉しいな〜!
さて、友人に借りた本
『赤朽葉家の伝説』 柳葉一樹
2006年初版の本です。
山陰地方の架空の町の旧家である赤朽葉家の3代の女性の物語。
最初の主人公は「辺境の人」に置き去りにされた少女。
この少女の数奇な運命がこの本の一番の軸だと言えると思います。
語り手は3代目の孫にあたる女性です。
赤朽葉家の営む製鉄業の移り変わりを戦後の歴史と一緒に描きながら、その中でこの町の旧家に生きる女性たちとその周囲にある不思議な事を自然に物語にした興味深くて面白い小説でした。
このお話に出てくる「辺境の人」は山の民、サンカと呼ばれていた人たちをモデルにしていて、江戸時代から明治、そして戦後にかけて、人里とは離れた山に住む民が存在していたという。
この本の中では、その人たちが忘れていった(置いていった)子供が最初の主人公で、千里眼と呼ばれるような能力を持っています。
とても色々なことが盛り込まれているし、展開も早いし、驚くような展開もあるしで、まとまりがなくなりそうなところを、きちんと最後まで物語としてまとめて、面白かったのは桜庭さんの筆力だと思います。
あまりに山の民のことが気になったのですが、実ばサンカに関する本を以前買って積読してたので、今回読みました。
『幻の漂白民 サンカ』 沖浦和光
サンカと呼ばれた漂泊民についてはきちんとした資料が残っていないため、研究者もいるけれどいまだにはっきりとしないところがあるようです。
この本では江戸時代から明治〜昭和にかけての記録や文学に出てくるもの、そして古老からの聞き取りなどをして調べたものを客観的に書いています。
一括りにサンカという名称で語れないような、地域や時代によっても違う人々だったような印象を受けました。
普通に集落に住む人とも川魚や竹細工などを介して売り買いがあったり、決まった時期に河原などに来て一時的に住んだりした人々も昭和50年代までは少数だけれど存在したようです。
なんらかの原因で集落に住めなくなった人々なのか、代々山に住む人たちなのか、それぞれの地域や時代によって違いがありそうだけれど、はっきりとはわかっていないということらしい。
こういう本を読むと、主流の歴史ではわからない色々な人々の歴史(多くは苦難が伴う)があるという事を考えさせられます。
民俗学、文化人類学という分野になるのかな。
こういう分野では必ず柳田國男さんが研究者として出てくるのが凄いなと思いました。
桜庭さんの本を読んだおかげで、色々な事をイメージできたので、とても楽しかったな。
そして、この本を貸してくれた友人が、この本の成り立ちがガルシア・マルケスの『百年の孤独』から来てるって言ってたのです。
『百年の孤独』も実は持ってるけど読んで無いので、この壮大な本もとうとう読む時が来たのか?と思っています。