12月はムーミンシリーズやトーベ・ヤンソンさんについての本を読んでます。
ムーミンの本は『たのしいムーミン一家』と『ムーミン谷の冬』が好きでしたが、シリーズの他の本は読んだことがなかった。
今月のムーミン関連の記事2本
以前、『ムーミン谷の冬』を再読した時の記事です。
『トーベ・ヤンソン』 仕事、愛、ムーミン
ポエル・ウィスティン 畑中麻紀訳
『ムーミン谷の彗星』
トーベ・ヤンソン 下村隆一訳
『トーベ・ヤンソン』はヤンソンさんの生涯を詳しく書いた本です。
著者はヤンソンさんの関連の資料を全て見てもいいという信頼を受けた方のようです。
ヤンソンさんはイラストを描くことから始めた画家としての活動がその生涯を通じて最も重きをおいた活動だったようです。
第二次世界大戦中に書き始めたムーミンの物語がご自分で期待した以上に人気が出て、金銭的にも成功したけれど、一躍有名になったおかげで忙しくなってしまった。
そのために、最も大切と思う自由や芸術的な活動に制約ができてしまったというジレンマも大きかったようです。
この本を読むと、トーベ・ヤンソン=ムーミンでは決してなくて、自由と芸術を愛したヤンソンさんの生き方がよく見えてきました。
『ムーミン谷の彗星』はムーミンシリーズの2冊目
3冊目が『たのしいムーミン一家』です。
2冊目の彗星は、彗星が近づいてきて衝突の危険が!というお話で、色々な危機と冒険が描かれているのと同時に、ムーミンシリーズの主な登場人物が多く出てきます。
スナフキンもこのお話で初めて出てきます。
3冊目の『たのしいムーミン一家』の前にはこんなドラマがあったのか!と驚いきます。
この本などを訳した下村さんは将来を嘱望された若き研究者だったのに難病になり、それでも訳者として努力されてスウェーデン語の本を紹介された方だそうで、残念ながら道半ばで亡くなられたそうです。ムーミンシリーズも何冊か訳されている方で、この文庫版のあとがきにその事が記されていました。
そして、その後4〜9巻のお話があるので、それも借りて読みました。
左下の『ミンネのかけら』は県立図書館で借りて、これから読む予定です。
6冊目の『ムーミン谷の冬』は持っていて何度か読んだので、今回はパスしました。
ムーミンシリーズを色々と読んでみたら、ただ楽しくて明るいお話だけではなくて、むしろ自然の驚異、困難、そして寂しさがたくさん出てきます。
ムーミンパパは結構自分勝手だし、登場人物の多くはすごく個性的で困った人もたくさん(笑)
その中で、それぞれの個性を抑えるのではなくて、それぞれの世界の中で解決して行く感じ。そして、解決しなくてもなんとかなる感じ。
全体的に自由とは、寂しさとはという哲学的なものも感じました。
『たのしいムーミン一家』も実はそういう話でもあるんだなと思いました。
全部読んだ後にもやっぱり『たのしいムーミン一家』と『ムーミン谷の冬』がやっぱり一番いいなと思いました。
その次は最後の『ムーミン谷の11月』かな。
ムーミン一家が島の灯台に行って住んでいる間にムーミン谷の家に訪ねてきた色々な者たちのお話なんだけど、不思議な良さがありました。
冨原眞弓さんの『ムーミンを読む』から始まったトーベ・ヤンソン、ムーミン月間は同じ著者の『ミンネのかけら』で終わろうかなと思います。
おかげでムーミンがこういうお話だったのか!トーベさんはこんな方だったのか!っていうのを知ることができて、楽しかった❗️