ミケマル的 本の虫な日々

浅田次郎氏の講演(山口市民文化大学)


 山口市民文化大学という、月に一回講師をお呼びしてお話を聞く
というのに参加してきました

主催は地域情報新聞「ほっぷ」
山口市・教育委員会・商工会議所などなどの後援。

場所は山口市民会館の大ホールでした。
結構、参加者が多くてびっくりしましたが、年配の方が大半でした。
だいたい、山口で文化的な催しがあると、
人口比からいっても、年配の方が多くなるのは必然ですね。
そういう私も、十分に年配か(笑)

今日は今期の一回目で、浅田次郎氏の講演でした。
「明治維新という革命」というテーマでした。

浅田次郎さんは、『地下鉄(メトロ)に乗って』『鉄道員(ぽっぽや)』『壬生義士伝』などなど
たくさんの著作があり、様々な賞も取っています。
その中で、私が一番いいと思ったのは、NHKのドラマにもなった蒼穹の昴です。

ということで、蒼穹の昴の話だといいな~~と思ってたのですが、
やっぱ山口だから維新なのかなと考えましたが、
そういうわけではなかったようです

浅田さんは東京出身で、士族、つまり幕臣の出だったそうな。
なので、お家のおじい様からの言い伝えで、「ご一新では大変な目にあった」
と言われていたのですって。
長州は、いわば敵でしたね(笑)

そして、明治維新ってすごく昔な気がするけど、私たちの年齢だと、
祖父の代は明治30年代の生まれだから、その親、つまり曾祖父は
江戸時代の生まれってことも多々あるってことですよね。
ってことでした。
ほんとにそうだ(笑)

山口に住んでみたら、
会津の人は、いまだに白虎隊とかのことで、
山口(長州)にいい感情を持っていないっていうのを知って、
すごくびっくりしたんだけど、
そんなに昔のことではなかったんだと、改めて気づかされました。

そして、ペリー来航から始まった幕末の混乱期から明治維新までのことを
興味深い横道をはさみながら、いろいろと語ってくださいました。

本を読んで思っていた通りの頭がよく、博識な方で、
とても興味深いお話がたくさんありました


一番なるほどと思ったこと>

ペリー来航して、江戸幕府が勝手に日米和親条約結んだことにより
日本中が、尊皇攘夷か!、開国か!ってことになって
大騒ぎになったのは、もちろんですが、
初めに条約を結んだのがアメリカってとこがすごく重要な事項だった!
ことだったそうな。

国際的な不文律?で
条約は早い者勝ちで、初めに条約を結んだ国が最恵国になるってことに
なっているらしいのです。

なので、もしかしたら、次の年に来たロシアと最初に条約結んでたら、
ロシアが最恵国になってたかもしれない。
そしたら、日本の運命もすごく変わっていたかもってことだそうです。
(ロシアはイギリス・フランスなどとクリミア戦争やってて、
  近くなのに遅れをとったそうな)

そういえば、福沢諭吉とか、アメリカに視察にいったり、
津田梅子たちも留学しましたよね。
当時はアメリカは新興国だったから、日本政府の制度や技術などは
ヨーロッパから導入したし、留学や講師を招いたりは多かったけれども、
アメリカとのつながりもとても強かったのですね。

なので、そこと戦争した太平洋戦争の後、
マッカーサーが占領した時に、
すんなり仲良くなってしまったように見えるけど、
実際は仲悪かったのは4~5年で、あとの圧倒的な長い間は
ずっとアメリカと親しみを持っていたってことでした。

これは、すごくなるほどと思いました。
戦後に生まれた私達から見ると、
戦争してたのに、終わったらすぐにアメリカにあこがれちゃって
なんて思っていたけど、
そう考えると、納得いきました。



そうだよそうだよって思ったこと>

その一つは、相当強引な明治政府の方針
たとえば、暦、時間などの生活に密着したことを、ガラッと変える、
いままでの働き方を週7日なんていうやり方に変える、
身分制度を根底から変える、
などなどを急激に追行して、混乱のうちにもそれをやり遂げてた裏には、
日本の当時の国民の知的レベルの高さがあったからできたということがある。
ってこと。
当時(そして結構現代においても)日本ほど識字率の高い国はなかったとうことです。
これがあったからこそ、
混乱のうちにも、大改革をなんとか行うことができたということです。
日本の女性を含めた庶民がみんな本(それが洒落本であっても)を読んでいるのを、
海外から来た人達が、とっても驚いたって書いてますよね。

さらに、浅田さんは、
この教育の高さは、日本が狭くて、住めるところが少ないから、
集中して生活しているためということも影響していると言っておられました。
広すぎると分散してしまって教育も大変ってことを言っておられましたが、
それだけではないと思うな(笑)

そして、もう一つはテーマとは直接関係ないけど、
「本は一期一会」ということです。
たとえば、本屋さんで「この本買おうかな、どうしようかな?」って思ったら、
絶対買ってくださいってこと。
私もそう思っていました(笑)
今はまだアマゾンさんとかあるから、買えるってこともあるけど、
日本の出版事情が絡んでいるらしくて、すぐに店頭からなくなってしまう
そして、なかなか見つけられないっていうことがあるのです。
その時に、これいいかもって思ったら買っておこう!ってこと。

ああ、でもそれをやってると、うちのように本だらけになってしまうのね。
とほほ


それから、震災にからんでは、
電力削減のためには、早寝早起きが一番ですって言われてました。
ほんとにそうだなと反省したしだいです

まだまだ、面白いお話がありましたが、
十分長くなったので、これくらいにしときます

新刊の『降霊会の夜』という本を販売していたので、購入し、
サインしていただきました。
ミーハーですね(笑)

次回4月は、 京都清水寺貫主 森清範さんです。
「今年の漢字」を書く方ですね。

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コメント一覧

みけまる
さこさん
家じゅうが図書室になりそうです(笑)

妹さんよかったね~~!一歩を踏み出すって大変だけど、それを乗り越えたのですね。楽しい旅になるといいですね。
さこ
山口もおもしろいイベントやってるんですね!
みきさんの家が本だらけになる理由がわかったような・・・笑。

先日は失礼しました。妹は無事にチケットを買い、ホテルも予約し、レールパスも購入したそうです。お騒がせしてすみませんでした(^o^;)
みけまる
ストーリーテラー
ご本人は、座ってばっかりって言ってらしたが(笑) そして、年取ったら、太ってくるのが本当ですって言ってた。そうだよな~~って同意してしまった。あはは。
体育会系ではないけど、健康派、文壇否定の代表格はやっぱり村上春樹さんかな。早寝早起き、走る、途中からだけど禁煙、講演やテレビなどメディアにはほとんど出ないとかね。
 買った本は、面白かったですよ。
Koo
体育会系
作家って神経質でインドアな人が圧倒的に多いけど、浅田次郎ってすごく体育会的かつ破天荒な人生を送ってきた人ですよね。
そういう人が書いた小説で涙腺が緩んじゃうのはなんだか悔しいと思いながらも大好きな作家さんです
最初に開国相手にしたのがアメリカだったのはなるほど日本の幸運だったのでしょうね。
とても面白いご指摘
みけまる
そんなことはないと・・
 いや~~、都会ではいつでも催されていると思いますよ(笑) 山口では、なかなか機会がないから、たまにあると参加せねばって気持ちになるのよ。でも、思っていた以上に面白いお話でした。
BB
文化レベルが高い!
山口はやっぱり文化レベルが高いね!浅田次郎さんのお話し、面白かったでしょうね。いいな~歴史ある街は違うなと思いました
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