今日も雪が積ってるし
フィギュアスケート関係、趣味関係、友人関係、親関係など、いろいろと忙しく、読書の時間が減っちゃってる今日このごろですが・・・・
2月に入る前後から、村上春樹の『夢をみるために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2009』を読み始めて、昨日読了しました
その前に、だいぶ前に出ていて、文庫化した『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』村上春樹、吉本由美、都築饗一著 を読ました。
これは、ちょっと変ったところに行って感想を書くという旅エッセイなんだけど、3人の語り口がそれぞれ違って、なかなか面白かったです。単行本は2004年に出たものなので、今読むとタイムラグがあって、そこがまた結構いいんです(笑)。
ちょっとだけ気持ちがdownした時に、偶然読んでたら、それ以上沈ますに、ちょっとだけupしたように思う。そんな本でした。
やっぱり、村上さんの語り口って好きだなと思った
途中で、『完全なる首長竜の日』乾緑郎著を読みました。
これは、本屋さんで、「このミステリーがすごい!」大賞の大賞受賞作ということで売ってたので、首長竜につられて買ってしまいました
いっきに読めて(途中でやめられなくなって)、面白かった。でも、途中から結末がわかり始めてしまったけど。でもよくできたストーリーだと思いました。
そして、 『夢をみるために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2009』
あまり、インタビューに答えない村上さんが受けたインタビューを集めたものです。読み応えがある本です
結論からいうと、本当にびっくりした
そして、なるほどと思った
もしかして、私だけかもしれないけど(笑)、村上さんの小説はストーリーを全て(構成もメタファーも結話も)考えて書いているのだと思っていました。たとえば、『完全なる首長竜の日』みたいに。
だから、村上さんの小説のなんだか解らないところや、なにかを暗示しているんだろうけど、はっきりしないところや、何が言いたいんだろうって思う点は、村上さんに聞けばわかるんだと思ってたのだ
でもちがうのだったのだ。村上さんは、自分の中にあるものを、深く掘り下げて書いているけれど、それは自分が意図して書くというよりは、暗い場所をさぐりながら進んでいきながら浮かんでくるものを書いているということなのです。
村上さん曰く、人間の存在は二階建ての家で、一階はみんなで集まって生活するところ(食事したり、話したり)、二階は個室や寝室があって、一人で本を読んだり、音楽聴いたりするところ。そして、地下室は特別な場所で、日常生活では使わないけど、思い出とか考えとかが置いてあるところで、時々入ってなんかぼんやりするようなところ。
ところが、その地下室の下には、また別の地下室がある。そこは非常に特殊な扉があって、わかりにくいし、普通はなかなか入れないけれど、何かの拍子に入ってしまうと、そこには暗がりがある。暗闇の中をめぐって、普通の家の中ではみられないものを体験する。それは、自分の過去と結びついていたりする、自分の魂の中に入っていくことだから。そして、そこから帰ってくる。帰ってこられなかったら、現実の生活にもどれないっていう恐ろしいことになるってことらしい。
村上さんは長編小説を書くときには、毎日早く寝て、早起き(午前4時前とか)して、それから自分の中の地下の部屋に降りていく、さらに下の部屋に入る扉を開けることができるのですね、彼は。そこで、奇妙な無数の要素を眼にするのだけれど、これは目覚めていながら夢みているような感覚らしい。だから、この本のタイトルのとおりに、夢見るために毎朝村上さんは目覚めている。ということなのだそうです。
しかし、その世界には、邪悪なものや訳の解らないものも潜んでいて、とっても体力と気力がいる。そのために、健全な肉体が必要なので、毎日走り、時々泳ぎ、体を鍛えているそうな。
このほかにも、いろいろと面白い、興味深いことを話しているんだけど、とにかくこの部分にほんとに驚いたので、書いてみました。
村上さんの小説読むと、????っていうところが出てくるし、あんまり父という存在が悪と結びつく場合が多いように思えるので、これって相当なトラウマがあるのかしらなどと、勝手に思ってたけど、なんかまったくレベルのちがうところで書いていたのねって、納得した。もちろん推敲するときには、考えをつくしているんだろうけれども。
そして、いままでとても疑問だった、文学ってなんなの?普通に面白い(よくできた)話しと、文学の違いってなんなの?という疑問の答えが、少しわかった気がしました。
それにしても、長編小説を書くときには、早起きして4,5時間めちゃめちゃ集中して書いて(毎日)、その後走って、あとは本読んだり、音楽聴いたりして、早く寝るらしい。それを1年近く続けることができるって、凄い。長編小説と短編小説と翻訳の書き方の違いも面白かった
それぞれの本についてのコメントもあって、また最初から読みなおしてみたくなりました。またまったく別の視点で読めるように思います
この本は、村上さんをちょっと読んだことある人と、たくさん読んだ人と、私みたいに疑問が沢山ある人にも、とっても面白い本だと思う
そうそう、わたしの好きになれない「ノルウェーの森」は、リアリスティックに書くことをやってみようと、書いてみた小説らしいです。あれだけが、違うと思ったのは、そのせいだったのね
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みけまる
BB
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