『パノニカ』ジャズ男爵夫人の謎を追う
ハナ・ロスチャイルド 小田中裕次訳
『セロニアス・モンクのいた風景」
村上春樹 編・訳
ジャズを歌っている妹の推薦本。
妹は若い頃からジャズを聞いたり習ったりしていたので、ジャズの事をよく知っているのですが、私は10年ちょっと前から急にジャズボーカル歌っているだけなので、そちらの素養がありません。
ミュージシャンの名前もよく知らないという。。。
なので、推薦本を読んでみました。
このセロニアス・モンクも聞いたことはあるけど、よく知りませんでした😅
村上さん(村上春樹)がジャズがめちゃくちゃ好きで、ジャズについての本もたくさん出してるけど、わからない感じできちんと読んでいないという。
他のエッセイはほとんど読んでるのにね〜〜。面目無い!
ジャズボーカルでニカの夢という歌を歌っている人がいたのですが、難しい歌だな〜〜と思っていたら、ニカというのはこの赤い本のパノニカさんだったんだ!とこの本でやっと知ったのだった。
ということで、先に『パノニカ』を読みました。
著者のハナ・ロスチャイルドの大叔母にあたるのがパノニカさん。
話はロスチャイルド家の歴史から始まります。
壮大で数奇なロスチャイルド家の歴史と、強く関連しているユダヤ人の歴史。
前半の3分の1は一家の歴史の話なのですが、これがまたすごく興味深い。
特に一族の末裔の女性が書いているところが切実です。
イギリスのロスチャイルド家に生まれ、フランス在住の男爵と結婚し、戦争中は様々な抵抗活動にも加わったパノニカ・ロスチャイルド。
彼女がセロニアス・モンクに魅せられニューヨークに住んでモダンジャズの有名なパトロンになぜ、どのようにしてなったのか?
著者のハナは、晩年のパノニカに会った後に調べ始めてこの本を書いたようです。
セロニアス・モンクを初めてとしたモダンジャズの有名なミュージシャンの話がたくさん出てきて当時の感じがどんなだったのかが興味深いし、パノニカのぶっとんでいるけど芯の通った生き方が凄い❗️
彼女がパトロンとして存在しなかったら、今のジャズは無かったのか?と思うほどでした。
ユダヤ人の歴史、ロスチャイルド家ってなんなんだ?、アメリカのモダンジャズの有名奏者たちの事、セロニアス・モンクのジャズ、当時の黒人の立場、パノニカ(ニカ)の存在感、色々詰まった本でした。
とても面白くて、勉強にもなりました。
そして、モンクのジャズを検索して聞いてみたら、とっても良かった❗️
今聞いても、全く古臭くない。
ということは、当時はすごく革命的なもので、きっと今のジャズに今でもめちゃくちゃ影響力を持っているのだろうなと思います。
やっぱりジャズボーカル歌うなら、ボーカルだけでなく色々な演奏を聞いて、その背景も知ってたら、もっといいのだろうなと思った次第です。
長くなったので、村上さんの本のことは次回に😅