昨日書いたような本は少しずつ読めるようなタイプの本でしたが、読み始めたら読み終えるまで止まらない本もあって、どちらがいいかというのは一概には言えないところが本の面白いところです。
止まらない本をノンストップ本と自分で名付けているのですが(笑)
県立図書館で借りた本の中の1冊
『風よあらしよ』 村山由佳
この本はノンストップ本でした。
歴史的な事件なのでその結末はもうわかっているのですが、その結末までの工程がひしひしと迫ってきて、やめられない感じでした。
大杉栄と伊藤野枝、そして幼い甥が殺された事件。
大杉栄が反政府主義者だったのために関東大震災の後の世の中が動転していた時期に軍部の人間に殺されたということは知っていましたが、私が何となく思っていた二人の人間の生き方とは違う二人がこの小説の中にいました。
言論の自由、行動の自由が弾圧されるってこういうことなんだなという恐ろしさを一番感じたと言ってもいいかもしれません。
一人の女性としての野枝は向学心が強く、聡明であり自由を欲するがゆえに当時の社会とは相入れず、それでも負けることなく自分の思うところを生きていたんだなと。
時代が違えばまた違う人生であったのだろうと思うと、何とも言えない気持ちになりました。
それにしても、よく知られているようで知られていないこういう事件を題材に、圧倒的な筆力で読ませる村山由佳さんはすごい作家だなと感心しました。
うってかわって、久しぶりで読んだ椎名さんの本(市立図書館で借りました)
『ぼくがいま、死について思うこと』 椎名誠
そして、『本の雑誌』9月号
本の雑誌がなぜ9月号かというと、図書館の雑誌は当月号は読めるけど借りられないからです。借りられずに残っていた中で面白そうな9月号を借りてきました。
本の雑誌は何月号でも内容は本のことばっかりだから、大丈夫(笑)
でも、これ読むとまた読みたい本が増えちゃうという。。
そして、椎名さんの本は若い時によく読んだのですが、ずっと読んでなかった。
椎名的テンションから離れていた感じ。
この本は流石の椎名さんも歳とってきて、自分の死について考えたというところから友人知人の死について始まったので、そういう本かなと思った。そしたら、椎名さんらしい世界の死生観、鳥葬などの葬儀、お墓なども出てくるという感じで、しみじみと深刻になる手前で止まる何とも言えないバランスの本でした。
そして、椎名さんにお孫さんが生まれて過ごす中で考えることも。
椎名さんがお孫さんと一緒に遊んでる様子がとても楽しそうなのがなんかいいなと思いました。椎名さんらしく、孫とも真剣に付き合ってる感じがするし、反面すごく嬉しそうなのが普通のおじいさん的でもあり。
しかし、ちょっと調べたら椎名さんは私が読まなかった間もめちゃくちゃたくさん本書いてるな〜。凄いわ〜。
またちょっと読んでみたくなりました。