夏至になり、ようやく梅雨らしい恵みの雨が降り出しました。京都では、あと1週間で祇園祭が始まります。町が祇園囃子の音色と熱気で包まれ、地元にとっても待ち遠しい季節です。
話は変わりますが、先日、関西のお寺様に会館の壁面に付ける、レリーフをお納めしました。写真の通り、お城の上空を象が舞う絵です。これは、お釈迦様が生まれる前の夢のお話です。
お釈迦様を懐妊する前夜、母親であるマーヤ夫人が、空を舞う白象が右脇に入る夢を見たそうです。インドのヒンズー教では象は神聖な生き物とされているため、縁起の良い夢でした。
そのお話を物語っているレリーフを制作させて頂きました。初めにスケッチを起こし、粘土型を制作します。
その後、鋳型制作に入り、梵鐘と同じく、溶かした金属を流し込む火入れを行いました。
磨きの作業が終わり、着色する前の写真です。
完成し、お納めした写真です。
象が空を舞い、お城へ向かうロマンチックな様子が表されています。
枕草子で書かれるように、昔から「夏は夜(が風情がある)」と云われます。日中は暑さが続きますが、夜はレリーフのように、素敵な夏の夜の夢が見られるといいですね。