毎朝、蝉の鳴き声が町中に響き渡る季節になりました。京都では、先週、祇園祭の山鉾巡行が終わり、連日厳しい暑さが続いています。
そんな酷暑の中、毎日、当社工場では職人達が汗を流し、梵鐘、銅像づくりに取り組んでいます。
最年長で70才、最年少で30才の職人さんがおり、幅広い世代に亘って、鐘づくりの技術が引き継がれています。
しばらく前のことですが、梵鐘工場に日経新聞の取材が入りました。写真は鋳型作りのクライマックスである、「打込み」という作業の様子です。砂と粘土の汁で固められた鋳型に鐘の線、お寺様の文字や模様の型を手作業で打ち込んでいく作業です。
一度打込むと修正はできないため、体力と精神力が必要とされる極めて難しい作業です。
写真では、半世紀以上、鋳物づくりに携わってこられた木下さんが鋳型の外側、30才の仲谷内くんが鋳型の内部に入り、「打込み」を行っています。
仲谷内くんは数年前に入社しましたが、匠の指導の下、黙々と鐘づくりを勉強し、今では自身一人で「打込み」をされるまでになりました。
伝統の灯は、先輩のご指導と新世代の若者があってこそ、続いていくものだと思います。
暑い日も、嵐の日も、雪の日も、現在の匠から未来の匠へと、鐘づくりの心と技が脈々と引き継がれるよう、日々精進していきます。