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ホテルの広間のテーブル席にみんな着席している。
これから会食でも始まるのだろうか?
我輩は上着の内ポケットに入っていたチケットぐらいの大きさの厚紙
(真ん中に長方形の窓が開いている)が気になるので、「何だろう?」とかざして見て
これから会食でも始まるのだろうか?
我輩は上着の内ポケットに入っていたチケットぐらいの大きさの厚紙
(真ん中に長方形の窓が開いている)が気になるので、「何だろう?」とかざして見て
いると、遠くの席から駅の助役らしい人物が「切符を加工してるんじゃないか?」と
言ってるので、「じゃあ、見に来いよ」と言ったら、そばに来て手にとっていろいろと
眺めていたがわからなくて首をひねっている。
(ひとを疑いやがって、分からないだろ、ざまみろ)
そこへ遠くの席から美空ひばりさんがやってきて、「ちょっとかしてごらん」といって
手にとって、何やら文字の印刷された透明シールを貼ったら、ピタリと収まった。
シールには「港町13番地」と印刷されていた。
我輩はうれしくなって「いよー日本一!」と叫んだ。
仲間が「へんなところで日本一なんていうなよ」と茶化した。
いつも宿(やど)をとるのは、ひばりさんのマネージャーをしているお母さんなのだが、
今回は「たまにはあんたが宿をとりなよ」といわれて、ひばりさんが自分で
このホテルを予約したのだそうだ。
そこへ遠くの席から美空ひばりさんがやってきて、「ちょっとかしてごらん」といって
手にとって、何やら文字の印刷された透明シールを貼ったら、ピタリと収まった。
シールには「港町13番地」と印刷されていた。
我輩はうれしくなって「いよー日本一!」と叫んだ。
仲間が「へんなところで日本一なんていうなよ」と茶化した。
いつも宿(やど)をとるのは、ひばりさんのマネージャーをしているお母さんなのだが、
今回は「たまにはあんたが宿をとりなよ」といわれて、ひばりさんが自分で
このホテルを予約したのだそうだ。