沖縄・台湾友の会

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首相の対中配慮 公約違反では ━阿比留瑠比

2021-12-27 10:30:35 | 日記
首相の対中配慮 公約違反では
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        阿比留瑠比


 「台湾海峡の安定・香港の民主主義・ウイグルの人権問題などに毅然 (きぜん)と対応。日米同盟を基盤に民主主義、法の支配、人権等の普遍の 価値を守り抜き・・・」

 9月の自民党総裁選公約でこう掲げた岸田文雄首相は、10月の党衆院選 公約では次のように主張した。

 「ウイグル、チベット、モンゴル民族、香港など、人権等を巡る諸問題 について、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めます」

再び非難決議見送り


 ところが現在、岸田政権はこの公約を守っていないのではないかとの疑 念を向けられている。

 中国政府による新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を非難する決議 は、通常国会に続いてまたもや採択が見送られた。来年2月に中国で開催 される北京冬季五輪に、政府代表を派遣しない「外交ボイコット」などの 対応についても、岸田首相は言葉を濁す。

 「危機の宰相」といわれる英首相、チャーチルが1936年12月、ナチ ス・ドイツという全体主義の脅威を前に、十分な軍事能力を整備しなかっ た当時のボールドウィン首相に対し、こう迫ったのを連想する。

 「政府は全然決意することができないのである。(中略)政府は奇妙な 逆説的言辞を弄し、単に決定せぬための決定をし、決断せぬための決断を し、成り行きに任せ、流動するままに放置し、無為無策のために力を傾け ている」
 中国への配慮を優先させた一連の対応について、岸田首相も自民党の茂 木敏充幹事長も「タイミング」の問題だと口をそろえる。だが、「ジェノ サイド(民族大量虐殺)」とまで指摘されている人権侵害に抗議したり、 日本政府の意思や姿勢を示したりすることに、タイミングを見計らう必要 があるのか。

 しかも、採択されなかった非難決議案は、公明党の意向で「非難」とい う肝心の言葉がなくなり、「人権侵害」は「人権状況」に弱められ、結局 「人権侵害の中止」は「人権状況の説明責任」へと置き換えられた妥協の 産物だった。これでさえも採択できないという対中配慮は尋常ではない。

報復を恐れるな


 またタイミングが悪いといって北京冬季五輪後に採択を先延ばしにして も、来年は日中国交正常化50周年の年でもある。再びタイミングがよくな いという声が上がってくるのは火を見るより明らかだろう。

 確かに、首相周辺がいうように、外交的ボイコットなどによって中国側 が日本の進出企業に嫌がらせをするような報復行為をとる可能性はなくは ない。

 とはいえ、すでに米国、英国、オーストラリア、カナダなどが外交的ボ イコットの方針を表明している中で、日本がことさら報復を恐れてどうす るのか。

 中国の報復やそれによる経済的損失を回避することが最優先なら、仮に 中国に尖閣諸島(沖縄県石垣市)を占領されても何もしない方がいいとい うことになる。それとこれとは話が違うと言っても、中国から見れば、日 本は弱腰だから反撃しないと判断する材料の一つと映るかもしれない。

 岸田首相は自民党総裁選で「民主主義の危機」という言葉を多用してい たが、現在はまさに世界の民主主義が危機の時代を迎えている。それは中 国をはじめとする専制国家主義が、自分たちの政治体制への自信を深め、 公然と民主主義国に挑戦してきたからである。

 今、日本があえて曖昧戦略をとることが岸田首相のいう「国益」だと は、到底理解しがたい。


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松本市 久保田 康文 

産経新聞採録


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