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パキスタン、下院議会を抜き打ち解散、総選挙へ   カーン首相、議会不信任案成立直前に大統領に要請

2022-04-04 20:22:49 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)4月4日(月曜日)弐
       通巻第7286号 
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 パキスタン、下院議会を抜き打ち解散、総選挙へ
  カーン首相、議会不信任案成立直前に大統領に要請
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 パキスタン憲法はその58条で、大統領に議会解散の権限がある。
 イムラン・カーン首相は、下院議会で不信任案が成立の直前に議会副議長が法案を却下したことにより次の政治的賭けに移った。

 残る選択肢は議会を解散し、3ケ月以内に総選挙となる。アルビ大統領は議会解散同意したが、最高裁判所が覆す可能性が残っている。大統領は「最高裁の決定に従う」とした。また軍は幹部が記者会見に応じて「軍はいかなる政治的情勢にも左右されない」と選挙への不干渉を示した。

 イムラン・カーン首相への風当たりが強まったのは、インフレ、生活苦への国民の不満の高まりだが、ロシアのウクライナ侵攻直前(2月24日)にカーン首相がモスクワを訪問し、プーチンと会見した、その外交タイミングの読み違えが大きな要素だとも言う。 

 パキスタン首相のロシア訪問は23年ぶりで、外交上の挨拶ではなく、実務的には「パキスタン・ストリーム」といわれる、ロシアからのガス輸送パイプライン建設プロジェクトの詰めである。

 ロシアはアフガニスタン戦争の折にムジャヒデンを支援し、パキスタン領内四カ所の軍事基地を米軍に提供したことなどの経過から、イスラマバード政権には冷たかった。両国間にはすきま風が続いていた。

 欧米は、このパキスタンのモスクワ訪問を深いと受け止め、また同国があまりにも中国との関係が強い事実に重ねて警告をしてきた。

 ロシア・パキスタン関係の好転は豊穣なガスの輸出である。 
 すでにドイツ向けに海底パイプラインが二本(ノルドストリーム)、ウクライナ経由に加えてトルコ経由のサウザンストリーム。中国向けにも敷設している。
パキスタンへもパイプラインがつながれば、ロシア経済は好転する。その最後の決定の瞬間に、ロシアがウクライナ侵攻を開始したため、カーン首相は立場を弱める結果となったわけだ。

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