沖縄・台湾友の会

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わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン    頂門の一針 6050号

2022-02-16 16:14:21 | 日記
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中国に続く?対露ナンチャッテ決議?
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            有本香


中国に続く?対露ナンチャッテ決議? 緊迫ウクライナ情勢にロシアの 「名指しなし」でやったフリ、我が国の卑劣な流儀 令和4年2月11日  夕刊フジ【zakzak】


衆院は8日の本会議で、「ウクライナをめぐる憂慮すべき状況の改善を求 める決議案」を賛成多数で採択した。緊迫するウクライナ情勢について 「深く憂慮する」などとした内容である。

これだけ聞くと、わが国国会がいい仕事をしたかと早合点する向きがある かもしれないが、さにあらず。この「決議」も、また大いに問題ありなのだ。

ロシアのプーチン大統領ロシアのプーチン大統領

文書は「ロシア」を名指しで非難することを避けているのである。この決 議「も」と書いたのは、そう、昨年来さんざん本コラムで書き、自民党幹 事長室とも一悶着(ひともんちゃく)あった「ナンチャッテ対中非難決 議」の二の舞いだからである。

ウクライナ決議案は、超党派の日本・ウクライナ友好議員連盟(会長・森 英介元法相)が中心となって作成したという。1日の衆院で採択された、 中国を名指しせず「非難」すらもしなかった件(くだん)の「決議」に 倣ったことは容易に想像がつく。

これらがあしき前例となり、今後、わが国の国会では、中国、ロシアと いった?おっかない国?に対しては、この「名指しなし決議」をし、国民 に向けて「やったフリ」だけする卑劣な流儀が定置しかねない。

ウクライナ決議案では、「いかなる国も力による現状変更は断じて容認で きない」と、国際社会で共有すべき理念は強調している。この点も「ナン チャッテ対中決議」と似ているが、違う点は「わが国は、ウクライナの主 権と領土の一体性を一貫して支持」と明記したことだろうか。このあと決 議文は、日本政府に対し、「あらゆる外交資源を駆使して、ウクライナの 緊張状態の緩和に全力を尽くす」ことを求めている。

だが、「そうならば、その緊張をつくり出している元凶に物言わないでど うする」と思う。決議は緊張の原因を「国外勢力の動向」とだけ書いてい る。これほどまでに腰の引けた表現なら、あってもなくても同じだ。

ちなみに、ウクライナ決議の前日7日は「北方領土の日」だった。 1855年、静岡県の伊豆半島下田市で、日露通好条約が結ばれ、北方領 土の日本帰属が確定したという重要な記念日である。その翌日に、わが国 国会が、現在ウクライナに軍事圧力をかけるロシアの不当性に目をつぶる かのような姿勢を示すことは、同じロシアが不法占拠を続けるわが国の北 方領土についても誤ったメッセージとなりかねない。

ネット上では批判的な声が少なからず上がったが、筋違いな声が多いこと もまた悲しい。この決議が「ナンチャッテ」なのは、まさに立法府、国会 の問題であるのだが、「岸田政権ガー」と政権批判をしている声が少なく ないのである。こうした国民の認識違いをも残念に思いつつ、同時に私た ち「伝え手」の力不足を痛感し反省しなければなるまい。

折しもいま、北京で冬季五輪が開かれている。案の定というべきか、不審 な判定によって日本選手を含む他国勢の失格などが多数伝えられている。 これにロクに抗議しない、日本の大会関係役員らの弱腰にもネット上で批 判が集まっている。

2月1日、鬼籍に入った石原慎太郎氏がかつて書いた『「NO」と言える 日本』(光文社)の実現はまだまだ遠い。私たち一人ひとりの覚悟が問わ れる由々しき現状である。

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生 まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国 際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に 『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬 舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国 紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。


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