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ブリンケン国務長官、急きょ、ウクライナ訪問   ロシアの侵攻態勢が整った? ベラルーシにもロシア軍

2022-01-21 21:38:28 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月20日(木曜日)
     通巻7192号 
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 ブリンケン国務長官、急きょ、ウクライナ訪問
  ロシアの侵攻態勢が整った? ベラルーシにもロシア軍
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 ホワイトハウスのサキ報道官は1月18日の記者会見で、ロシア軍がウクライナへ侵攻する可能性が高まっていると警告した。
 いったんロシア軍は一万の部隊を撤収させたが、現在まだ十万近いロシア軍がウクライナ国境の四方八方に駐屯し、しかもベラルーシにロシア軍が入って軍事演習を開始する。絶妙のタイミングである。

 ベラルーシ南部は広範囲にウクライナと国境を接し、しかもプーチンより遙かに独裁的なルカシェンコが統治する物騒な国、警察国家である。ベラルーシはロシアのほかに味方がおらず、ロシアと行動をともにせざるを得ないのである。

 ベラルーシの首都ミンスクは不気味な町で、だれかに歩いていても監視されているような目を感じた。ただし庶民は意外に屈託がなく、レストランはどこも満員で料理もうまく、とくにワインは絶品が多い。若者はスマホとゲームに夢中だった。
 筆者は北部のロシアとの国境へも行ったことがあるが、焼けただれた古いシナゴーグや、戦争の残骸の戦車や飛行機を野外に陳列してあった。

 プーチンがウクライナ東部に執着するのは、この地区が歴史的にロシア正教の信者が多いからであり、ウクライナ西部は反ロシア正教である。とくに西南に位置し、黒海に面したオデッサは風光明媚、西側の都市と変わらない。オデッサが代表するウクライナの国民はカソリックで精神の紐帯がつよい西側と共通の価値かを持ち、可能ならNATOに加わりたいと念願している。
 オデッサには三十万人とも言われるユダヤ人がいたが、殆どがイスラエルと欧米に逃げ出したため、ユダヤ人街区だけは閑散としていた。

 しかしモスクワの目から見ればウクライナがNATOに加わろうというのは悪夢のシナリオであり、プーチンは必死にNATOの東方拡大を阻止する政治を行ってきた。

 オバマ政権時代に米国はリベラル外交を展開し、民主化運動に深く関与した。その張本人であるヌーランド国務次官はクレムリンが蛇蝎のように嫌う外交官である。
米国やNATOの支援がなくとも、ウクライナはロシアに対し敵対的な姿勢をとり続けるだろう。


 ▼ウクライナ侵攻は本当に近いのか?

 ブリンケン国務長官は1月19日、急きょ、ウクライナ訪問しゼレンスキー大統領と話し合った。

 ドナルド・トランプ大統領とプーチンは妙に馬があった。
バイデンとプーチンは最初から化学反応がない。バイデンは36年間ワシントンの政界で過ごし、そのメンタイティは古い冷戦時代感覚である。東西冷戦でソ連が崩壊して、プーチンがロシアの栄光と回復させようとする試みにはすべて反対である。

 プーチンは中国の独裁者、イランの狂信的宗教指導者と同様にアメリカが決めたルールに従う積もりはない。米国一極の秩序体制は終わったと考えている。
 プーチンは、ロシアの近くに中距離ミサイルを配備せず、東欧で大規模な戦争ゲームを行わないようアメリカ人を説得してきた。

 アメリカはロシアに経済制裁を課してきた。
具体的には2014年のクリミア侵攻以来実施され輸出規制ならびにプーチン側近等の在米資産凍結などである。

 米国の有効な制裁手段はSWIFTからロシアを除名することだ。
国際決済の情報処理をなす送受信プラットフォームで、毎日約5兆ドルを処理する。ロシアは対抗上、旧ソ連共和国に400の加盟銀行を持つ独自の金融情報移転システムSPFSを構築したうえ、外貨準備の主力をゴールドに置きかえた。
そのうえで、中国とは通貨スワップを結び、インドとも再度梃子入れをして米国との関係に亀裂を入れた。

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