海上保安官聴取 流出事件の本質見誤るな
■ 転載元: 産経主張
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このニュースのトピックス:主張
事前に接触した読売テレビは取材記者の証言として、海上保安官が「映像はもともと国民が知るべきものであり、国民全体の倫理に反するのであれば、甘んじて罰を受ける」などと語ったと報じた。事実なら、海上保安官は守秘義務違反を覚悟していたことになる。一方で皮肉にも、流出により国民の「知る権利」に応えたという重要な側面も見落とせない。
捜査当局は、流出の動機、背景についても詳しく明らかにすべきだ。事件を担当する弁護士は、海上保安官の言い分を不足なく伝えてもらいたい。刑事裁判の公判では情状面を含め、何がこの犯罪を引き起こしたのかが、明確にされなければならない。
10日の衆院予算委員会で、自民党の小泉進次郎議員は「そもそももっと早く(ビデオを)公開していれば流出事件は起こらなかった」と追及した。それがこの事件の本質である。
加えて小泉議員との質疑の中で、菅直人首相は、衝突は中国側に非があったという政府側の共通認識が「流出したビデオで客観的になった」と、効用を一部認める発言まで行った。
四方を海に囲まれた島国、日本の海上保安官は、常に過酷な職務を強いられている。流出した衝突ビデオが、その危険と緊迫性を見事に物語っていた。国民も公開を求めていた映像がなぜ「職務上知り得た秘密」に相当するのか。
刑事訴訟法は、初公判前の証拠の公開を禁じている。那覇地検が保管する衝突ビデオが非公開の対象となったのはこのためだが、中国人船長を処分保留で釈放し帰国させた今回の事件では、いつまで待っても初公判は開かれない。
事実上すでに衝突ビデオには証拠的価値はない。起訴猶予処分として映像を公開するチャンスはいくらでもあったはずだ。検察当局にも責任の一端がある。
政府には流出事件とはかかわりなく、全面的なビデオの公開が求められている。違法な形で流出した映像は外交上の切り札にはなり得ない。政府の意思として、一刻も早く全世界に衝突ビデオを公開すべきである。
捜査当局は、流出の動機、背景についても詳しく明らかにすべきだ。事件を担当する弁護士は、海上保安官の言い分を不足なく伝えてもらいたい。刑事裁判の公判では情状面を含め、何がこの犯罪を引き起こしたのかが、明確にされなければならない。
10日の衆院予算委員会で、自民党の小泉進次郎議員は「そもそももっと早く(ビデオを)公開していれば流出事件は起こらなかった」と追及した。それがこの事件の本質である。
加えて小泉議員との質疑の中で、菅直人首相は、衝突は中国側に非があったという政府側の共通認識が「流出したビデオで客観的になった」と、効用を一部認める発言まで行った。
四方を海に囲まれた島国、日本の海上保安官は、常に過酷な職務を強いられている。流出した衝突ビデオが、その危険と緊迫性を見事に物語っていた。国民も公開を求めていた映像がなぜ「職務上知り得た秘密」に相当するのか。
刑事訴訟法は、初公判前の証拠の公開を禁じている。那覇地検が保管する衝突ビデオが非公開の対象となったのはこのためだが、中国人船長を処分保留で釈放し帰国させた今回の事件では、いつまで待っても初公判は開かれない。
事実上すでに衝突ビデオには証拠的価値はない。起訴猶予処分として映像を公開するチャンスはいくらでもあったはずだ。検察当局にも責任の一端がある。
政府には流出事件とはかかわりなく、全面的なビデオの公開が求められている。違法な形で流出した映像は外交上の切り札にはなり得ない。政府の意思として、一刻も早く全世界に衝突ビデオを公開すべきである。
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