Minuma Factory

趣味のひとつ、電子工作、アマチュア無線を中心を紹介する自己満足ブログです。

TS-690バックライト LED化(その2)

2020-08-06 21:03:57 | 修理・レストア
前回の投稿は実は6月上旬の作業でした。
失敗の落ち込みからようやく立ち直り、バックライト基板を設計しなおし、基板が到着しましたので、改良開始です。

分解の作業は割愛します。
LED基板の新旧比較です。



上が新しい基板、下が前回の基板。
LED自体を高出力(といっても、最大0.5W)にしています。 そして、玉数も12個から14個。
電流は約20mAにしております。(電流はほぼ同じ)

高出力LEDのため、直視不可です。
コピー用紙越しに見ると、新基板が明るすぎて、旧基板がよくわかりません。



早速実装。 途中の写真は割愛です。



明るすぎました。 フィルター帯域表示のLEDと差がありすぎなのと、明るすぎて見づらくなりました。
電流を下げればいいのですが、電流制限用の抵抗を変えるには、液晶を外さなければなりません。 約106ピンのハンダ除去は面倒なので、インバーターユニットのジャンパーの所に抵抗をかまします。



で、結果というと。



上がノーマルのTS-450、下が今回のTS-690 差は歴然です。
輝度もちょうど良い感じです。

基板に余りがあるので、TS-450もLED化する予定です。
基板がたくさんあるので、頒布してもよいのですが、液晶を外すのに電動のハンダ吸い取り機がないとできないので、一般的な作業でなく、ニーズがないかなとも思ってます。

やっぱり、表示がキレイな無線機は気持ちいいですね。


TS-690バックライト LED化(その1)

2020-08-06 20:45:22 | 修理・レストア
久しぶりのアップです。

これまでも色々な部品を作ってきましたが、アップするほどでもない物ばかりでしたが、気分転換にアップします。

手持ちのTS-690ですが、いくつか不都合がでてきました。
①冬になると、電源ON後、表示が出るのに時間がかかる(といっても、1秒以下)
②メインダイヤルを速く回すと、ダイヤルが止まったあとも、周波数が少し動く

①はCFTの劣化は確実でしょう。 ②はCFTのインバーターノイズでは? と思い、この際、バックライトのLED化をしてみることにしました。

まず、分解
ディスプレイユニットを外します。



ハンダ吸い取り機を使い、LCD部を外します。 ピンが106本(確か)あります。 スルーホールですし、ハンダ吸い取り機がないと無理です。



インバーターユニットも外します。
4つ端子がありますが、電源(+とー)、そして交流出力です。
ここはLED化に際して、入力と出力はそのままジャンパーしておきます。



CFLと同じサイズに設計したLED基板です。
LEDの数は適当です。 LEDの順方向電流は定格の7割くらいに抑え、おおよそ18mA。
見た目は、「CFLもあまり明るくないだろうし、いいだろう」と思ったのですが、これが失敗のもとでした・・・



輝度の確認は液晶を再ハンダ(約106ピン)しないとできません。
うまくいくと信じつつ、作業をし、電源ON!



ダメダメです。 全然暗いですね。 しかも、紫っぽい。「やらなければ良かった」レベルです。
(写真では「色以外はいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、ダメです。
輝度不足ということで、LEDの種類、玉数を変えて再挑戦です。

送料込みで約3000円かけて作ったLED基板が無駄になりました。
まぁ、一度で成功するなんて稀ですので、想定内です。

ちなみに、不具合②は直っておらず、結局、ロータリーエンコーダーの配線の位置をずらしたら直りました。
本当に、やらなければ良かった・・・

KENWOOD スタンドマイクMC-60 改良

2018-05-20 17:01:53 | 修理・レストア
やっぱりSSBにはコンデンサマイクよりもダイナミックマイク という拘りで、未だに所有しているMC-60ですが、劣化が進んできました。

LOCKスイッチを押してもスイッチの接触不良で送信にならなかったりと、相手局にも迷惑がかかるのでレストア? 改良してみました。
ついでに、送信中でも周波数UP/DOWNスイッチを押すと周波数が動かないように改良です。


まずは元の状態を確認



裏ぶたをあけて出てきたものは基板1枚 パターンもかなりシンプル
もちろん、外します。



スイッチが5個 全てメカニカルなので、劣化すると操作フィーリングに直結です。
周波数UP/DOWNのスイッチは前オーナー(中古で買いました)が交換したようですが、スイッチノブの高さを合わせるためか、基板から浮いています。


基板ごと交換できるよう、回路と基板の設計です。
まず、機能としては

1.PTTはトランジスタでドライブする。(スイッチでの直結はしない)
  これはスイッチ劣化時のバタつき防止
2.LOCKはスイッチによるメカニカルロックでなく、マイコンでの制御とする。
  当然ですが? 無変調防止回路を入れ、タイマーで3分後に強制的に送信停止となります。
3.送信中は周波数UP/DOWNスイッチを無効にする。
4.送信中はインジケータを点灯させる。
5.LOCKでの送信時は1分毎にブザーを鳴らし、タイマーによる送信停止直前にもブザーを鳴らす。


できあがった基板です。
↓表面



↓裏面


ジャンパ飛ばしてます・・・  回路ミスではないのですが、MIC信号とMIC-GNDが離れてパターンを作ってしまったためです。(離れていても支障はないですが)

PTTとLOCKスイッチは2個ずつ使っています。 理由は
①マイク外側のスイッチノブが長く、1個では端を押した時に反応しない。
 →LOCKスイッチは1個でも問題ないのですが、押す力のバランスを取るためです。
②万が一スイッチが劣化した時に、ORで取っておけば多少は延命が可能(かな?)


マイク本体へのネジ穴はオリジナルと完全に合わせているのでそのままリプレースです。
(私が入手したもの は ですが・・・)




使用感としは、送信スイッチが重い(2個使いなので仕方なし)ことと、ブザー音が小さいことでしょうか。
ブザー音は5V駆動なので仕方なしですね。 ただ、QSO中に鳴った場合に大きいと相手局に良く聞こえてしまうでしょうから、小さいくらいでちょうどいいかもしれません。



またまた自己満足の世界です。

FT-1000MP修理

2018-05-06 20:25:36 | 修理・レストア
久しぶりの更新です。

自作ネタではなく、無線機の修理ネタです。
同じような症状をお持ちの方の参考になれば と思い、アップします。


ヤフオクで買ったFT-1000MPですが、運用していると急に送信できなくなることがあり、「しまった~ やはり中古は危険だったか・・・」と凹んでいました。

症状は次のとおり。
1.7MHz帯で途中まで交信していたものの、突然送信ができなくなる。
  (マイクを握っても無線機本体の出力計もSWR計も動かない。 外付けも同じ)
2.モードを変えても症状は一緒。
3.モニタースイッチをONにすると、自分の声は聞こえる。
4.他のバンドに切り替えるともとに戻る。
5.再度7MHz帯に戻すと、やはり送信できない。
6.しばらく(30秒ほど)すると戻り、送信できるようになる。

という内容でしたので、送信の制御系では? と疑い、20年前の無線機で修理受付
は終わったと知りつつ、望みをかけてメーカーに問い合わせをしました。
答は案の定、「もう20年前の無線機ですし・・・」←なかなか「修理受付は終わりました」
とは言わない。

その後も症状が再発し、さらに詳しく観察すると、
6.無線機本体のメーターをIC(コレクタ電流)はそれなりに振れている。
7.症状が出るとき、終わるときに、小さなリレー音がする。

というのがわかり、回路図から追っかけた結果、PA後のLPFのリレーが作動しなく
なり、GNDに落ちているのでは? との予測をつけました。(その後に出力計、SWR計
の検出部なので、出力計も動かないのは当然)

改めてメールでメーカーに上記症状を伝えたところ、予想はあたっているのでは?
との回答。 過去に経時劣化でハンダ不良が発生した実績ありとのこと。


で、やりました。


まずは、LPFユニットを取り出します。 電線が数か所から出ている関係で、一度に引っ張れないのが辛いところ・・・



リレーがたくさん見えるのが、LPFユニット


裏返して見てみると・・・  ありました!

ちょうど、ツールのさきっちょ辺りです。

マイクロスコープで見てみると・・・

すごいですね~ ここまでハッキリと! というか、撮影用にちょっと力をかけてみました。でも、肉眼でも「これは・・・」といった感じです。


ただ、回路図も不親切に(?)、どのリレーが7MHz帯なのか書いておらず、コイルのまき方から想像すると、この部分は3.5Mhz帯? だとすると、隣か? と思ってみると、ほぼ全てのバンドにおいて、ハンダ外れが確認できました。(ハンダ全体が均一の色でなく、径の中間ほどで、1周、黒い円が見られる。←クラックが入った場所が黒く見えるのでしょう)

ということで、全てハンダを追加し、また吸い取り線で吸い取り、改めてハンダを入れました。
リレーのリード線にハンダごてを付けると、リード線のハンダは溶けるものの、ランドのハンダは固まったまま。 明らかにクラックが入っていたということです。 とてもわかりやすい。

ちなみに、ランドのホール径とリレーのリード線径がどうみてもあっていない様子。 このリレー、改良か何かで初期型と変更になっているようで、基板の穴はそのままとなって、最終的にアンマッチとなったのかと勝手に想像しています。(リレー自体は密閉型で信頼性は上がった)


元に戻して何時間か使ってみましたが、大丈夫なようです。

他のリレーも同じような状態だったので、遅かれ早かれ同じような症状になっていたかもしれません。

安く修理ができてよかったです。 そして、PAが飛ばなくてよかったです。 何しろGNDとショートさせたまま100W出していたのですから。(パワー検出部まで信号が行っていないので、制御がかからない)
出費は念のために買った中古の回路図、コンデンサのショートモード故障(あるとは思えんが)を疑って買った積層セラミックコンデンサ、スイッチングトランジスタ故障を疑って買ったトランジスタ、合計約2000円でした。 結局、部品交換はしませんでした。


以上、同じような症状の方はご参考まで。

安定化電源 DAIWA PS-304修理(その2)

2017-07-08 21:56:04 | 修理・レストア
前回から時間が経過してしまいました。

続きの作業は前回の直後にやったのですが・・・ 別件(TS790のレストア)が入ってしまい、アップをさぼってました。


前回はメイン基板を交換したものの結局は治らず(20Aくらいでリミッターがかかってしまう)、可能性は低いものの、パワトラ周辺を総交換してみました。
実は・・・  パワトラのCADのライブラリ作成の時に、方向が間違っていたらしく、ジャンパーを飛ばして修正が必要となってしまいまいた。
最近、どうも集中力がないというか、仕事じゃないですけど、チェックリストを作らないとダメですかね。



オリジナルはトランジスタのピッチが基板のパターンとヒートシンクの位置とあっておらず、曲がってつけられていたのですが、やっぱりまっすぐ付くのはいいですね! メーカーにはこういう仕事をしてもらいたいものです。

あ、トランジスタも抵抗もコンデンサも、ブリッジダイオードも総交換です。  ブリッジダイオードはオリジナルは25Aのものがついていました。
確かに、多少オーバーで流しても簡単には壊れませんが、この余裕度のない部品を選択するあたり、ちょっと疑いますね。



写真はありませんが、平滑用のコンデンサの基板も交換です。 もちろんコンデンサも新品!  コンデンサもオリジナルは25V耐圧でしたが、35V耐圧にしました。 そもそも、実測で27Vくらいかかってるんですよね・・・ そりゃ簡単に破裂はしませんが、寿命が早くなるでしょうに・・・


ここまできたら配線も修正です。 大電流が流れる電線はM4ネジに丸端子で接続されているのですが、端子はM5端子。 しかも加締めもテキトー・・・  おそらく正しい圧着アプリケータを使っていません。 ならばスリーブタイプの端子を使えばいいものを・・・ M4用もあるんだし。
本職を電線屋とする自分としては気持ち悪いので、これも作り直しです。  本当は電線自体も怪しいんですけどね・・・





最終形はこちら↓↓↓↓↓



新しい基板とキレイなハンダ付けとレイアウトはやっぱり気持ちいいですね。

ですが・・・  20Aでのリミッターは変わりません。
仕方がないので最後の手段です。 リミット用の電圧(抵抗両端の電圧で電流変換)の比較用電圧を強制的に下げるために、抵抗値を変えます。
結果は無事に、30Aチョットまでかかるようになりました。

今回の基板の抵抗値も、もとの基板にあった抵抗の抵抗値をそのまま持ってきているので、おそらく、新品の状態でも同じだったんでしょうね。 買った当時は20Aも流せる負荷をもっていなかったので、気づかなかっただけでしょう。

それにしても、30A電源なのに、20Aでリミットかかるっていったい???  しかも、オリジナルの基板も配線もめちゃくちゃ。 挙句の果てには、これらの基板類、他の機種との共用をしているんでしょうね。 ケースの中で他の部品と干渉するのか、加工をしているのですが、断面を見る限り、基板を折ってます! 普通は刃物等で加工するのですけどね・・・

国内メーカーのようですが、使っている部品をみると、中国製のようですね。  たぶん、原価は20USDくらいでしょうね。
自分も中国の電子機器メーカーをいくつか訪問したことありますが、同じような作業のメーカーは、1箇所だけ、いまだにありました! 

「あんな所で作っているんだろうな~」と想像がつきますね。


あ、オリジナルの基板はこんなんです。 ん~ 本当に日本のメーカーがデザインしたのでしょうか? 日本のメーカーは企画だけ? 設計は中国??



とりあえず、本プロジェクトはおしまいです。
また使わないPCBが余ってしまった・・・  どなたかレストアする方いますか?? 6枚あります。