先日、ご本山は西本願寺へ、お晨朝参拝をしてまいりました。
朝のお勤めのことを「お晨朝(おじんじょう)」といいます。(お朝事(おあさじ)と呼ぶこともあります。)
毎朝6時からお勤めが始まります。
西本願寺は早朝の5:30に開門します。
早朝の境内は、まだ薄暗く、静寂のなかにピリっとした空気感があり、なんともいえない清々しい気分になります。
観光客はほとんどおらず、本来の意味での「お参り」に来られている方々ばかりです。
お晨朝に参拝されたことの無い方は、是非一度お参りしましょう!
外陣の様子がわかりにくいですが、たくさんの方がお参りされていました。
本堂の一番後方にはイスもあります。
大きな法要がある日には全国からご門徒方が参拝されるので、お晨朝でも満堂になることもあります。
西本願寺では、北側(門を入り向かって右手)の阿弥陀堂と、南側(向かって左手)の御影堂の両堂にお参りします。
阿弥陀堂には阿弥陀如来さまがいらっしゃいます。
御影堂には正面に親鸞聖人がいらっしゃいます。
では、お晨朝の様子をみていきましょう。
お晨朝スタート!
【阿弥陀堂】(あみだどう)
まず、北側の阿弥陀堂で讃仏偈(さんぶつげ)のお勤めです。(※この日は親鸞聖人の毎月の御命日であったため漢音小経というお勤めに変更となっておりました。)
6時00分ちょうどに法要の始まりを告げる喚鐘(かんしょう)が鳴り、お晨朝が始まります。
ゆっくりとお経をあげます。ご一緒にお勤めしましょう。お経本が堂内にありますのでお借りしましょう。
讃仏偈のお勤めが終わると、全員で南側の御影堂(ごえいどう)へと移動します。
【御影堂】(ごえいどう) 上の阿弥陀堂の写真とよくよく見比べると違いがあるのがわかりますか?
御影堂へ移動します。僧侶の数人はすでに着座しております。静かに速やかに移動し座りましょう。
そして今度は正信偈(しょうしんげ)のお勤めです。
正信偈の続きの「ご和讃(わさん)」は毎日繰り読みしていきます。
繰り読みとは毎日順々に読んでいくことです。今日は1首~6首の和讃を、明日は7首~12首を…というように6首ずつご和讃を勤めるのが正信念仏偈のお勤めです。
最初に僧侶の方が、「本日のご讃頭(さんとう)は、◯◯ページです」と案内をしてくれます。本堂内にお経本がありますのでお借りしましょう。
正信偈が終わると、ご法話を頂き、最後に御文章の拝読です。
時間にすると40~50分ほどの毎朝のお勤めです。
終わりに僧侶が一人、前に立ち「おはようございます!お晨朝早々ようこそお参りくださいました!」と大変大きな声で挨拶されるのが西本願寺のお晨朝の恒例であり、これでお晨朝は終わりという合図となります。
余談ですが、なぜ最初ではなく、このタイミングで挨拶をされるかというと、「お勤めをするのが第一である」からです。
まずは阿弥陀さまと親鸞聖人へお参りし朝のお勤め(ご挨拶)をしてから一日が始まる、ということです。
ですのでお晨朝の前には、僧侶の控室では誰も「おはよう」と挨拶はしません。お晨朝が始まるまでは皆、無言で待機するのです。
お晨朝が終わってから「おはよう」という習わしとなっているのです。
もうひとつ余談ですが、黄色のお袈裟を着けられた方々は、昨日に「お得度(とくど)」を受けられた方々です。
浄土真宗の僧侶となり、最初のお晨朝に御礼参拝するのが習わしです。
その前列の紫色に白っぽい柄のお袈裟を着けられている方々(立っている方々)は、讃嘆衆(さんだんしゅう)といい、お勤めのプロフェッショナル集団です。
ご本山でのすべての法要に必ず出仕されます。大きな法要などの際には雅楽を奏楽することもあります。
なお、お晨朝の後には「帰敬式(ききょうしき)」があります。(「おかみそり」ともいいます)
おかみそりを受け、浄土真宗の門徒として人生を歩ませていただく大切な儀式です。
上の写真は、これからおかみそりを受けられる方々が説明を受けているところです。特別に結界内に入ります。
お晨朝が終わり、控えの建物へ戻っていく勤式生(ごんしきせい)がいらっしゃいました。
お勤めを研鑽されている方々のことです。凛々しく境内を歩いておりました。
私も昔、勤式生としてご本山にて学びのご縁を頂いておりました。
こう見ると、本堂がいかに大きいかがわかりますね。
こちらは阿弥陀堂ですが御影堂は一回り以上大きいです。
初めて訪れた方は、まずはその大きさに圧倒されることでしょう。
建物も大きいですし、当然堂内の広さも、仏具もすべてが大きいです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私自身、久しぶりにご本山へお参りしましたが、参拝に訪れるたびに背筋が伸び、また今日からの日々を大切に歩ませて頂きたいという思いが深まってまいります。
京都へは遠方とはなりますが、皆さんも年に一度はご本山へお参りするご縁を大切にしましょう。
西本願寺のお墓(大谷本廟)へ分骨されている方もそうでない方も、また関西へ旅行を考えている方も、ご本山へぜひお参りください。
また、年に一度お寺からの団体参拝旅行もありますので、是非ともご一緒に行きましょう!(^^)
観光情報というわけではありませんが、本願寺には数多くのものが国宝や重要文化財に指定されています。
私たちからすると当たり前のようですが、どなたでもお参りできます。
こういう言い方はふさわしくありませんが、参拝無料ということです。
(実は京都の本山格のお寺や有名寺院のなかで参拝無料というのは少ないのです)
京都へ行ったら、有名なお寺観光や座禅体験!もいいかもしれませんが、是非とも西本願寺のお晨朝に参拝されて下さい。
朝6時からのお勤めをして、ホテルへ戻っても7時頃です。
朝のお勤めを終えてから朝食を取られても、その後に観光する時間も十分にありますよ☆
是非ともお参りください♪
最後に参拝の注意事項ですが、
・ご門主さまが作法などで動かれている時や、お経を調声(一人でお唱え)されている時には、席を立たないようにしましょう。
・本堂内では脱帽の上、コートなどは極力脱ぐようにしましょう。(体調の優れない方はご無理のないように)
・本堂を出入りする際には、ご本尊へ向かって一礼をしてから入堂、退堂するのがマナーです。(境内の山門を出入りする際も同様です)
・携帯電話は必ずマナーモードに! 必ずです!
朝のお勤めのことを「お晨朝(おじんじょう)」といいます。(お朝事(おあさじ)と呼ぶこともあります。)
毎朝6時からお勤めが始まります。
西本願寺は早朝の5:30に開門します。
早朝の境内は、まだ薄暗く、静寂のなかにピリっとした空気感があり、なんともいえない清々しい気分になります。
観光客はほとんどおらず、本来の意味での「お参り」に来られている方々ばかりです。
お晨朝に参拝されたことの無い方は、是非一度お参りしましょう!
外陣の様子がわかりにくいですが、たくさんの方がお参りされていました。
本堂の一番後方にはイスもあります。
大きな法要がある日には全国からご門徒方が参拝されるので、お晨朝でも満堂になることもあります。
西本願寺では、北側(門を入り向かって右手)の阿弥陀堂と、南側(向かって左手)の御影堂の両堂にお参りします。
阿弥陀堂には阿弥陀如来さまがいらっしゃいます。
御影堂には正面に親鸞聖人がいらっしゃいます。
では、お晨朝の様子をみていきましょう。
お晨朝スタート!
【阿弥陀堂】(あみだどう)
まず、北側の阿弥陀堂で讃仏偈(さんぶつげ)のお勤めです。(※この日は親鸞聖人の毎月の御命日であったため漢音小経というお勤めに変更となっておりました。)
6時00分ちょうどに法要の始まりを告げる喚鐘(かんしょう)が鳴り、お晨朝が始まります。
ゆっくりとお経をあげます。ご一緒にお勤めしましょう。お経本が堂内にありますのでお借りしましょう。
讃仏偈のお勤めが終わると、全員で南側の御影堂(ごえいどう)へと移動します。
【御影堂】(ごえいどう) 上の阿弥陀堂の写真とよくよく見比べると違いがあるのがわかりますか?
御影堂へ移動します。僧侶の数人はすでに着座しております。静かに速やかに移動し座りましょう。
そして今度は正信偈(しょうしんげ)のお勤めです。
正信偈の続きの「ご和讃(わさん)」は毎日繰り読みしていきます。
繰り読みとは毎日順々に読んでいくことです。今日は1首~6首の和讃を、明日は7首~12首を…というように6首ずつご和讃を勤めるのが正信念仏偈のお勤めです。
最初に僧侶の方が、「本日のご讃頭(さんとう)は、◯◯ページです」と案内をしてくれます。本堂内にお経本がありますのでお借りしましょう。
正信偈が終わると、ご法話を頂き、最後に御文章の拝読です。
時間にすると40~50分ほどの毎朝のお勤めです。
終わりに僧侶が一人、前に立ち「おはようございます!お晨朝早々ようこそお参りくださいました!」と大変大きな声で挨拶されるのが西本願寺のお晨朝の恒例であり、これでお晨朝は終わりという合図となります。
余談ですが、なぜ最初ではなく、このタイミングで挨拶をされるかというと、「お勤めをするのが第一である」からです。
まずは阿弥陀さまと親鸞聖人へお参りし朝のお勤め(ご挨拶)をしてから一日が始まる、ということです。
ですのでお晨朝の前には、僧侶の控室では誰も「おはよう」と挨拶はしません。お晨朝が始まるまでは皆、無言で待機するのです。
お晨朝が終わってから「おはよう」という習わしとなっているのです。
もうひとつ余談ですが、黄色のお袈裟を着けられた方々は、昨日に「お得度(とくど)」を受けられた方々です。
浄土真宗の僧侶となり、最初のお晨朝に御礼参拝するのが習わしです。
その前列の紫色に白っぽい柄のお袈裟を着けられている方々(立っている方々)は、讃嘆衆(さんだんしゅう)といい、お勤めのプロフェッショナル集団です。
ご本山でのすべての法要に必ず出仕されます。大きな法要などの際には雅楽を奏楽することもあります。
なお、お晨朝の後には「帰敬式(ききょうしき)」があります。(「おかみそり」ともいいます)
おかみそりを受け、浄土真宗の門徒として人生を歩ませていただく大切な儀式です。
上の写真は、これからおかみそりを受けられる方々が説明を受けているところです。特別に結界内に入ります。
お晨朝が終わり、控えの建物へ戻っていく勤式生(ごんしきせい)がいらっしゃいました。
お勤めを研鑽されている方々のことです。凛々しく境内を歩いておりました。
私も昔、勤式生としてご本山にて学びのご縁を頂いておりました。
こう見ると、本堂がいかに大きいかがわかりますね。
こちらは阿弥陀堂ですが御影堂は一回り以上大きいです。
初めて訪れた方は、まずはその大きさに圧倒されることでしょう。
建物も大きいですし、当然堂内の広さも、仏具もすべてが大きいです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私自身、久しぶりにご本山へお参りしましたが、参拝に訪れるたびに背筋が伸び、また今日からの日々を大切に歩ませて頂きたいという思いが深まってまいります。
京都へは遠方とはなりますが、皆さんも年に一度はご本山へお参りするご縁を大切にしましょう。
西本願寺のお墓(大谷本廟)へ分骨されている方もそうでない方も、また関西へ旅行を考えている方も、ご本山へぜひお参りください。
また、年に一度お寺からの団体参拝旅行もありますので、是非ともご一緒に行きましょう!(^^)
観光情報というわけではありませんが、本願寺には数多くのものが国宝や重要文化財に指定されています。
・西本願寺は、世界遺産に登録されております。
・阿弥陀堂と御影堂はそれぞれ、平成26年に国宝指定を受けました。
・また、唐門や飛雲閣など多くの国宝、重要文化財もあります。
・飛雲閣は、あまり知られていませんが、金閣寺、銀閣寺の通称で有名な、鹿苑寺金閣と慈照寺銀閣に並ぶ、京都三名閣のひとつに数えられています。
・勘違いされる方も多いですが、国宝の唐門は境内の南側にあります。境内東側の大通りである堀川通沿いは重要文化財の阿弥陀堂門と御影堂門です。
観光として…というと言葉を選びますが…見どころは実にたくさんあります。・阿弥陀堂と御影堂はそれぞれ、平成26年に国宝指定を受けました。
・また、唐門や飛雲閣など多くの国宝、重要文化財もあります。
・飛雲閣は、あまり知られていませんが、金閣寺、銀閣寺の通称で有名な、鹿苑寺金閣と慈照寺銀閣に並ぶ、京都三名閣のひとつに数えられています。
・勘違いされる方も多いですが、国宝の唐門は境内の南側にあります。境内東側の大通りである堀川通沿いは重要文化財の阿弥陀堂門と御影堂門です。
私たちからすると当たり前のようですが、どなたでもお参りできます。
こういう言い方はふさわしくありませんが、参拝無料ということです。
(実は京都の本山格のお寺や有名寺院のなかで参拝無料というのは少ないのです)
京都へ行ったら、有名なお寺観光や座禅体験!もいいかもしれませんが、是非とも西本願寺のお晨朝に参拝されて下さい。
朝6時からのお勤めをして、ホテルへ戻っても7時頃です。
朝のお勤めを終えてから朝食を取られても、その後に観光する時間も十分にありますよ☆
是非ともお参りください♪
最後に参拝の注意事項ですが、
・ご門主さまが作法などで動かれている時や、お経を調声(一人でお唱え)されている時には、席を立たないようにしましょう。
・本堂内では脱帽の上、コートなどは極力脱ぐようにしましょう。(体調の優れない方はご無理のないように)
・本堂を出入りする際には、ご本尊へ向かって一礼をしてから入堂、退堂するのがマナーです。(境内の山門を出入りする際も同様です)
・携帯電話は必ずマナーモードに! 必ずです!