「日本における普通の市民が普通にベジタリアン生活を持続できる指針を示してほしい」 とのご要望があり、いい機会を与えていただきましてありがとうございます。 できるだけ多くの方に素晴らしいベジタリアンライフを楽しんでいただくことを心より願って、少し長くなりますがご質問の回答とさせていただきます。 NPO法人日本ベジタリアン協会は、「人と地球の健康を考える」 をテーマに、菜食とそれに関連した健康、栄養、倫理、生命の尊厳、アニマルライツ、地球環境保全、発展途上国の飢餓などの問題に関する啓発や奉仕を目的とし、菜食に関心のある人々に必要な知識や実践方法を広め、共有していくためのネットワークづくりを行なうことを目的としています。 本協会は、日本学術会議・学術研究団体である 『日本ベジタリアン学会』 との協力関係や、100年の歴史を有するベジタリアン団体の世界的統括機関である 『国際ベジタリアン連合』 (IVU)の一員として貴重な知見や啓発を受けており、今後もいい関係であることを願っております。 しかし、学術的議論や主義主張とは別に、我が国独自の食文化や環境のなかで一般市民が普通にベジタリアン生活を持続できる方法や心構えを知りたいと願われる方がおられることは当然なことと思います。 ここ数年、喜ばしいことにベジタリアンや、目的や背景の異なる多くの人々が本協会のホームページや会員として集まっていただき、日本のベジタリアンの裾野がますます広がりと厚みを見せてきていることを強く感じています。 我が国における食の歴史を遡れば、140年前の明治維新までは、祝事などでは魚を食べたものの、日常は米飯に一汁一菜、まさにベジタリアンの食事をしていました。 伝統的な和食、例えば、米飯を中心にみそ汁(具は野菜や海藻など)などの汁物、野菜や芋などの煮物、炒め物、もう一品は大豆を中心とした豆腐や納豆などの豆料理を食すれば、栄養バランスが取れた健康食・生活習慣病予防食になります。 つまりこのような伝統食が実は立派なベジタリアン食なのです。食料自給率100%の米飯を中心とすれば、エコロジー的にも良いものになります。 本協会は、このような日本型菜食を21世紀に世界に発信する役割を担っていく必要があると思っています。 ベジタリアンの類別のなかでビーガン (純菜食者) は強い信念や努力等が必要であることもあり、評価されるべき素晴らしいライフスタイルです。しかしそれは、ベジタリアン世界の理想や目標としてではなく一つの到達点と捉えていただいた方がベジタリアンを理解していただきやすいと思います。 ご質問のように普通のベジタリアン生活を持続することをシンプルに捉え、植物性食品を意識して多く摂る生活に変えるのも一つの方法です。初めから厳密な菜食が困難ならば、週に一度程度から始める方法や、非菜食の食材(肉や魚など) を徐々に減らしていく方法があります。 もちろんこれはベジタリアン(菜食主義者) の定義からはやや逸脱するかもしれませんが、普通の人が普通にベジタリアンライフを始めるには、入り口はいろいろとあっていいと考えます。 個々の動機や好みあるいは生活環境によって自分のスタイルを選ぶわけですから、几帳面すぎることなく、自分や家族に適した持続可能なスタイルで栄養バランスのとれたベジタリアン生活を楽しむことが大切です。菜食のあり方や非菜食者を非難したりしないことも大切なことだと思います。 NPO法人日本ベジタリアン協会 代表理事 垣本 充 |
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そして、予想に反してご丁寧でそして包容力のある内容で、正直ホットしました次第です。もっと憲法みたいな内容を想像しておりましたが、私の思い過ごしだったようです。
私もベジタリアンと自称していいのかどうかと日ごろ気にしておりましたが、ベジタリアンの裾野五合目あたりで家族と歩調を合わすために、しばらくウロウロすることになりそうです。
このご説明でベジタリアンへの吸引力も大いに増大したのではないかと思っております。
本当にご丁寧なご回答に感謝します。本当にありがとうございました。
P.S. ホームページのどちらかにご説明を掲載していただくと幸いです。
『予想に反してご丁寧でそして包容力のある内容で、正直ホットしました次第です。』
と、仰るてるママさん同様に、私もなんだか嬉しく拝見しました。
自分らしい自分にしっくり来るベジスタイルでやって行こうと思えました!
もしこの追加記事がなければ、ベジタリアンに関する説明が不親切であったやも知れません。てるママさん、そしてあと押しをしていただいた花模様さんにいい機会を与えていただいたことに、代表理事になり代わって感謝申し上げます。
ご存知のように、JPVSという団体は多くの会員やボランティア協力者で構成され運営されています。これからも皆さまからの建設的で真摯なご意見・ご希望をいただければありがたいです。
てるママさん、花模様さん、そして皆さんもいちどHPの追加記事をご覧いただきたいと思います。
ありがとうございました。
塩見潤一郎 (ウェブ担当理事)
しかし、こちらにも書かれているように、伝統的な日本食もベジタリアン食と言えるのだと知り、これなら私の食生活にベジタリアン食を取り入れていけると思いました。
私がベジタリアン食に興味を持ったきっかけは、私自身や家族の健康を気遣い始めた事が1番の理由です。
後から、生命や、環境問題等にも深く関わっている事を知りました。
講義等で教わったこと、知ったことを家族にも話し、今では時々、料理が苦手な母に代わって家族に普段の食事にベジタリアン食に近い食事(和食)をふるまっています(笑)
ベジタリアン食が、地球環境や動物の権利、健康等の面で良い影響を与えることを知り、今後はベジタリアン食を少しずつ取り入れていきたいです。
ですが、型にとらわれず自分のやりやすいスタイルでやっていったらいいのだと思います。