父は私たち家族を村の学校まで連れて行きました。私は父のおかげで、学校の床下に隠れることができました。その時、国軍が撃った鉄砲の弾が飛んできて学校の柱に当たり、辺り一面に火薬のにおいが立ち込めました。私はあまりの恐ろしさにそのまま寝入ってしまいました。気が付いた時には、父が私を背負いながら川の向こう岸に向かって歩いていました。避難した人たちとは反対向に向かっていたのです。まだ暗い夜明け前でしたが、あたりは避難しようとして殺されてしまった人達の死体で一杯でした。私たち家族は、皮肉にも敵軍が占領した地域にそのまま留まっていたおかげで殺されずに済みました。父の機転のおかげで、私たち家族は全員無事だったのです。