✳️【9.11陰謀論のつくられ方】
小さな穴、大きな飛行機ならぬ
大きなテーマ、小さなトリック
「9.11陰謀論」を一言で言えば、こうなるだろう。
これまで、世界の陰謀論をコレクションし、その1つ1つを検証してきた私の目から見ると、「9.11陰謀論」はあまりにも稚拙で、アメリカ政府の陰謀という大きなテーマを扱いながら、トリック自体はじつに小さい。
もともと、陰謀論というのは、それをつくる業者がいる。要するに、陰謀論メーカーである。(中略)
【陰謀論メーカーの手口を整理してみれば……】
では、ここで、陰謀論メーカーの手口、そのフェイクの手法を整理してみよう。今回の9.11陰謀論では、ざっと数えただけでも、次のような手法が使われていた。
①証言をトリミングし改竄する。特定少数の証言のみを紹介する。
②写真・映像の説明を事実と変える。自説に都合のいい物証のみを紹介する。
③状況が大きく異なる同じ事象について「違う結果が出るのは当たり前だ」と言わず、「同じ結果が出ないのは陰謀だ」と言い張る。
④事象の背景を説明せず、おどろおどろしく伝える。
⑤扱うテーマは大きいほど良く、自らの手法は小さな嘘の積み重ね。そうすればインチキがテーマの陰に隠れ見えにくくなる。 奥菜秀次〈陰謀論の罠〉より
✔️【逆デバンキング〈それは奥菜秀次自身のことである〉】
③と④は意味がわかりにくいので省くとして、①、②、⑤は奥菜秀次自身に当てはまることは、ここまで読んできた人には言うまでもないと思います。
✳️(前略)【陰謀論プロモーターたちのよくわからない動機】
さて、われわれ一般人にとって、9.11陰謀論者の最大の謎は、その動機だ。
前記したように、ホロコースト否定論者からの転向組は新たな反ユダヤ、アメリカの親イスラエル政策へのカウンターを見つけ大喜びしているのだろう。また、陰謀論メーカーと言える人々、たとえばヴォンクライスト氏やエイブリー氏は、自らを強大な権力と戦う勇者のふりをして、じつは完全な確信犯であり愉快犯そのものに思える。
つまり、彼らは企んでいるというよりは、楽しんでいるのではないだろうか?それは、『911ボーイングを捜せ』が突っ込みどころ満載のトンデモDVD、アメリカ版川口浩探検隊であることに象徴されている。ヴォンクライスト氏にいたっては、「おまえの本名はボンクライスト」かと言いたくなるほどの、愉快犯&確信犯のペテン師である。彼らは「炭鉱のカナリア」のふりをした鷺(さぎ)であり、鷽(うそ)にすぎないのだ。 奥菜秀次〈陰謀論の罠〉より
✔️【逆デバンキング〈ひでーじじー〉】
そういう奥菜秀次(おきなひでじ)こそ、都合の悪い事実を片っ端からオミットする「ひでーじじー」です(笑)。
✳️【元CIA工作員の書き込み】
「はじめに」で書いた「9.11真相究明国際会議inTOKYO」でおこなわれた立食形式の懇親会には、パロディで有名なマッド・アマノ氏も来ていた。アマノ氏は、最近公開された映画『ユナイテッド93』『ワールド・トレード・センター』を批判し、この会議に来た人々は真実を知っていると言い、映画を称賛した鳥越俊太郎氏に抗議するつもりだと述べ、拍手を浴びていた。
私はそのとき、新興宗教の集会とか霊感商法の物品即売会もこんな感じなのだろうと思った。『911ボーイングを捜せ』や『ルース・チェンジ』を見たところで真実がわかるわけもない。
「9.11真相究明国際会議」の帰り道、会場にいた人が私を追いかけてきて、なおも必死に陰謀論を私に説いた。そして、「あなたの言い分はミクシィで読めますか?」と聞いた。「私には、彼らの言い分は衝撃的に思えたのですが」と彼らは言った。
そこで、私は答えた。
「ミクシィなんかに頼っているようじゃ、ダメですよ」
この集会後、主催者のきくちゆみ氏のブログを見る機会があったが、それを読んで私は目が点になった。こう書いてあったからだ。
「ついに元CIAと海兵隊の諜報エージェントが『911事件は米政府の内部犯行である』と認めました。
これ、マスコミが取り上げないかしらね?(無理かな)」http://www.infowars.net/articles/October2006/231006Steele.htm
そこで、リンク先を見ると、それは「米アマゾンの911陰謀本の読者書評欄に、元CIA工作員が『ブッシュ政権の指揮の下、私はテロ工作をした』と書き込んでいた、とアメリカのサイトが報じた」というオハナシだった。 奥菜秀次〈陰謀論の罠〉より
✔️【逆デバンキング〈元CIA長官の告白〉】
元CIAの工作員(を名乗る人物)がアマゾンの読者書評欄に書き込んだというオハナシではなく、元CIAの長官が回想録の中で9.11が計画されていたことを告白している話をご存知でしょうか?
それは元CIAの長官、ジョージ・テネットの〈At the Center of the storm〉という回想録で、なんとその中に……
「イラクに侵攻することは石油地帯の支配を目的とする長年の計画に基づいて9.11の前に決められていた」
……といったことが書かれているそうです。
ちなみにワシントンポストがこの事実を報道したのは、皮肉なことに奥菜秀次の〈陰謀論の罠〉が出版された2007年4月30日の3日前のことでした……。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/4/27/AR2007042700550.htlm?nav=most_emailed
【9.11アメリカ同時多発テロ論争(vs奥菜秀次編)】終わり
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます