ストレスフルな内容で神戸に敗れ、上位争いに食らいつけず。
17位ながらも決して侮れない相手だというのも分かる。土曜のG大阪戦から中3日という状況もあった。とはいえ、G大阪、神戸と残留争いの真っ只中にいるチームを相手に、非常に体たらくな内容で関西アウェイ連戦を終えることになったFC東京。これでACL圏内の3位・広島までは勝ち点10差。得失点差を考えると、11以上の勝ち点を埋めなければならず、残り6試合では非常に厳しくなったと言わざるを得ない。
神戸は小林祐希が先発に入り、古巣対戦となる武藤嘉紀と前線を形成。右SBに飯野。FC東京は前節・G大阪戦で外れていたディエゴ・オリヴェイラ、紺野、松木、バングーナガンデが先発に復帰。アンカーの位置には塚川が入った。
序盤からFC東京は神戸の前からのプレスに窮屈そうに対応。疲労が抜けないのか、蒸し暑さなのか、とにかく全体的に動きが鈍く、反応や瞬時の判断が悪い。ビルドアップ時にボールを動かそうにも、次の動作への準備に遅れが出て、人が動いてボールを貰うという動作も少ないゆえ、高い位置で神戸にパスを奪われる、あるいは、苦し紛れのギャンブルパスがミスパスとなって攻撃を受けるという悪循環。芝への対応がなかなかアジャストできなかったのか、トラップが大きくなったところを神戸のプレスに狙われたり、サイドへボールを振ったところで次への一手を素早く打てないから、結局バックパスや横パスという選択を見越されて詰められるという、後手の展開。セーフティにクリアすべきところを距離感悪い中で無理に繋ごうとするあまり、味方同士が重なってボールロスト。ショートカウンターを受けたり、ゴール前で畳み掛けられた挙句、11分に山口のミドルで神戸に先制を許す。25分にはミスからの流れで与えたCKから、汰木のクロスを菊池が頭で決めて、神戸が追加点。FC東京はほとんど良さを出せないまま前半を終えた。
後半早々、FC東京は、少ない攻撃の糸口にはなっていたが、アタッキングサードから有効に攻められなかった紺野と、松木らとポジションが被ることが多く、あまり攻撃の推進力になり得なかった安部を、それぞれアダイウトンと東慶悟にスイッチ。ボールを奪取しに奮闘はしていたものの、松木、安部と同様に動き過ぎてしまったために、なかなかディエゴ・オリヴェイラにボールを供給出来ずにいた塚川をアンカーからインサイドハーフの位置に上げて、東をアンカーに置く。推進力を持つアダイウトンへボールを渡していくうちに、攻撃の形も次第に生まれ始め、少しずつ得点の匂いも感じ始めていた。ところが、好機となるも攻め上がりに時間をかけてしまったり、ミドルシュートが打てるタイミングでパスを回してしまうなど、シュートやゴールへの意識が希薄と思われても仕方ないパフォーマンスに終始。その後、ディエゴ・オリヴェイラ に代わって ルイス・フェリッピを、塚川に代わってレアンドロを入れ、アダイウトン。ルイス・フェリッピ、レアンドロと前線をブラジリアン3枚という超攻撃布陣を敷いたが、最終ラインや中盤から前線へ素早くボールが渡らないため、結局、神戸にしっかりと守備を固められてしまい、出しどころが見つけられず仕舞。パスコースを探そうとバックパスと横パスを繰り返していくうちに、神戸に押し上げられてパスミスし、主導権を引き戻すこともままならなかった。
76分にバングーナガンデを木村にスイッチし、木村、森重、木本の3バックへシステムを変更。アダイウトンがゴツゴツと神戸ディフェンスを切り裂こうとトライを重ね、右サイドの高い位置から長友が仕掛けてのクロスなどを重ねていくと、ようやく盛り返す流れとなり、90分にレアンドロがペナルティエリア手前中央で囲まれ、ボールコントロールを一瞬失うも、こぼれ球にいち早く反応してシュート。これがゴールに吸い込まれて、FC東京がようやく1点を返す。決して綺麗な形ではなかったが、とにかくゴールへ向かうという姿勢が得点に繋がったのだと思う。
アディショナルタイムは5分で、充分に同点に追いつくシナリオも予想出来たほど、攻撃の勢いも増しかけたが、手数と時間をかけるばかりでシュートへのチャレンジが見られず、無駄に時間を費やしてしまい、攻めきれないままタイムアップ。無得点で終わった前節・G大阪戦同様、ほぼ90分間消化不良のまま終えるという試合となってしまった。
バックパスをするなとは言わないが、主題が“パスを繋ぐ”ということに執着し過ぎているかのようで、全く攻撃のギアが上がらない。常に受け身で疑心暗鬼にボールを回しているから、相手にも容易に突かれてしまう。相手に詰められる前にスピードの速いパスでボールや相手も動かし、スペースやポケットに侵入していくことで推進力をもたらすところを、球離れが遅く、パスコースを切られ、縦パスを入れてもすぐにリターンパスで戻してしまう……ではリズムは生まれない。トラップも的確とはいえず、ワンタッチで動かすことも少なく、狭い地域で味方同士でポジションが被ってしまってボールコントロールが出来ずにボールを奪われ、一気にカウンターを喰らう流れでは、疲労ばかりが増すだけだ。
戦術を落とし込む初年で、さまざまなところでミスは生まれるとはいえ、ゴールを狙うためのチャレンジを怠ってはならない。多少綺麗な形でなくとも、相手陣内へ勢いよく圧をかける攻撃を重ねれば、自ずとゴールシーンも見えてくる。多少精度が覚束なくとも、まずはゴールへ向かうアダイウトンが相手から恐れられるのは、そういういつでもゴールを狙うスタンスにある。
またしても、下位に勝ち点を与えてしまう“いい人東京”を発動してしまった訳だが、次はホーム国立での京都戦。ここは是が非でも勝ち点3を奪取しなければならない。形や戦術も大切だが、ここで足踏み、ましてや連敗などは許されない。特殊効果花火や炎、演出照明による特別演出も行なわれ、当初予定していた1100発の花火も約1500発に増発するなど、今季最も力の入れたイヴェントとなっている。もちろんクリーンシートによる勝利が理想だが、ここはまず勝利が絶対条件。3点獲られても4点、4点獲られても5点を奪い切るような、攻めの姿勢を前面に表わす闘いをしてもらいたい。
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【明治安田生命J1リーグ 第26節】
2022年9月14日（水）19:03試合開始 ノエビアスタジアム神戸
入場者数 7,349人
天候 晴 ／ 気温 30.3℃ ／ 湿度 52％
主審 岡部拓人 ／ 副審 渡辺康太、木川田博信
第４の審判員 川崎秋仁
ＶＡＲ 福島孝一郎 ／ ＡＶＡＲ 聳城 巧
神 戸 2（2-0 / 0-1）1 FC東京
得点：
（神）山口 蛍（11分）、菊池流帆（25分）
（東）レアンドロ（90分）
〈試合経過〉
11分 得点 神戸 山口 蛍
25分 得点 神戸 菊池流帆
46分* 交代 東京 紺野和也 → アダイウトン ／ 安部柊斗 → 東 慶悟
54分 交代 神戸 佐々木大樹 → 山川哲史
55分 警告 東京 バングーナガンデ佳史扶
66分 交代 東京 ディエゴ・オリヴェイラ → ルイス・フェリッピ ／ 塚川孝輝 → レアンドロ
71分 交代 神戸 マテウス・トゥーレル → 小林友希 ／ 小林祐希 → 郷家友太
75分 警告 東京 森重真人
76分 交代 神戸 飯野七聖 → 初瀬 亮 ／ 武藤嘉紀 → 藤本憲明
76分 交代 東京 バングーナガンデ佳史扶 → 木村誠二
90分 得点 東京 レアンドロ
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【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
ＧＫ 24 ヤクブ・スウォビィク
ＤＦ 05 長友佑都
ＤＦ 30 木本恭生
ＤＦ 03 森重真人
ＤＦ 49 バングーナガンデ佳史扶 → 木村誠二（76分）
ＭＦ 35 塚川孝輝 → レアンドロ（66分）
ＭＦ 31 安部柊斗 → 東 慶悟（46分*）
ＭＦ 44 松木玖生
ＦＷ 23 渡邊凌磨
ＦＷ 09 ディエゴ・オリヴェイラ → ルイス・フェリッピ（66分）
ＦＷ 17 紺野和也 → アダイウトン（46分*）
≪サブスティテューション≫
ＧＫ 13 波多野豪
ＤＦ 37 中村帆高
ＤＦ 47 木村誠二
ＭＦ 10 東 慶悟
ＦＷ 15 アダイウトン
ＦＷ 20 レアンドロ
ＦＷ 22 ルイス・フェリッピ
≪監督≫
アルベル
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【FC東京 2022シーズンスケジュール・J1リーグ】
第01節 02月18日(金)19:00 ✕FC東京 0-1 川 崎（Ａ・等々力）
第02節 02月26日(土)15:00 FC東京✕名古屋（Ｈ・味スタ） ※中止
第03節 03月06日(日)16:00 〇FC東京 1-0 Ｃ大阪（Ａ・ヨドコウ）
第04節 03月12日(土)15:00 〇FC東京 2-1 広 島（Ｈ・味スタ）
第05節 03月19日(土)14:00 〇FC東京 1-0 京 都（Ａ・サンガＳ）
第06節 04月02日(土)19:00 ✕FC東京 1-2 横浜FM（Ａ・日産ス）
第07節 04月06日(水)19:00 〇FC東京 3-1 神 戸（Ｈ・味スタ）
第08節 04月10日(日)14:00 △FC東京 0-0 浦 和（Ｈ・味スタ）
第09節 04月16日(土)13:00 △FC東京 0-0 札 幌（Ａ・札幌ド）
第02節 04月20日(水)19:00 △FC東京 0-0 名古屋（Ｈ・味スタ）※代替
第10節 04月29日(金)19:00 〇FC東京 2-0 Ｇ大阪（Ｈ・国 立）
第11節 05月03日(火)17:00 ✕FC東京 1-5 福 岡（Ａ・ベススタ）
第12節 05月08日(日)15:00 ✕FC東京 0-1 鳥 栖（Ｈ・味スタ）
第13節 05月14日(土)14:00 ✕FC東京 1-2 磐 田（Ａ・ヤマハ）
第14節 05月21日(土)15:00 △FC東京 0-0 柏 （Ｈ・味スタ）
第15節 05月25日(水)19:00 〇FC東京 3-0 清 水（Ａ・アイスタ）
第16節 05月29日(日)15:00 〇FC東京 3-1 鹿 島（Ｈ・味スタ）
第17節 06月18日(土)18:00 ✕FC東京 0-2 湘 南（Ａ・レモンＳ）
第18節 06月26日(日)19:00 ✕FC東京 0-5 鳥 栖（Ａ・駅スタ）
第19節 07月02日(土)18:00 △FC東京 2-2 福 岡（Ｈ・味スタ）
第20節 07月06日(水)19:00 〇FC東京 3-0 札 幌（Ｈ・味スタ）
第21節 07月10日(日)19:00 ✕FC東京 0-3 浦 和（Ａ・埼 玉）
第22節 07月17日(日)18:00 〇FC東京 2-0 磐 田（Ｈ・味スタ）
第23節 07月30日(土)19:00 〇FC東京 2-1 広 島（Ａ・Ｅスタ）
第24節 08月07日(日)18:00 ✕FC東京 0-2 清 水（Ｈ・味スタ）
第25節 08月13日(土)19:00 FC東京✕Ｃ大阪（Ｈ・味スタ）※延期
第27節 08月27日(土)19:00 〇FC東京 6-3 柏 （Ａ・三協Ｆ柏）
第28節 09月03日(土)19:00 △FC東京 2-2 横浜FM（Ｈ・味スタ）
第29節 09月10日(土)19:00 △FC東京 0-0 Ｇ大阪（Ａ・パナスタ）
第26節 09月14日(水)19:00 ✕FC東京 1-2 神 戸（Ａ・ノエスタ）
第30節 09月18日(日)19:00 FC東京✕京 都（Ｈ・国 立）
第31節 10月01日(土)15:00 FC東京✕鹿 島（Ａ・カシマ）
第32節 10月08日(土)15:00 FC東京✕湘 南（Ｈ・味スタ）
第25節 10月12日(水)19:00 FC東京✕Ｃ大阪（Ｈ・味スタ）※代替
第33節 10月29日(土)15:00 FC東京✕名古屋（Ａ・豊田ス）
第34節 11月05日(土)14:00 FC東京✕川 崎（Ｈ・味スタ）
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