ウェリントンの一発に屈してFC東京今季ルヴァン初黒星。連覇へ黄信号。
71分 ウェリントンのゴールで湘南が先制
ルヴァンカップBグループ首位通過のFC東京とCグループ2位の湘南とのルヴァンカップ・プレーオフステージ1stレグは、湘南がウェリントンのヘディング一発で勝利。6月13日(日)に湘南のホーム・レモンガススタジアムでのプレーオフステージ2ndレグへ弾みをつけた。
代表招集で小川や田川が不在のなか、左SBにバングーナガンデ佳史扶、右SBに明治大在学中のJFA・Jリーグ特別指定選手でFC東京ユース出身、来季の加入が内定している岡庭を配した。一方、ウィークデーにJ1リーグ・G大阪戦を戦い、中2日となった湘南は、GK・富居以外を入れ替えてのターンオーヴァー。だが、この富居が“当たっていた”。
シュートはFC東京の14本に対して、湘南は6本。前半の半ば以降はFC東京がシュートシーンを重ね、アダイウトン、ディエゴ・オリヴェイラ、三田、後半には57分に投入されたレアンドロが惜しいチャンスを演出するも、シュートを決め切れない。すると、58分にピッチへ入った湘南のウェリントンが“仕事”を果たす。湘南は、後半頭から出場した平岡が右から持ち上がった際に安部柊斗に阻まれるも、右の同じく後半開始から投入された岡本へパス。安部柊斗が平岡に寄せたことでフリーになっていた岡本が、眼前のバングーナガンデがプレスを掛けないのを見るやクロス。つき切れなかった渡辺剛を尻目に、ウェリントンが高い打点でのヘディングでネットを揺らし、湘南が先制した。
得点を奪いたいFC東京は、東、永井をピッチに送り出すと、レアンドロとのワンツーで抜け出したバングーナガンデのクロスに東が頭から飛び込むも僅かに枠の左へ。さらには渡辺剛をブルーノ・ウヴィニへ、岡庭を中村拓海へとチェンジ。攻撃の交代を重ねるのではなく、ディフェンス陣を最後の交代カードとして用いて“跳ね返し”に期待したものの、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、永井がシュートを繰り出すも、GK・冨居の好セーヴやDF陣のブロックでゴールを割らせない。
終盤は湘南も疲労が窺え、互いにオープンな展開となったが、最後まで湘南が虎の子の1点を守り切り、プライムステージへ半歩近づいた。
FC東京は、湘南相手だからなのか、立て直しの途上なのか、あと1つタイミング球離れが早ければすんなり渡っていたパスがことごとくハードな湘南のプレスやブロックに阻まれていた。やや持ち過ぎという感にも見えるが、実態は周囲の動き出しが遅れ、ボールを持たざるを得ないということなんだろう。ディエゴ・オリヴェイラが奮闘するあまりに、かえって目立ってしまっていた。
それ以上に課題を露呈したのが、左SBのバングーナガンデとCBの渡辺剛のパフォーマンスか。バングーナガンデはレアンドロとのワンツーなどでいいクロスも供給しているが、守備面やビルドアップに加わるところであまり良さが発揮されず。ウェリントンに付き切れなかった渡辺剛も、やや自信を失っているかのように、一時期のハイパフォーマンスが影を潜めている感がある。
また、岡庭に代わって途中出場した中村拓海も、まだプレーに安定性がない状態。焦りからかフリーのクロスや攻撃時の縦パスなど攻撃でも精彩を欠いた。
チャンスは多く試合を有利に進めていたが、湘南の飛び道具の一発に偶発的にやられたと考えるのか、攻守の不安定から失点を許してしまったと考えるか、さまざまアプローチはあろうが、FC東京にとってはプライムステージへ向けての45分を1失点で凌いだとして、あまりネガティヴな思考に陥らない方がいい。
とはいえ、残りの45分は引き分けでは先へ進めないので、まずは先制点を奪いに行くことが最重要となる。湘南も選手を大きく変更して待ち構えると考えられるが、FC東京が先制点を挙げれば、トータルでイーヴンに。その勢いのまま一気に押し込める“ギア”を上げるきっかけにもなるはずだ。
ミッドウィークに天皇杯を挟むが、天皇杯での勝利し、その勢いをもって元来相性の良い湘南(通算成績13勝4分4敗)を下して、次のステップへ上がりたい。
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【JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ 第1戦】
2021年6月5日(土)14:03試合開始 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
入場者数 4,284人
天候 晴のち曇 / 気温 25.0℃ / 湿度 54%
主審 清水勇人 / 副審 大川直也、岩崎創一
第4の審判員 田中玲匡
FC東京 0(0-0 / 0-1)1 湘 南
得点:
(東)
(湘)ウェリントン(71分)
【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 13 波多野豪
DF 39 岡庭愁人 → 中村拓海(77分)
DF 04 渡辺 剛 → ブルーノ・ウヴィニ(77分)
DF 03 森重真人
DF 49 バングーナガンデ佳史扶
MF 07 三田啓貴 → 東 慶悟(70分)
MF 31 安部柊斗
MF 21 青木拓矢
MF 15 アダイウトン → 永井謙佑(70分)
MF 08 高萩洋次郎 → レアンドロ(57分)
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
≪サブスティテューション≫
GK 01 児玉 剛
DF 22 中村拓海
DF 05 ブルーノ・ウヴィニ
MF 10 東 慶悟
MF 18 品田愛斗
FW 11 永井謙佑
FW 20 レアンドロ
≪監督≫
長谷川健太
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【2021 Jリーグ YBCルヴァンカップ Bグループ順位表】
1位 FC東京 12/6/3/3/0/6/2/+4
2位 神 戸 08/6/2/2/2/6/4/+2
3位 大 分 06/6/1/3/2/4/6/-2
4位 徳 島 05/6/1/2/3/3/7/-4
※(順位/チーム/勝点/試合/勝/分/敗/得点/失点/得失点差)
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【2021 JリーグYBCルヴァンカップ FC東京 試合日程】
〈グループステージ・グループG〉
第01節 03月03日(水)19:00〇FC東京 1-0 徳 島(H・味スタ)
第02節 03月28日(日)14:00〇FC東京 2-0 神 戸(H・味スタ)
第03節 04月21日(水)19:00〇FC東京 1-0 大 分(A・昭和電ド)
第04節 04月28日(水)19:00△FC東京 1-1 徳 島(A・鳴門大塚)
第05節 05月05日(水)15:00△FC東京 0-0 神 戸(A・ノエスタ)
第06節 05月19日(水)19:00△FC東京 1-1 大 分(H・味スタ)
〈プレーオフステージ〉
第1戦 06月05日(土)14:00✕FC東京 0-1 湘 南(H・駒 沢)
第2戦 06月13日(日)17:00 FC東京 vs 湘 南(A・レモンS)
〈プライムステージ〉
準々決勝 第1戦 09月01日(水)
準々決勝 第2戦 09月05日(日)
準決勝 第1戦 10月06日(水)
準決勝 第2戦 10月10日(日)
決 勝 10月30日(土)
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