空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

安藤美姫へ、語り尽くせない愛を込めて。

2013-12-26 19:41:43 | フィギュアスケート
彼女の今シーズンの挑戦が終わったら、書こうと決めていました。

途中経過で書きたいこともたくさんあったんですが、全部終わってからまとめて、にしようと。
きりがないので(笑)(そのかわりTwitterでは喧しかったと思います…)

こんなに長く好きでいた選手は初めてで。
だからこそ、絶対、語り尽くせないことはわかっている。
しかも、このブログでも何度となく語ってきたし。

それでも、最後だから、言わずにはいられない。

スケーター・安藤美姫が大好きだ。
彼女を好きでいて、良かった。


最後の試合を終えて、「残念」とか「無念」とか言うと違うんだけど、
「心残り」というか「念」が残っていることは否定できない。
もっともっと見たかった、とか、これ来季まで続けたら物凄いことになるのでは? とか。
ファンって欲深いものだから。

でも、彼女の笑顔と、彼女の涙を見たら、
「お疲れ様」と「ありがとう」しか出てこない。

そう、一番伝えたいのは、やはり、「ありがとう」。ベタでもね。

最後の舞台で、「きれいにまとめるよりも」(by本人)、
ダメ元でもセカンドループの3-3を跳ぼうと思っちゃうのが、
安藤美姫の安藤美姫たる所以なのだろう(苦笑)
私は「ジャンプの安藤」以外の面も大好きなんだけど、それでも、
彼女の高難度ジャンプへの執着をも愛してきたから、そこもひっくるめて
「ああ、美姫ちゃんってそうだよね」と泣き笑いしてしまう。

ちなみに今回の全日本は泊まりの仕事と重なってしまったために
競技の放送は帰宅後、録画でようやく見られました。
当日見られたのは深夜の「すぽると!」だけ。それも消音状態。
音を消して、字幕と表情だけを見て、…号泣しました。
ちなみにSPのMy Wayも、がっつり泣いてます。

来季以降、安藤美姫がいなくなってしまったフィギュアスケート界で、
また同じくらい好きになる選手が現れるのか、それともまったり見ることになるのか
(でも8年前、荒川静香引退後にもそんなことを考えて、わりとすぐに安藤に落ちたからなあ…)
今はまだわからない。


彼女のいない2シーズンは、正直、そこまで身が入りませんでした。
見てたけど。感動して泣いた試合も一つや二つじゃないけど。
全然情報が入ってこないので、あのモスクワワールドが最後の試合だったんだろうか、
まあ最後の大舞台が世界選手権優勝ってのも仕方がないか、などと自分を慰めつつ、
この五輪シーズンの情報を待っていました。

競技復帰、と聞いたときは嬉しかったし、
でもAOIでジャンプ無し構成で結構体も重そうだったとか(見に行った人談)
DOIで3サルコウが決まって周りが歓喜していたとか(一番得意なジャンプなのに)
そういう断片的な情報だけだと、逆に不安が募っていっていたのです。
彼女にふさわしい結果が伴わなかったらどうしよう、と。
余計なお世話なのですが。

件のテレビインタビューは「たまたま」放送を見ていて
(というか、「やってるよ」と家族に教えてもらって)
あまりの衝撃に言葉を失いました。
事実もだし、「そんな短期間で、この程度の違和感で済んでいたのか!?」というのも。
(逆に、様々な違和感の正体は一気に腑に落ちたのですが。)

そこで、こちらとしては吹っ切れました(笑)
出産して、それでも競技に戻る決断をしてくれたのなら、ファンとしては応援するだけ。
どんな結果で終わろうとも(これは全く予想がつかなかった)、見届けるのみ、と。

その後も、芸能ニュースを見てしまって憤りと悲しさだけを感じたり、
試合がある度に一喜一憂したりしましたが、
東日本選手権が終わった頃には変な欲が消えました。
全日本の出場が決まって、「最後の晴れ舞台」は用意された。
その先に、奇跡の五輪出場があっても、全日本が最後になっても、思い残すことはもう無い、と。
彼女の言葉を見て聞いて、彼女の演技を(断片的にでも)見れば、
どれだけ凄まじいことをやってのけているのかはわかる。
凄まじすぎて、どんな結果がふさわしいのかさえ、わからない。
何だか普通に五輪代表候補の一人として語ってしまっているけど、まだ産後8ヶ月だよ!?と。

全日本のショートプログラムは本当に素晴らしかったし、
フリーでは存分に「安藤らしさ」を見せてくれた。
続けてくれて本当に良かった。

十代の頃公言していたように、トリノで引退してしまっていたら、
あの大バッシングで心が折れて復帰できずにいたら、
私は安藤美姫を好きになることはなかった。

途中棄権したヨーテボリを最後にしてしまっていたら、
翌年の「チェアマンズ・ワルツ」や「オルガン」を見ることはできなかった。
「オリンピック」の印象も辛いもののままだった。

バンクーバーシーズンで終わっていたら、
翌年の安藤美姫の「完成形」を見ることはできなかった。
あの「ミッション」、あの「レクイエム」に出会うことはできなかった。

あの、優勝したワールドで引退していたら、今季の彼女に出会うことはなかった。
「母としての挑戦」という、前人未踏の姿を見ることはできなかった。

世界選手権優勝2回。
間違いなく、「世界一」のスケーターだ。
誰かと比べてではなく、誰とも並べて語ることのできない、強烈な個性の持ち主。
稀代のジャンパー。憑依型の表現者。
その「あぶなっかしさ」(演技も言動も)も含めて、愛してきた。
でも、彼女の生き様も、彼女のスケートも、いつだって私の想像を遙かに超えていく。
そのスケールこそを、私は愛したのかもしれない。
凄い「物語」を、見せてもらえた。
その完結にリアルタイムで立ち会えたことは、本当に幸せ。

だから、何度でも繰り返す。
感動を、ありがとう。
いつかどこかで躊躇したとき、私は彼女の挑戦を思い出すのかもしれない。
自分が好きなこと、好きなもの、愛する相手。
とことんそれにこだわり続ける、真の強さと、勇気を。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (まるさん)
2014-01-14 16:40:00
 初めまして。とても素敵な美姫ちゃんへの記事ありがとうございます。
 私も長く、美姫ちゃんの演技を見て来て、はらはらしつつファンを続け、彼女がリンクを去った今は、もうフィギュアも余り見たくないというか興味がないなあという感じです。
 不思議な魅力ですよね。強さと繊細さの共存。そうした所が無かったら興味は惹かれなかったかもしれませんね。彼女が最強のスケーターの一人であった事も異存はありません。
 彼女が復帰したも物議はかもしましたが、立派な挑戦でした。今後は第二の人生をお嬢さんと共に楽しく臨んで欲しいと思います。
 今でも時々、去年の全日本のSPを見て感動しています。もうこの演技は見られない。寂しいです。
 ソチ五輪も何となく気が抜けた様で結果だけ、という訳にはいかないので何となく見てしまうでしょうが。
 長々と失礼しました。
 また、お邪魔する事もあるかもしれません。
 ありがとうございました。
返信する
コメントありがとうございます。 (Julie)
2014-01-14 21:04:35
>まるさん

初めまして!
コメントくださりありがとうございます。
特に安藤美姫選手に関しては一人でひっそりと応援していただけですので、同じファンの方から同意いただけたのがとっても嬉しかったです。

挑戦をやり遂げた彼女を凄いと思いつつ、やっぱり寂しいですよね。
私もすっかり気が抜けてしまって、全米もカナダも気が付いたら終わってしまっていた、という感じです。
暫くスケート関係の記事は書かないかもしれませんし、五輪が終わった頃にまた長々と書いているかもしれません(汗)
プロとしてかコーチとしてか、またスケートに関わっている彼女を見ることができればと思いますが、今はただ、幸せになってもらいたいですね。
こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました。
返信する

コメントを投稿