じゅうのblog

こちらでボチボチ更新していく予定です。

『殺すな』 2021年

2023年05月05日 21時47分46秒 | ■映画・ドラマ
著者 :
Happinet
発売日 : 2022-12-02
BSフジで放映していた『殺すな /2021』を観ました。

-----story-------------
裏店の長屋で筆づくりの内職をして糊口をしのぐ浪人・小谷善左エ門(中村梅雀)は、同じ長屋に住む船頭の吉蔵(柄本佑)から、一緒に暮らすお峯(安藤サクラ)の様子を見張るように頼まれていた。
元は船宿の女将と抱え船頭だった2人は、密通のうえ駆け落ちしてここで隠れるように暮らし始めたものの、やがてお峯は退屈な日々に虚しさを感じ始める。
気晴らしのため川向こうへと架かる橋を渡ってみたい…との思いに駆られるお峯と、居場所が露見することを危惧して「橋を渡るな」と厳命する吉蔵。
すきま風が吹き始めた2人の様子を、善左エ門はかつての自分と、自らの手に掛けてしまった妻の姿に重ねあわせて見守っていたのだが…。
覚悟を決めたお峯、暴走する吉蔵、心の叫びを上げる善左エ門。
橋の袂で3人の切ない思いが交錯する。
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「藤沢周平」の連作短篇集『橋ものがたり』から3編をドラマ化する企画『藤沢周平 新ドラマシリーズ 第二弾 橋ものがたり』を手掛けた製作陣が、同じ短篇集に収録されている『殺すな』を映像化した作品です、、、

かつて妻を手にかけたことを悔いる浪人と、同じ長屋に住む訳ありの若い男女が織りなす人間模様が情感豊かに綴られていましたね。

駆け落ちして世間から隠れて楽しく暮らしていた二人だったが、元来派手な生活が好きなお峯は退屈な生活に飽きてくる… お峯は駆け落ちを後悔し、家に戻りたがっているんじゃないだろうかと、吉蔵は疑心暗鬼に、、、

同じ長屋に筆を作っている浪人・小谷善左エ衛門が住んでおり、吉蔵はお峯にその仕事を手伝わせ、善左エ衛門にそれとなく様子を見させていた… しかし、ある日、二人の所在を知った船宿がお峯を連れ返そうとやってきた。

吉蔵は、お峰が船宿に戻るくらいなら殺してやると思いうが… 過去に不義の疑義があった妻を自らの手に掛けてしまい、そのことを悔やむ左エ衛門が「殺すな」と吉蔵を諭し、吉蔵は気持ちを覆す……。

憎しみか、愛か… 時代を超えて現代にも通じるテーマでしたね、、、

3人の男女の切なくも温かい想いが描かれていましたが、中村梅雀、柄本佑、安藤サクラというキャストも良くてピッタリでした… 連作短篇集『橋ものがたり』は名作揃いなので、他の作品も映像化してほしいですね。

-----staff/cast-------------
監督:井上昭
エグゼクティブプロデューサー:宮川朋之
原作:藤沢周平
   『殺すな』(新潮文庫/実業之日本社『橋ものがたり』所収)
脚本:中村努
音楽:遠藤浩二
出演:
 中村梅雀 小谷善左エ門
 柄本佑 吉蔵
 中村玉緒 (特別出演) おはな
 本田博太郎 利兵衛
 安藤サクラ お峯
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『白鯨』 1956年

2023年04月16日 18時51分56秒 | ■映画・ドラマ
著者 :
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日 :
BS12で放映していた『白鯨(原題:Moby Dick)/1956』を観ました。

-----story-------------
メルヴィルの同名小説の、「海の野獣」(25)、「海の巨人」(30)に続く3度目の映画化。
SF作家のR・ブラッドベリと共にJ・ヒューストンが脚色、製作・監督にあたった渾身の一作。

1841年、マサチューセッツ州ニューベドフォード。
イシュメイル(R・ベースハート)は安宿で知り合った銛打ちと意気投合し、老朽の捕鯨船ピークォッド号に乗り込む。
その船の船長エイハブはかつて“白鯨”と呼ばれる巨大なクジラに片足を喰いちぎられており、その復讐に燃えている。この航海の目的もそれで、今度こそ“白鯨”の息の根を止めるつもりのエイハブの目には既に狂気に似たものがあった。
“白鯨”を倒す執念に憑かれたエイハブの凶行は、次第に船員たちの命までも危険に晒していく……。

“狩りに憑かれた男”エイハブの描写は、今となってはそのまま、J・ヒューストンその人をモデルとしたイーストウッドの「ホワイトハンター ブラックハート」のイメージともダブろうか。
海上での自然との格闘シーンにおけるダイナミズムは、いよいよ登場した“白鯨”との戦いでもテンションが落ちず、現在では多少稚拙に見えるかもしれない特殊効果(ミニチュア・ワーク)を補って余りある。
一般的にはミス・キャストと言われるG・ペックは、イメージ・チェンジの枠を超えて鬼気迫る芝居を見せており、悪くはない。
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“モビー・ディック”と呼ばれる凶暴な白鯨と、片足を食いちぎられた過去を持つ復讐に憑りつかれた男との死闘を描く海洋スペクタクルです… 30年振りくらいに観ましたねー 雰囲気が大好きな作品です。

1814年、マサチューセッツ州ニューベッドフォードを1隻の捕鯨船が出帆した… 甲板には顔面に深い傷を持ち、鯨の骨で作った義足を不気味に響かせる男、エーハブ船長(グレゴリー・ペック)がいた、、、

彼は“モビー・ディック”と呼ばれる巨大な白鯨に片足をもぎ取られて以来、復讐のみに生きてきたのだ… 海から海へ長い航海の果てに、ついにその姿を現す白鯨。

だがヤツは乗組員たちが次々と打ち込むモリにビクともしない… エーハブは白鯨によじ登り、その背中に復讐のモリを突き立てるが…… 。

捕鯨船(帆船)による海洋冒険… というテーマが、まずワクワクしちゃうんですよねー 子どもの頃に大好きだった『宝島』のイメージが強く残っている影響かも、、、

ミニチュアを使った特殊撮影は、CGを駆使した作品には見劣りするものの、撮影された当時としては十分なクオリティじゃないかと思うし、逆にロマンを感じますねー エイハブ船長の狂気を描くにはグレゴリー・ペックが最適ではなかったかもしれませんが、個人的には許容範囲です… 愉しめました。

-----staff/cast-------------
監督:ジョン・ヒューストン
製作:ジョン・ヒューストン
原作:ハーマン・メルヴィル
脚本:レイ・ブラッドベリ
   ジョン・ヒューストン
撮影:オズワルド・モリス
音楽:フィリップ・サントン
出演:
 グレゴリー・ペック
 レオ・ゲン
 リチャード・ベースハート
 オーソン・ウェルズ
 ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス
 ハリー・アンドリュース
 バーナード・マイルズ
 マーヴィン・ジョーンズ
 ローヤル・ダーノ
 フランシス・デ・ウルフ
 フレデリック・レデブール
 フィリップ・ステイントン
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『大河への道』 2022年

2023年03月31日 21時54分35秒 | ■映画・ドラマ
嫁さんがレンタルしていた『大河への道 /2022』を観ました。

-----story-------------
人気落語家・立川志の輔による新作落語の名作を中井貴一主演で映画化したコメディ・ドラマ。
ひょんなことから郷土の偉人・伊能忠敬の大河ドラマ化プロジェクトを任された市職員が、地図完成前に伊能は亡くなっていたという事実に翻弄されながらも大河ドラマの実現に奮闘していくさまを、豪華キャスト陣が江戸と令和それぞれの時代を一人二役で演じつつ、日本初の実測地図誕生の裏に隠された驚きと感動の秘話とともにユーモラスに描き出す。
共演は松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、西村まさ彦、平田満、草刈正雄、橋爪功。監督は「青い鳥」「花のあと」の中西健二。

千葉県香取市。
市役所に勤める池本保治は、観光振興策の検討会議で意見を求められ、苦し紛れに地元の英雄・伊能忠敬を主人公にした大河ドラマの制作を提案したところ、思いがけずその案が通ってしまう。
ひょんな成り行きからドラマ化実現のプロジェクトリーダーに据えられてしまった池本は、お調子者の部下・木下とともに企画を進めていくことに。
ところがやがて、伊能忠敬は日本地図が完成する3年前に亡くなっていたという思いもよらぬ事実が明らかとなる。
しかもその死は、地図が完成するまで3年間も伏せられていたという。
そしてその裏では、師である伊能忠敬の志を継ぐ弟子たちの熱い想いと、天文方を取り仕切る高橋景保の協力で実行された前代未聞の隠密作戦が繰り広げられていたのだったが…。
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「日本地図を作ったのは実は伊能忠敬ではない」という噂に右往左往する大河ドラマ制作陣の姿と、その伊能忠敬による日本地図完成を巡る秘話を交差させながら描かれる物語です。

千葉県香取市。市役所の総務課に勤める池本保治(中井貴⼀)は、市の観光振興策を検討する会議で意見を求められ、苦し紛れに⼤河ドラマ制作を提案… 思いがけずそれが通り、郷土の偉人、伊能忠敬を主人公とする大河ドラマの企画が立ち上がってしまう、、、

ところが企画を進めるうちに、⽇本地図を完成させたのは伊能忠敬ではなかった!? 彼は地図完成の3年前に亡くなっていた! という驚きの事実が明らかに… 江戸と令和、2つの時代を舞台に明かされていく⽇本初の全国地図誕生秘話。

そこには地図を完成させるため、伊能忠敬の弟子たちが命を懸けて取り組んだとんでもない隠密作戦があった――。

17年をかけて日本全国を測量し、『大日本沿海輿地全図』を完成させ、国土の正確な姿を明らかにした伊能忠敬という人物に興味があったので観たくなった作品… 事実がどうだったかはともかく、コメディ映画として愉しめる作品でした、、、

現代と江戸時代の2つの時代が同じキャストを使って巧く描いてありましたねー どこまで正確に再現されているのかわかりませんが、終盤、11代将軍・徳川家斉に披露される日本の地図は圧巻でした… この時代に、あれだけの地図を作るなんて、想像を絶することですねー 伊能忠敬のことをもっと知りたくなりました。


-----staff/cast-------------
監督:中西健二
原作:立川志の輔
漫画:柴崎侑弘
脚本:森下佳子
音楽:安川午朗
主題歌:玉置浩二
     『星路(みち)』
出演:
 中井貴一 池本保治/高橋景保
 松山ケンイチ 木下浩章/又吉
 北川景子 小林永美/エイ
 岸井ゆきの 安野富海/トヨ
 和田正人 各務修/修武格之進
 田中美央 吉山朗/吉之助
 溝口琢矢 山本友輔/友蔵
 立川志の輔 梅さん/梅安
 西村まさ彦 山神三太郎/神田三郎
 平田満 和田善久/綿貫善右衛門
 草刈正雄 千葉県知事/徳川家斉
 橋爪功 加藤浩造/源空時和尚
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『大誘拐 RAINBOW KIDS』 1991年

2023年03月28日 21時19分43秒 | ■映画・ドラマ
BS松竹東急で放映していた『大誘拐 RAINBOW KIDS/1991』を観ました。

-----story-------------
「独立愚連隊」「ジャズ大名」の岡本喜八監督が、3人組の若者に誘拐された老女が、それを逆手に若者たちを手玉にとって事件に関わる人々を翻弄するさまを描いた痛快コメディ。
ある夏の日。大富豪の老女が3人の若者グループによって誘拐される。
誘拐の報に、老女を生涯最大の恩人と慕う凄腕の警部が捜査に乗り出す。
一方、誘拐犯が要求しようとしていた身代金が5千万と知った老女は激昂、百億にしろと言い放ち、3人を従え、自ら身代金強奪の指揮をとり始める……。
主演の北林谷栄が快活で人間味あふれる老女を好演、この年の映画賞を総ナメした。
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鬼才・岡本喜八が日本推理作家協会賞を受賞した天藤真の小説を映画化した痛快犯罪コメディ作品… 先月、原作を読んで映画の方も観たいと思っていたのでタイミングが良かったですね。

刑務所を出所したばかりの正義と平太、健次の三人組の若者は、紀州一の大金持ち、柳川とし子刀自を誘拐… しかし、彼らが身代金を5000万円と考えていることに憤った刀自は、何と100億円を要求するよう命令、、、

かくして誘拐犯と人質の関係は逆転し、おばあちゃんvs.猪狩ら和歌山県警との壮大なる駆け引きが始まった! 世界が注目する身代金受け渡しだが、そこには刀自のしたたかな計算が隠されていた。

原作にほぼ忠実に老婆誘拐事件の全貌がコメディ・タッチで描かれていました… いやぁー面白かった! 原作も良いのですが、映画の方も良かったですねー 

何と言っても、誘拐される柳川とし子刀自を演じた北林谷栄の巧みな演技が素晴らしかった! 原作のイメージそのままで、本作品を支えている感じですね… 誘拐する立場だった青年3人が、いつの間にか彼女の指示に忠実に行動するあたりのおかしさや、老婆の知略に翻弄される警察側もユーモラスでいい味を出していましたね。

そんな中でも印象的だったのはエンディング… 柳川とし子刀自と和歌山県警の井狩大五郎が正面切って対峙しあう様を描いた数分間は、穏やかな雰囲気の中でお互いのせめぎ合いを感じさせる見事な幕切れで良かった、、、

斬新かつ奇抜でスケールの大きな事件、予想もつかない展開、存在感のあるキャラクター、洗練された文体とテンポの良い話運び、ユーモア精神あふれる雰囲気、そして意外な結末と真相… 原作に負けず劣らずの名作でしたね。

-----staff/cast-------------
監督:岡本喜八
製作:岡本よね子
   田中義巳
   安藤甫
プロデューサー:森知貴秀
        水野洋介
原作:天藤真
   「大誘拐」
脚本:岡本喜八
撮影:岸本正広
美術:西岡善信
   加門良一
編集:鈴木晄
   川島章正
音楽:佐藤勝
ナレーター:寺田農
出演:
 北林谷栄 柳川とし子刀自
 風間トオル 戸並健次(雷)
 内田勝康 秋葉正義(風)
 西川弘志 三宅平太(雨)
 緒形拳 井狩大五郎
 神山繁 柳川国二郎
 水野久美 柳川可奈子
 岸部一徳 柳川大作
 田村奈巳 柳川英子
 松永麗子 吉村紀美
 岡本真実 邦子
 奥村公延 安西
 天本英世 串田老人
 本田博太郎 高野
 竜雷太 佐久間
 嶋田久作 「東京」
 常田富士男 古参刑事
 橋本功 鎌田
 樹木希林 中村くら
 松澤一之 長沼チーフアナ
 藤木悠 和歌山放送社長
 上田耕一 WTV報道局長
 中谷一郎 WTV社長
 山本廉 警官
 大木正司 警官
特別出演
 山藤章二
 景山民夫
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『刑事コロンボ/奪われた旋律』 2000年

2023年03月27日 21時12分37秒 | ■映画・ドラマ
NHK-BSプレミアムで放映していた『刑事コロンボ/奪われた旋律(原題:COLUMBO: Caution : Murder With Too Many Notes)/2000』を観ました。

-----story-------------
何度見ても新しい!
ミステリードラマの金字塔。
サスペンス映画の大物作曲家による弟子殺害事件。
前作に続きP・マクグーハンは共同製作総指揮と演出、さらに脚本も手がける

サスペンス映画音楽の巨匠として知られるフィンドレー・クロフォード。
彼は弟子のガブリエルをゴーストライターとして使っていた。
いつまでも自分の名前が表に出ないことを不満に思ったガブリエルから全てを暴露すると脅され、クロフォードは殺害を決意。
ガブリエルを睡眠薬で眠らせた後、彼がいつも指揮の練習をしていたビルの屋上から転落死したように見せかける。
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刑事コロンボシリーズの第68話にあたる作品です。

サスペンス映画音楽の巨匠フィンドレー・クロフォード(ビリー・コノリー)が弟子のガブリエルを殺害… ガブリエルはクロフォードの弟子だが、実際にはクロフォード名義の作品のゴーストライターで、彼が師匠に愛想をつかし、反逆しそうになったので犯行に及んだ……。

コロンボが、被害者の手に残っていた傷や履いていた靴、無くなった指揮棒等から真相を推理する展開は愉しめましたが、、、

序盤の事件が発生するまでの件が長く、終盤は状況証拠と動機だけで犯人を自供に追い込んじゃいましたからねー 犯人もジタバタすることなく「音楽クラブのある刑務所があったら紹介してくれ」と犯行を認め、逮捕するという展開なので、あっさりし過ぎている印象が強く、やや物足りなさを感じましたね… 犯人がもっと粘り、それをコロンボが徐々に追い詰めていく展開の方が好みですね。

-----staff/cast-------------
監督:パトリック・マクグーハン
製作総指揮:パトリック・マクグーハン
原案:ジェフリー・カーヴァ
脚本:ジェフリー・カーヴァ
   パトリック・マクグーハン
出演:
 ピーター・フォーク
 ビリー・コノリー
 ヒラリー・ダナー
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『吹く風は秋』 2017年

2023年03月17日 17時49分34秒 | ■映画・ドラマ
著者 :
ポニーキャニオン
発売日 :
BSフジで放映していた『吹く風は秋』を観ました。

-----story-------------
最後くらい 綺麗な博打がしたくてな。

≪藤沢周平が残した数多くの時代小説の中から珠玉の3作品を同時リリース≫
下級武士を題材にした武家もの、江戸の町民のひたむきな人生を描いた市井もの、実在した人物や出来事に深く迫る伝記小説など、数多くの時代小説を残し時代を超えて今なお愛され続ける藤沢周平の世界。没後20年生誕90年を経て、今なお愛読者が増え続ける中、時代劇専門チャンネルで映像化された【藤沢周平 新ドラマシリーズ】の第二弾がDVDでリリース。

≪過去を背負い、江戸に戻ってきた老博徒。最後に挑む博打とは。≫
博徒・弥平を演じるのは、オリジナル時代劇「鬼平外伝老盗流転」でも主演を務めた橋爪功。
老境を迎えつつあるひとりの男の諦念と矜持をベテランならではの存在感で魅せる。
監督は「HERO」などの大ヒット作を生み出し続ける鈴木雅之が務め、時代劇に新たな息吹を吹き込む。

[あらすじ]
壷振り師の弥平は、親分を裏切ったほとぼりを冷まそうとしばらく江戸を離れていた。
しかし老境に差しかかり、住み慣れた土地への郷愁にかられ、決死の覚悟で再び江戸へと橋を渡った。
江戸に舞い戻ったその日、弥平はとある女郎屋の前で、夕焼けを眺めるおさよという女と出会う。
おさよは小間物屋を開いた夫の借金の形として自ら身を売った女だった。
亡くした女房とどこか重なるおさよが気になった弥平は、後日、おさよの夫と子供が暮らすという長屋を訪ねる。
だが、そこで見たのは、働きもせず博打に明け暮れる不実な夫の姿だった。
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時代劇専門チャンネルとスカパー!が共同制作するオリジナル時代劇の単発テレビドラマ… 「藤沢周平」の連作短篇集『橋ものがたり』から3編をドラマ化する企画『藤沢周平 新ドラマシリーズ 第二弾 橋ものがたり』の第二作にあたる作品です。

壷振り師の弥平は、親分を裏切ったほとぼりを冷まそうとしばらく江戸を離れていた… しかし老境に差しかかり、住み慣れた土地への郷愁にかられ、決死の覚悟で再び江戸へと橋を渡った、、、

江戸に舞い戻ったその日、弥平はとある女郎屋の前で、夕焼けを眺めるおさよという女と出会う… おさよは小間物屋を開いた夫の借金の形として自ら身を売った女だった。

亡くした女房とどこか重なるおさよが気になった弥平は、後日、おさよの夫と子供が暮らすという長屋を訪ねる… だが、そこで見たのは、働きもせず博打に明け暮れる不実な夫の姿だった。

原作が忠実に映像化されている印象で安心して観れました… 弥平は逃げ切れたのかな… おさよは不実な夫のもとへは帰らず、自分の人生を歩めたのかな、、、

描かれていない、その後の展開が気になる作品… 弥平役の橋爪功が良かったですね。

-----staff/cast-------------
監督:鈴木雅之
製作:杉田成道
   小牧次郎
   武田功
企画・プロデュース:宮川朋之
プロデューサー:樋渡典英
        大竹雄介
        佐生哲雄
        足立弘平
原作:藤沢周平
   『吹く風は秋』(新潮文庫/実業之日本社『橋ものがたり』所収)
脚本:金子成人
音楽:眞鍋昭大
出演:
 橋爪功 弥平
 臼田あさ美 おさよ
 田山涼成 屋台の親父
 波岡一喜 慶吉
 大路恵美
 吉村涼
 今里真
 紅壱子
 鶴田忍
 岩松了
 喜之助
 杉本哲太 徳次
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『浮草』 1959年

2023年03月03日 22時10分08秒 | ■映画・ドラマ
BS松竹東急で放映されていた『浮草/1959』を観ました。

-----story-------------
名匠・小津安二郎が愛と微笑みの心でうたいあげた人生の真実!
胸打つ哀愁と感動の文芸巨編が4Kデジタル修復で甦る!

旅回りの駒十郎の一座は夏の港町にとどまっていた。
駒十郎は一膳屋のおかみ・お芳との間にできた清を気に掛け、この地で定期的に公演を行っていたのだ。
駒十郎はお芳の兄と偽っていたが、連れ合いのすみ子は駒十郎とお芳、清の関係に疑いを抱き、一座の若い娘・加代に清を誘惑するように仕向けるが……。
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1934年(昭和9年)に製作した『浮草物語』を小津安二郎監督自らがリメイクした作品です。

志摩半島にある、小さな港町… そこに、知多半島を回ってきた駒十郎の一座がやってくる、、、

彼は一座の女・すみ子と懇ろになっていたが、その町には彼の子を生んだお芳がいた… 駒十郎は、事情を知らない息子の相手をするうちに親心が芽生える。

そんな彼の変化に苛立つすみ子は、腹いせに一計を案じる。

この作品は初めて観たのですが… 恋愛や愛憎が比較的ストレートに表現された人情劇で、小津安二郎監督作品っぽくない展開の作品でしたねー そういう意味では異色作と評価されていることにも納得です、、、

それでも、独特のカメラ目線や色使い、台詞回し等、作品全体の雰囲気は小津安二郎監督らしさが詰まっていたので愉しめました… 小津安二郎監督は、観ちゃうと、どんどん違う作品も観たくなる魅力に溢れていますね。

-----staff/cast-------------
監督:小津安二郎
製作:永田雅一[製作]
企画:松山英夫
脚本:野田高梧
   小津安二郎
撮影:宮川一夫
美術:下河原友雄
編集:鈴木東陽
音楽:斎藤高順
助監督:中村倍也
出演:
 中村鴈治郎 嵐駒十郎
 京マチ子 すみ子
 若尾文子 加代
 川口浩 本間清
 杉村春子 母お芳
 野添ひとみ 「小川軒」のあい子
 笠智衆 「相生座」の旦那
 三井弘次 吉之助
 田中春男 矢太蔵
 入江洋吉 杉山
 星ひかる 木村
 潮万太郎 仙太郎
 浦辺粂子 しげ
 高橋とよ あい子の母
 桜むつ子 「梅廼家」おかつ
 賀原夏子 八重
 伊達正 扇升
 島津雅彦 その孫正夫
 菅原通済 客
 丸井太郎 庄吉
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『秋日和』 1960年

2023年03月01日 21時36分34秒 | ■映画・ドラマ
BS松竹東急で放映されていた『秋日和/1960』を観ました。

-----story-------------
小津安二郎監督生誕110年記念
最新鋭のデジタル技術でリマスター修復され、“小津カラー"がよみがえる。
人生の真実にさりげなく触れる晩年の小津の成熟したドラマ。

麻布の寺で、三輪の七回忌の法要が行われた。
三輪の学生時代の友人間宮、田口、平山の三人が久しぶりに集まる。
彼らは三輪の娘アヤ子に縁談を勧めるが、笑ってごまかされてしまう。
実はアヤ子は、結婚すると母秋子が一人になるのを気遣っていたのだった。
間宮と田口は、秋子が再婚すれば、アヤ子も結婚を決心するだろうと秋子と平山の再婚を画策するのだが、話はこじれていく。
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『彼岸花』と同じく、里見弴の同名小説を、小津安二郎が野田高梧と共同でシナリオ化した作品で、晩年の小津安二郎監督作品の中でも傑作といわれているようですね。

共通の友人だった三輪の七回忌で、間宮、田口、平山の三人は、未亡人である秋子とその娘アヤ子と再会… 婚期を迎えたアヤ子に結婚相手をと、三人はお節介を焼こうとするが、当の本人はまだ結婚の意思がないと言う、、、

アヤ子が結婚しないのは、秋子に対する遠慮があるのではないかと考えた三人は、秋子の再婚話を進めようとする… 再婚相手の候補には平山を立て、アヤ子を呼んで説得した。

アヤ子は母が平山と再婚するものと思い込み、友人の百合子に相談… 百合子はあまりの独断ぶりに憤慨し、三人に猛烈に抗議する、、、

彼らの説明を聞いてようやく百合子の誤解も解け、母娘の結婚話が進むことになる… しかし秋子は娘と二人で出かけた旅先で、自分は一人で生きていく決意を伝え、娘の背中を押す。

娘の結婚式を終え、アパートに戻った秋子は静かに微笑を浮かべるのだった……。

間宮、田口、平山の三人が、勝手に母子の縁談を進めようとして、どんどん話がこじれていく展開が滑稽でしたねー 小津安二郎作品って、父娘の組み合わせが多いのですが、本作品は母娘という組み合わせが新鮮だったし、同性だけに誤解が生じたときのこじれ具合が激しかったですね、、、

小津安二郎監督、やっぱりイイですねー 好きです。

-----staff/cast-------------
監督:小津安二郎
製作:山内静夫
原作:里見弴
脚本:野田高梧
   小津安二郎
撮影:厚田雄春
美術:浜田辰雄
衣裳:杉山利和
編集:浜村義康
音楽:斎藤高順
出演:
 原節子 三輪秋子
 司葉子 娘アヤ子
 岡田茉莉子 佐々木百合子
 佐田啓二 後藤庄太郎
 佐分利信 間宮宗一
 沢村貞子 妻文子
 桑野みゆき 娘路子
 島津雅彦 息子忠雄
 笠智衆 三輪周吉
 北竜二 平山精一郎
 三上真一郎 息子幸一
 中村伸郎 田口秀三
 三宅邦子 妻のぶ子
 田代百合子 娘洋子
 設楽幸嗣 息子和男
 渡辺文雄 杉山常男
 千之赫子 高松重子
 高橋とよ 「若松」の女将
 桜むつ子 佐々木ひさ
 竹田法一 夫芳太郎
 十朱久雄 桑田種吉
 南美江 妻栄
 須賀不二男 旧部下の社員
 岩下志麻 受付係
 菅原通済 すし屋の客
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『彼岸花』 1958年

2023年02月28日 21時32分51秒 | ■映画・ドラマ
BS松竹東急で放映されていた『彼岸花/1958』を観ました。

-----story-------------
小津安二郎監督生誕110年記念
最新鋭のデジタル技術でリマスター修復され、“小津カラー"がよみがえる。
小津監督初めてのカラー作品は、美男美女をそろえたホームドラマ。

平山渉は娘、文子には良い縁談をと考えていた。
ある日、突然、文子との結婚を了解して欲しいという谷口が平山の会社を訪れ、文子と谷口の交際が発覚。知人の娘の縁談には寛容な平山であったが、文子が相談なしに結婚の約束をしたと知り、激怒する。
文子と谷口との結婚を許さない平山のもとに、文子の友人、幸子が自分の縁談で困っている、と相談にやってきた。
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小津安二郎監督初めてのカラー作品… 独特の色使いも魅力でしたね。

大和商事会社の常務をしている平山(佐分利信)には、適齢期を迎えた娘・節子(有馬稲子)がいた… 彼は節子の意思を無視して条件のいい縁談を進めていく一方で、知り合いの京都の旅館の娘・幸子(山本富士子)が見合いの話を次々に持ってくる母親の苦情を言うと「無理に結婚することはない」と物分りのいい返事をする、、、

実は節子には、親に黙って付き合っている谷口(佐田啓二)という相手がいた… そのことを知った平山は娘の恋愛に猛反対する…。

昭和30年代の物語だし、父親の気持ちもわからないことはないけど… 矛盾する父親の主張よりも、娘の幸せを第一に考えている母親の方に感情移入しながら観ちゃいましたね、、、

母親役の田中絹代の筋が通っていて、軸のぶれない主張が心地良かったですねー それでもキュートさを失わない役作りに好感が持てました。

あとは、京都の旅館の娘・幸子役の山本富士子が機転の利く良い役割を果たしていましたねー 印象的な役でした、、、

小津安二郎監督、やっぱりイイですねー 好きです。

-----staff/cast-------------
監督:小津安二郎
製作:山内静夫
原作:里見弴
脚本:野田高梧
   小津安二郎
撮影:厚田雄春
美術:浜田辰雄
衣裳:長島勇治
編集:浜村義康
音楽:斎藤高順
出演:
 佐分利信 平山渉
 田中絹代 清子
 有馬稲子 平山節子
 久我美子 三上文子
 佐田啓二 谷口正彦
 高橋貞二 近藤庄太郎
 桑野みゆき 平山久子
 笠智衆 三上周吉
 浪花千栄子 佐々木初
 渡辺文雄 長沼一郎
 中村伸郎 河合利彦
 北龍二 堀江平之助
 高橋とよ 「若松」の女将
 桜むつ子 女給アケミ
 長岡輝子 派出婦富沢
 十朱久雄 曽我良造
 須賀不二夫 列車給士
 江川宇礼雄 同窓生中西
 菅原通済 同窓生菅井
 竹田法一 同窓生林
 小林十九二 同窓生A
 今井健太郎 駅員A
 井上正彦 駅員B
 川金正直 花婿
 清川晶子 花嫁
 空伸子 女事務員
 千村洋子 看護婦
 末永功 バーテン
 峰久子 女給A
 鬼笑介 社員A
 伊久美愛子 店屋の女中
 佐々木恒子 店屋の女中
 橘一枝 「佐々木」の女中
 川村耿平 披露宴の司会者
 長谷川雅山 披露宴来賓客
 山本富士子 佐々木幸子
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『剣客商売スペシャル 「決闘・高田の馬場」』  2005年

2023年01月18日 21時33分17秒 | ■映画・ドラマ
BSフジで放映していた『剣客商売スペシャル 「決闘・高田の馬場」 /2005』を観ました。

-----story-------------
「剣客商売スペシャル」第3弾!  
池波正太郎原作をドラマ化した藤田まこと主演の傑作時代劇!

武芸好きの旗本・久世は、剣の達人・羽賀儀平(宍戸開)を取り立てた。
久世は、武芸仲間の筑後守に羽賀の腕をしきりに自慢する。
それを聞いた筑後守は、臣下の剣豪・吉村弥惣治(内藤剛志)と、家宝を賭けて真剣で決闘をさせようと申し出た。
場所は高田の馬場。
命がけの勝負を前に、家族の行く末を思い塞ぎこむ吉村。
かつての弟子・吉村の窮地を知った秋山小兵衛(藤田まこと)は、両家の重臣、坂西房之助(石丸謙二郎)と谷万右衛門(石倉三郎)に決闘を中止させる策を伝授するが、失敗。
とうとう、決闘の当日を迎えてしまう…。
-----------------------

藤田まこと主演の『剣客商売』のスペシャル版… スペシャル版としては第3弾になる作品のようですね。

秋山小兵衛は、道場をたたみ、悠々自適の隠居生活を送っていた… ある日、小兵衛は妻のおはると共に、侍同士の果し合いに出くわす、、、

素浪人・羽賀儀平は見事な剣さばきで一瞬のうちに相手を打ち倒し、小兵衛をも瞠目させる。羽賀はその様子を見ていた旗本・久世帯刀の家来・谷万右衛門の推挙により、久世に仕える身となった… 久世は羽賀の腕のほどを同じ旗本寄合組の高木筑後守に自慢するが、そのことが発端となり、羽賀は無外流を使う高木臣下の剣豪・吉村弥惣治と真剣で決闘することになってしまう。

吉村は小兵衛のかつての弟子であった… ことを聞きつけた小兵衛は無益な争いを止めさせようと奔走するが……。

久し振りに『剣客商売』を観ましたが… スカッとする勧善懲悪的な展開が愉しめて満足できました、、、

スペシャル版は物語に厚みが出るので面白いですねー もっとスペシャル版を製作して欲しかったなぁ。


-----staff/cast-------------
原作:池波正太郎(新潮文庫刊)
脚本:古田求
監督:井上昭
制作:フジテレビ/松竹株式会社
キャスト:
 秋山小兵衛:藤田まこと
 秋山大治郎:山口馬木也
 三冬:寺島しのぶ
 おはる:小林綾子
 不二楼おもと:梶芽衣子
 田沼意次:平幹二朗
 羽賀儀平(久世家仕官予定) :宍戸開
 谷万右衛門(久世家家来):石倉三郎
 坂西房之助(高木家家来) :石丸謙二郎
 高木筑後守元好(旗本寄合席肝煎):菅野菜保之
 寺中小文吾:森岡豊
 久世帯刀(旗本寄合席 7500石):立川三貴
 楓:亜呂奈
 お初(久世家腰元):田中千絵
 近江屋伊助(お初の父):森山潤久
 吉村三津(弥惣治の妻):床嶋佳子
 吉村弥惣治(高木家家来): 内藤剛志
 ナレーター:橋爪功
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