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『天山を越えて』 胡桃沢耕史

2021年11月15日 21時43分00秒 | ■読書
「胡桃沢耕史」の長篇ミステリ作品『天山を越えて』を読みました。


ここのところ、国内のミステリ作品が続いています。

-----story-------------
腕利きの仕立て職人「衛藤良丸」には、戦争の間、外地で「特別な任務」についていた過去があった。
ある日突然、烏魯木斉へ旅立った「衛藤」が従事していた任務とは? 
舞台は、昭和八年のシルクロード! 
灼熱の砂漠、険しい雪山、精強な東干兵に美しき花嫁――これで面白くないはずがない! 
第三十六回日本推理作家協会賞長編部門受賞作。
冒険小説クラシックス第二弾!!
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1982年(昭和57年)に刊行された冒険小説… <冒険小説クラシックス>シリーズの第2弾として復刊された作品です。

 ■一章――A
  昭和五十六年、衛藤良丸(七十一歳)突然の失踪について。
 ■二章
  昭和三十五年、衛藤良丸(五十歳)が、昭和八年の経験を思い出して書いた小説。某文学賞候補作品『東干』の全文。
 ■三章――A
  昭和三十五年の秋、衛藤良丸(五十歳)が突然、米国の日本監視機構(GⅡ)に呼び出された事情について。
 ■四章
  昭和三十五年の秋、麻布狸穴にある、GⅡの残存機関に軟禁されて、衛藤良丸が読まされた、二つの書類。
 ■三章――B
  昭和三十五年の秋、衛藤良丸(五十歳)が突然、米国の日本監視機構(GⅡ)に呼び出された時の、状況の続き。
 ■一章――B
  昭和五十六年、衛藤良丸(七十一歳)突然の失踪についての記述の続き。
 ■解説 北上次郎


昭和8年、満洲をほぼ掌握した日本軍部は、来るべき全面戦争に備えてタクラマカン砂漠に住む自由の民東干との提携を策した… 奉天鉄道ホテル社長の娘「犬山由利」に目をつけた軍部は、東干を率いる青年「馬仲英(マー チュウイン)」との縁組みを強引に承知させる、、、

だが、「仲英」は天山地方へ転戦… 取り残された「由利」は、従者の「衛藤良丸上等兵」とともに「仲英」の後を追うが…。


「衛藤良丸」「犬山由利」「アーサー・カマル」の三人が描いた中国西域での冒険譚が紡がれ、それぞれの人生を浮かび上がらせる展開が愉しめる冒険小説でした… 支那事変前の時代を背景に、三者三様の人生が日米ソの国家の思惑に翻弄されつつ交錯、、、

まさか、核兵器製造まで繋がってくるとはね… 切ないエンディングも印象的でした。



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