「池井戸潤」が身近に潜む恐怖を描いた長編作品『ようこそ、わが家へ』を読みました。

『花咲舞が黙ってない』、『かばん屋の相続』、『ルーズヴェルト・ゲーム』に続き「池井戸潤」作品です。
-----story-------------
2015年4月 連続ドラマ化決定!
全国フジテレビ系月曜夜9時~
主演・「相葉雅紀」 出演・「寺尾聰」、「南果歩」、「有村架純」ほか

恐怖のゲームがはじまった
真面目なだけが取り柄の会社員「倉田太一」は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。
すると、その日から「倉田家」に対する嫌がらせが相次ぐようになる。
花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。
さらに車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。
執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。
一方、出向先のナカノ電子部品でも、「倉田」は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから、窮地に追い込まれていく。
直木賞作家が“身近に潜む恐怖"を描く文庫オリジナル長編。
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2005年(平成17年)秋号から2007年(平成19年)冬号にかけて、文芸誌『文芸ポスト』に掲載された後、2015年(平成27年)4月にフジテレビ系でテレビドラマ化された作品です、、、
テレビドラマを家族が観ていたので、何回かは観たのですが… あまり記憶になかったので、先入観なく読めました。
■第一章 原題ゲーム私論
■第二章 名無しさん
■第三章 善良なる小市民、悪意の一般人
■第四章 真夏の攻防
■第五章 名無しさんの正体
■第六章 名も無きひとりの人間として
■解説 ―池井戸潤の過去と現在がブレンドされた贅沢な一品 村上貴史
主人公の「倉田太一」は、51歳で青葉銀行からナカノ電子部品という取引先に出向している… 中野にある会社からの帰路、山手線の代々木駅で、整列乗車の列を無視して電車に乗り込んできた30歳代らしき長髪の男を「倉田」は叱りつけた、、、
日頃はそんなことはしないのに… 他の乗客の後押しもあり、男は別なドアに移動し、一件落着かと思われたが、そうではなかった!
横浜市の港北ニュータウンにある自宅の最寄り駅で下車した「倉田」は、男もまたその駅にいることに気付いたのである… 自宅を尾行してきたのか?自宅に向かう「倉田」を、男はひたひたと追ってくる、、、
急に走り出すなどして男を振り切ったつもりだったが、翌朝、そうではないことが判明… 自宅の花壇が荒らされていたのだ!そう、「倉田」は逆恨みのターゲットにされてしまったのである。
同じ列車に乗ろうとしていたというだけの縁で、「倉田」と男は結びついてしまった… 男は「倉田」がどんな人間かも知らぬままに、それこそ「倉田」の名前すら知らぬままに、「倉田」に強烈な悪意を抱いたのである、、、
男の攻撃は花壇だけにとどまらず、郵便ポストに瀕死の猫を放り込まれたり、車を傷つけられたり、盗聴器を仕掛けられたり、現金を盗まれたり と嫌がらせを受けることになる… しかし、「倉田」を悩ませる問題は、それだけではなかった。
彼が総務部長として勤めるナカノ電子部品でも異常事態が発生したのだ… 棚卸の際に、2,000万円の商品在庫が消えていることが判明、、、
営業部長の「真瀬」に確認に赴くものの、体格が良くて声も大きな「真瀬」に逆に文句を言われて、「倉田」は言い返せずに引き下がってしまう… だが、在庫は確かに帳簿と食い違っているのだ。
かくして「倉田」は社内の問題との闘いも始めなければならないことになった… 銀行から出向してきた外様という立場で、、、
家庭を襲う悪意と、会社内で色濃くなる疑惑… それに「倉田」は立ち向かっていくことになる。
小心者で、腹を立てても、言いたいことの十分の一も言えない頼りない性格… 銀行での成績はほどほどで、なんとか副支店長という役職は得たものの、剛腕で鳴る支店長からダメ管理者のレッテルを貼られてナカノ電子部品に出向させられ、出向先でも、他の部長にはなめられ、部下にはダメ上司と思われている、、、
「倉田」は、肉体的にも精神的にも、二つの問題と同時に対峙できるようなヒーローではないが、なんとかするしかないことには、家族との平穏な日々もなければ、会社生活はもとより会社自体も危ういという状況に陥り、家族と部下という味方にして問題の解決にあたる… 特に「倉田」の息子の「健太」と部下の「西沢摂子」の協力が絶大な効果をもたらせてくれましたね。
日常生活の中で、誰にでも起こりうる事態… 特に家庭をターゲットにしたストーカーは恐ろしいと思いますね、、、
通勤電車でのトラブルって、他人事じゃないですからねぇ… “身近に潜む恐怖"を実感しつつ、スッキリしたエンディングが愉しめる一冊でした。
以下は主な登場人物です。
《倉田家》
横浜市都筑区茅ケ崎の港北ニュータウンに居を構える。
「倉田 太一(くらた たいち)」
本作品の主人公。今年52歳。温和で臆病な性格。
銀行の副支店長まで務めたが、支店長になり損ね、去年から中堅企業のナカノ電子部品に出向している。
ナカノ電子部品での役職は総務部長。
「倉田 珪子(くらた けいこ)」
太一の妻。地域のボランティア活動に参加しているクリスチャン。
レザークラフト教室の仲間からもらったオルゴールの中に盗聴器が見つかって唖然とする。
「倉田 健太(くらた けんた)」
太一と珪子の長男。私立大学2年生。
テレビ番組制作プロダクションでアルバイトをしている。率先して犯人探しをする。
「倉田 七菜(くらた なな)」
太一と珪子の長女。高校3年生。少し強情な性格。
《ナカノ電子部品》
「西沢 摂子」
経理担当。30代後半で、シングルマザーのベテラン社員。
「真瀬」
営業部長。雄弁な55歳。
「平井」
営業部課長。40代。
「江口 浩規(えぐち ひろき)」
配送課。

『花咲舞が黙ってない』、『かばん屋の相続』、『ルーズヴェルト・ゲーム』に続き「池井戸潤」作品です。
-----story-------------
2015年4月 連続ドラマ化決定!
全国フジテレビ系月曜夜9時~
主演・「相葉雅紀」 出演・「寺尾聰」、「南果歩」、「有村架純」ほか

恐怖のゲームがはじまった
真面目なだけが取り柄の会社員「倉田太一」は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。
すると、その日から「倉田家」に対する嫌がらせが相次ぐようになる。
花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。
さらに車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。
執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。
一方、出向先のナカノ電子部品でも、「倉田」は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから、窮地に追い込まれていく。
直木賞作家が“身近に潜む恐怖"を描く文庫オリジナル長編。
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2005年(平成17年)秋号から2007年(平成19年)冬号にかけて、文芸誌『文芸ポスト』に掲載された後、2015年(平成27年)4月にフジテレビ系でテレビドラマ化された作品です、、、
テレビドラマを家族が観ていたので、何回かは観たのですが… あまり記憶になかったので、先入観なく読めました。
■第一章 原題ゲーム私論
■第二章 名無しさん
■第三章 善良なる小市民、悪意の一般人
■第四章 真夏の攻防
■第五章 名無しさんの正体
■第六章 名も無きひとりの人間として
■解説 ―池井戸潤の過去と現在がブレンドされた贅沢な一品 村上貴史
主人公の「倉田太一」は、51歳で青葉銀行からナカノ電子部品という取引先に出向している… 中野にある会社からの帰路、山手線の代々木駅で、整列乗車の列を無視して電車に乗り込んできた30歳代らしき長髪の男を「倉田」は叱りつけた、、、
日頃はそんなことはしないのに… 他の乗客の後押しもあり、男は別なドアに移動し、一件落着かと思われたが、そうではなかった!
横浜市の港北ニュータウンにある自宅の最寄り駅で下車した「倉田」は、男もまたその駅にいることに気付いたのである… 自宅を尾行してきたのか?自宅に向かう「倉田」を、男はひたひたと追ってくる、、、
急に走り出すなどして男を振り切ったつもりだったが、翌朝、そうではないことが判明… 自宅の花壇が荒らされていたのだ!そう、「倉田」は逆恨みのターゲットにされてしまったのである。
同じ列車に乗ろうとしていたというだけの縁で、「倉田」と男は結びついてしまった… 男は「倉田」がどんな人間かも知らぬままに、それこそ「倉田」の名前すら知らぬままに、「倉田」に強烈な悪意を抱いたのである、、、
男の攻撃は花壇だけにとどまらず、郵便ポストに瀕死の猫を放り込まれたり、車を傷つけられたり、盗聴器を仕掛けられたり、現金を盗まれたり と嫌がらせを受けることになる… しかし、「倉田」を悩ませる問題は、それだけではなかった。
彼が総務部長として勤めるナカノ電子部品でも異常事態が発生したのだ… 棚卸の際に、2,000万円の商品在庫が消えていることが判明、、、
営業部長の「真瀬」に確認に赴くものの、体格が良くて声も大きな「真瀬」に逆に文句を言われて、「倉田」は言い返せずに引き下がってしまう… だが、在庫は確かに帳簿と食い違っているのだ。
かくして「倉田」は社内の問題との闘いも始めなければならないことになった… 銀行から出向してきた外様という立場で、、、
家庭を襲う悪意と、会社内で色濃くなる疑惑… それに「倉田」は立ち向かっていくことになる。
小心者で、腹を立てても、言いたいことの十分の一も言えない頼りない性格… 銀行での成績はほどほどで、なんとか副支店長という役職は得たものの、剛腕で鳴る支店長からダメ管理者のレッテルを貼られてナカノ電子部品に出向させられ、出向先でも、他の部長にはなめられ、部下にはダメ上司と思われている、、、
「倉田」は、肉体的にも精神的にも、二つの問題と同時に対峙できるようなヒーローではないが、なんとかするしかないことには、家族との平穏な日々もなければ、会社生活はもとより会社自体も危ういという状況に陥り、家族と部下という味方にして問題の解決にあたる… 特に「倉田」の息子の「健太」と部下の「西沢摂子」の協力が絶大な効果をもたらせてくれましたね。
日常生活の中で、誰にでも起こりうる事態… 特に家庭をターゲットにしたストーカーは恐ろしいと思いますね、、、
通勤電車でのトラブルって、他人事じゃないですからねぇ… “身近に潜む恐怖"を実感しつつ、スッキリしたエンディングが愉しめる一冊でした。
以下は主な登場人物です。
《倉田家》
横浜市都筑区茅ケ崎の港北ニュータウンに居を構える。
「倉田 太一(くらた たいち)」
本作品の主人公。今年52歳。温和で臆病な性格。
銀行の副支店長まで務めたが、支店長になり損ね、去年から中堅企業のナカノ電子部品に出向している。
ナカノ電子部品での役職は総務部長。
「倉田 珪子(くらた けいこ)」
太一の妻。地域のボランティア活動に参加しているクリスチャン。
レザークラフト教室の仲間からもらったオルゴールの中に盗聴器が見つかって唖然とする。
「倉田 健太(くらた けんた)」
太一と珪子の長男。私立大学2年生。
テレビ番組制作プロダクションでアルバイトをしている。率先して犯人探しをする。
「倉田 七菜(くらた なな)」
太一と珪子の長女。高校3年生。少し強情な性格。
《ナカノ電子部品》
「西沢 摂子」
経理担当。30代後半で、シングルマザーのベテラン社員。
「真瀬」
営業部長。雄弁な55歳。
「平井」
営業部課長。40代。
「江口 浩規(えぐち ひろき)」
配送課。
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