投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

サザエさん №45 - 長谷川 町子(朝日新聞社)

サザエさん (45)
長谷川 町子
朝日新聞社

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姉妹社刊の全68巻サザエさんを全45巻にまとめた最終巻。新聞連載から28年目。1974年2月21日休載。

1994年9月20日第一刷発行。1994年10月15日第3刷発行。

45巻目は1973年から1974年の話。この巻はオイルショックの時代。全ページが節約、節約、節約・・・。




P2
トイレットペーパー不足。1回の使用量は30cm。

P10
週休二日制。犬も休み。

P14
千歳あめの紙筒も無駄。

P23
電車の中で波平は家計簿を読んでいる。それを横から見ていた乗客が涙する・・・。

P37
忘年会に重箱を持って行く。

P39
新聞のページが減る。

P59
節電、TV放送時間短縮。

P67
国電の暖房節約。

P69
日本沈没、ヒット。

P93
ソルジェニーツィン、国外追放。

P98
山本有三死去。「子孫に美田を残さず」




P2オイルショックをきっかけとする噂でひろまったトイレットペーパー騒動。

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1973年10月16日、産油国が原油価格を70%引き上げることを決定したため、当時の通産大臣・中曽根康弘が「紙節約の呼びかけ」を10月19日に発表。10月下旬には「紙がなくなる」という噂が流れる。この当時、日本の紙生産は安定しており、実際には生産量自体は同流言飛語が全国的に広まるまで、ほとんど変わっておらず、パニックが発生した後はむしろ生産量増加も行っていた模様。マスコミの報道や流言飛語によって不安に駆られ、高値でたくさんのトイレットペーパーを買った消費者は、山積み保管していた。翌1974年3月になると騒動は収束していき、在庫量も通常の水準に回復した。
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P10は時期が早すぎるような気がするが、週休二日制が一般的になったのは1980年代。以前は土曜日は出勤が当たり前。午前だけだったが出勤していた。半ドンと言った。午前だけの出勤だが、ほとんど仕事らしい仕事をしていなかった気がする。みんなでわっと昼飯を食べに行って、それも午後は仕事が無かったから酒を飲んでも良かった。午後もやることがあるヤツは残業になるが、暇なヤツは何しに出てるのか良くわからない状態。無駄と言えば無駄だった。それが隔週で休みになって、その後完全に週休二日になった。1973年当時は私はまだ義務教育の頃だったから、気にもとめていなかったが、この当時から週休二日制の話があったのであれば、それは労働者の勤務時間の短縮とは関係なく、オイルショックとの関係じゃなかろうかと思ったりする。

P14からP67はモロにオイルショックの影響。

P69は小松左京の小説で、映画にもTVドラマにもなった。当時、映画を観て小説を読んだ。最近リメイクされた映画でも同じ台詞があったが、日本列島が沈んでいっても日本人は他所の国へ逃げるとかはぜず、「何もしない」というのが良いという選択があることを総理が言う箇所がある。そこだけが何故か異様に記憶に残っている。

P93はそういう人も確かにいた。昔懐かしいソ連の話。

P98は日本の劇作家、小説家、政治家である。本名は山本 勇造(やまもと ゆうぞう)。日本芸術院会員。帝国芸術院会員、貴族院議員、参議院議員などを歴任した。1974年1月11日没。なんで「子孫に美田を残さず」なのかというと、山本有三は遺産を残すが波平は残せない。波平はカツオに「子孫に美田を残さず」と言うが、カツオにしてみれば「残せない」んでしょ?ということになる。私は山本有三の名前を初めてこの漫画で知り、山本有三が「子孫に美田を残さず」と言ったんだろうとメモを残した。違っていたようだ。


(2006年)



                --- 参考 ---

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