
神戸の第四埠頭で地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開があったので行って来ました。

長さ210m、幅38m、深さ16.9m、総トン数57087トン、乗員150名。重心がとても高い不安定な船に見えるのですが、自動車運搬船などよりははるかに低いとのこと。オーナーは海洋研究開発機構。日本の税金で建造され運用費用の1/3は日本、1/3はアメリカ、残り1/3をその他の国々で負担するそうです。船の籍は横須賀ですが母港は決めないとのこと。

船の運用は日本。海洋研究開発機構が行いますが、乗務員は民間と契約し、運行は日本郵船、掘削担当はノルウェーの会社、無人深海艇はアメリカの会社と色々とのこと。

一番小径のドリルピット。人口ダイヤをはめ込んだチタン製。白い小さな容器は「泥水」とよばれるドリル冷却用薬品。これを船からパイプにそって流し込みドリルピットを冷やすそうです。

掘削フロアにつながる橋。ここは立ち入り禁止。どなたか襟にバッチをつけた方が視察に来られていたようで、間近でお見かけしたのですがどなたか分かりませんでしたが、説明とカメラ用にノルウェー人のスタッフが二名この橋を渡って行きました。あとから聞いた話ですがその二名に支払う費用は1人年間3000万円だそうで、とっぷクラスの技術者とのこと。通常このての技術者は1人年間2000万円だそうです。

研究棟から埠頭を見下ろした絵です。

掘削フロアの下部。船の甲板で言えばゼロ甲板ですか?。可動式の何か。

掘削フロアの下部。奈落の底まで続く穴が開いています。ムーンプールへつながる開口部。

噴出防止装置。あらかじめ見学に先立ってビデオでどういう機能を持った船で、それぞれの用具がどんな働きをするのかを説明してくれます。で海底面に穴を開けドリルピットで掘削をする用意が整った後、ガス等の噴出を防ぐために海底面のパイプにかぶせる用具がこれ。まさかこんなに巨大なものとは思いませんでした。高さ30mはあるように見えます。

パイプラック。ライザーパイプの群れ。

昨年2005年7月に完成し下北半島沖などで現在は訓練中の「ちきゅう」。約二年間の訓練期間の後、来年2007年秋に熊野灘で本運用を開始し南海トラフの掘削を行うそうです。大きな船なのですが船を運用する乗員は40名程度とのこと。その他、掘削スタッフ40名程度、研究スタッフ等を入れて約150名がこの船で暮らします。本運用に入ると4週間毎に乗組員・スタッフを総入れ替えしていくそうで乗員の交代にはヘリコプターを使うとのこと。乗組員・スタッフの契約は2年間。船の内部を見ていて驚いたのは皆個室を持っているようなのです。各部屋にネームプレートが貼ってあるんですが、海洋で長期間の活動を要求される本船ですから、乗員に負担をかけないよう配慮されているようです。