投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

マスター・アンド・コマンダー(ビスケット) - 映画に出てくる食事の場面(57)



 
2003年のアメリカ映画。原作はパトリック・オブライアンの海洋冒険小説、『オーブリー&マチュリンシリーズ』。監督はピーター・ウィアー、出演はラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、他。興行収入は2億1千2百万ドル。


ナポレオン戦争中の19世紀初頭の話。ジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)艦長と艦に乗り込んでいる医者で博物学者のマチュリン(ポール・ベタニー)を中心に話は進む。ラッセル・クロウが指揮をするフリゲート艦サプライズはフランス海軍の私掠船アケロンの拿捕の命を受けた。しかしアケロンは大きさ速度ともサプライズに勝り、ラッセル・クロウとその艦は初戦で大きな被害を受ける。南アメリカ東海岸沿いに南に進むアケロンを追いフォーン岬を回り舞台は太平洋へ、、、。


選んだ食事の場面はアケロン号との初戦の後の食事の場面。士官が集まりテーブルを囲む。ずいぶん前、「大帆船」という絵本のことを書いた。その後にDVDでこの映画を観て「大帆船」を思い出したと書いたけどまさにこの場面。



ビスケットが皿においてある。ビスケットはメリケン粉を塩で味付けして硬く焼きあげただけのものを樽につめて保存していた。日がたつと蛆がわいたという。


のこのことビスケットの中から這い出して出てきているが、ビスケットの中にはまだいるかもしれない。蛆を取るにはビスケットを入れている樽の上に死んだ魚を乗せた皿を置いたそうだ。蛆が魚にたかると魚を捨てて、新しい魚を置いた。蛆が出てこなくなるまで繰り返したという。でも取り切れない。

子供たちがたくさん軍艦に乗り込んでいるのも忠実に描いてある。士官になるため、水兵になるため船に乗り込んで学んでいく。この時代、乗組員は大人も強制徴募というのがあったと別の本に書いてあったが、庶民にとって陸の上で生活するのと船の上で生活するのとどっちが良いか? そこそこ生活できるのであれば陸の方が良い。しかしギリギリの生活であれば船の上の方が生活は楽だった。なぜなら寝る場所も食べるものも支給され、オマケに給料さへ手に入ったから。
 
しかしチーズは洋服のボタンになるくらい硬く、水は腐り、ビスケットには蛆がわく。塩漬け肉は緑色に変色し腐りかけ。壊血病で死ぬものもいた。それでも陸で生活するよりはましだと言う者がおおぜいいたそうだ。
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