1985年の日本映画。伊丹十三の脚本・監督。出演は山﨑努、宮本信子、役所広司、渡辺謙、安岡力也、加藤 嘉、大滝秀治、桜金造、他。
映画の本筋は売れないラーメン屋を立て直す話だが、本筋とは関係ないエピソードがいくつも入っていて、それが全く本筋を邪魔していない。
蕎麦かウドンのどちらが好きかと問われたら私は蕎麦と答える。巷の街道にはウドン屋が溢れている。ウドンは基本の型があるのだがアレンジが効くのがウドン屋が多い理由かと思っている。それに比べて蕎麦はストイックだ。鍋の締めに蕎麦は無いし、蕎麦にキムチは蕎麦への冒涜だ。蕎麦のそう言う不器用で融通がきかないところが好きだ。
この映画は蕎麦では無くてラーメンだろうと思われるかも知れないが蕎麦が出てくる場面がある。
選んだ食事の場面は本筋で蕎麦屋の場面。4人(山﨑努、宮本信子、渡辺謙、加藤 嘉)で盛り蕎麦14枚。
ガツガツ蕎麦をすすっている所へ、愛人と運転手の桜金造に連れられて大滝秀治が現れる。天ぷら蕎麦、鴨南蛮、お汁粉は禁じらているのに愛人と桜金造が銀行へ行った隙に天ぷら蕎麦、鴨南蛮、お汁粉をかきこみ大滝秀治は餅をのどに詰まらせ倒れる。4人は大滝秀治を助けたお礼にラーメンに含蓄のある桜金造を紹介されるという話につながる。
この蕎麦屋の場面がとても好きだ。
4人で盛り蕎麦14枚。こういう食べ方をしても良いんだと思わせてくれた。これを試してみたいのだがなかなか実現しない。盛り蕎麦とかけ蕎麦を一緒に注文して食べる事はあるが、盛り蕎麦を2枚なら盛り蕎麦の大盛りで良いかと逃げてしまう。