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芳年の女性妖怪像 ー 月岡芳年 妖怪百物語(太田記念美術館)

2017年08月19日 | 展覧会(日本美術)
月岡芳年 妖怪百物語
2017年7月29日~8月27日
太田記念美術館
 
 
    月岡芳年の妖怪画の世界を紹介する展覧会。
    画業の初期に描いた「和漢百物語」全26点と最晩年に手がけた「新形三十六怪撰」全36点を中心に、102点の展示。


    以下では、妖怪女性像に限定して、印象的な作品を5選。
 
 
 
《和漢百物語 華陽夫人》
    サロメ!
    インドの斑足王の妃、華陽夫人は実は金毛九尾の悪狐が化けたもの。夫をたぶらかし、千人もの人間の首を刎ねさせたという。
 
 
 
 
《新形三十六怪撰 大森彦七道に怪異に逢ふ図》
    幼児キリストを背負う聖クリストフォロス。
 
 
 
 
《新形三十六怪撰 節婦の霊滝に掛る図》 
    まるで長い髪が全身を覆い隠しているような様は、山の洞窟で長年祈りと黙想の日々を過ごしたマグダラのマリア。
 
 
 
 
《岩見重太郎兼亮 怪を窺ふ図》大判3枚続
    本展最初の展示、というか、畳の座敷に展示の一番入口側の作品が、生贄にされている半裸の女性と嬉しそうな妖怪たち、その様子を覗き見ている男。描かれぬ次の場面では女性を助け出すとある。



《奥州安達がはらひとつ家の図》大判堅2枚続
    インパクトから言えば、やはりこの作品を挙げざるを得ない。





   次回展覧会は、芳年の最晩年の作「月百姿」全100点の一挙公開である。

月岡芳年  月百姿
2017年9月1日〜9月24日
太田記念美術館



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