東京でカラヴァッジョ 日記

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ヴィンチェンツォ・カテーナ《聖母子と幼い洗礼者聖ヨハネ》(国立西洋美術館常設展示)

2020年12月03日 | 国立西洋美術館常設展示
ヴィンチェンツォ・カテーナ
《聖母子と幼い洗礼者聖ヨハネ》
1512年頃、40.7×51.9cm
国立西洋美術館、2011年購入
 
 
   背景の教会建物や広場、井戸の佇まい。気になる。
 
 
   どこの教会?
   そもそもヴィンチェンツォ・カテーナって誰?
 
 
 
   ヴィンチェンツォ・カテーナは、1480年頃生、1531年没のヴェネツィアの画家。
   ベッリーニ派の画家の1人ということにとどまらず、「ベッリーニとジョルジョーネを繋ぐ時代の鍵として認識」されるようになっているらしい。
 
 
   背景の教会は、ヴェネツィアに実在するサンタ・マリア・フォルモーザ教会。
 
   伝承によると、聖マリアの出現の奇跡を記念して、639年に建築されたという長い歴史のある教会。
 
   1492年に初期ルネサンス様式に改装されている。
 
   カテーナ作品の制作年は1512年頃であることから、この改装後の教会を描いたものであるようだ。
   その制作年は、作品に描かれた井戸の形状をもとに「1512年以後のさほど遠くない時期」と考えられているとのこと。1512年に井戸に変化があったことが記録に残っているらしい、変化前後の形状も含めて。
 
    その後、16世紀に古典風の2面のファザードが、17世紀にバロック様式の鐘楼が建築される。
 
   18世紀の教会の姿をヴェネツィアの画家カナレットが描いている。
 
   現在も、教会の姿はほぼ同じである。井戸も健在。
 
 
   フォルモーザ(Formosa)とは、「美しい」「豊満な」の意味があるらしい。ニュアンスを掴みかねるが、カテーナ作品を見る限り、清楚な美しさのニュアンスだと考えておく。
 
 
(参照)国立西洋美術館報46号


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